槍〜獅子鼻岩降下〜大キレット〜北穂〜奥穂〜涸沢3泊4日テン泊


- GPS
- 42:33
- 距離
- 48.7km
- 登り
- 3,338m
- 下り
- 3,327m
コースタイム
ポイントごとに通過時間を記入してます。
天候 | ずっと晴れ! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
槍ヶ岳〜奥穂の危険箇所は数え上げたらキリがない。 南岳から大キレットの取り付きを間違えて獅子岩を垂直に降下しました(汗 死ぬかと思いました。 上高地アルペンホテルの入浴料500円はリーズナブルですが、入浴受付がAM10:00 入浴終了がAM10:30、さわやか信州号出発AM11:00なので、涸沢からギリギリセーフ。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
左手に行けば大キレット展望台、右手に行けば大キレットへの「正しいコース」。
この看板の分岐表示に気が付かず、とんでもない目に遭うとは・・・。
30m以上はあるほぼ垂直の岩場を下から見上げる。
何も知らずに道を間違いあの岩場を3点確保で下りきる。
途中で「滑落」「遭難」の文字が頭に浮かぶ。
今思えば、馬鹿のヒトコト。
感想
当初は7月中旬に予定していた槍穂縦走。
体調不良と天候不良と仕事で1ヶ月延期。
念願のテン泊縦走。
テン泊は何度か経験しているけど、3000m級の縦走、それもソロは初めて。
期待と不安を抱きつつの縦走。
目標はとにかく「槍ヶ岳」と「大キレット」それ以外は確定の予定ではなく、いけたら行こう西穂までぐらいの適当計画。
初日23日は上高地〜槍岳山荘まで22kmを9時間で歩きテン泊の予定。
槍沢・ババ平まではかなりのハイピッチで歩くが、ここまではほとんど標高も上がらずハイキングコースのなので当たり前。
大曲から登りがきつくなり始める。
20kg近い装備が足に来る。(上高地から飛ばしすぎたか?)
途中で岩の上に腰掛けて休憩するが、目をつぶった瞬間に船を漕ぎ始める。
睡眠不足で疲れが倍増している。
天狗原を過ぎたところにある水場でハイドレに1リッター、プティパスに2リッター
合計3リッターの水を補給。
この時点で3kgの重量増加はかなりキツイ。
あと2時間程度頑張れば今日のゴールと思って心にムチを入れて歩き続ける。
殺生ヒュッテ通過。
ここからの傾斜がキツイが、見えるとところにゴールがあるので頑張れる。
標識が小屋まであと300m、200mと少なくなってきた。
上から登山者が降りてくると「テン泊ですか?上はいっぱいで20分粘ったけど空き無しなので、殺生に降りてきました。」と教えてくれた。
ガ━━(;゜Д゜)━━ン!!
あと100mぐらいなのに・・・・。
とりあえず自分も殺生にUターン。
「そんな殺生な〜」とは誰も言わない。思わない。
気を取り直して、殺生ヒュッテでテン泊受付(500円)と缶ビール350缶500円合計
1000円を支払う。
テント設営前に気分直しでビールの一気飲み。ウマイ。
テント設営、食事、睡眠の記憶が薄いのは気のせい。
でも、夜中にパラパラとテントを叩く雨の音だけは記憶がある。
翌朝4時に起きると、昨日の男性のテントは既に撤収スタート済み。
昨日賑やかだった大学生グループも陰形なし。
みんな早すぎ。
夜半の雨は小雨だったらしく、朝から快晴!
結局5時48分スタート。
起きてから1時間48分。
(行動遅すぎでしょ)
槍ヶ岳山荘に到着、スマホとデジカメだけを携えて山頂に向かう。
自分としては全く危険を感じないルート。
スイスイといった感じであっという間に頂上。
360度の大パノラマとはこの事か!
感動!
早速写真を撮って、SNSに「山頂なう」と写真付きでつぶやく。
この超展望はいくら見ていても見飽きないが、この先の予定があるので、
後ろ髪を引かれつつ下山。
これから、大喰・中岳・南岳を越えて大キレットに向かう。
南岳小屋を越えると、大キレットが始まるが手前に看板がある。
日本屈指の難ルートである云々、遭難者云々と書かれてある。
こんな所を重量担いで歩くわけです。
その前に大キレット展望台に寄ってゆく。
これが大失敗、死にそうな目に合うのはこの10分後。
展望台で写真をとってスタートしようとすると、年配のグループが声をかけてくる
相手「大キレット行かれるんですか?私達初めてなんで先導してください。」
私「イヤイヤ、私も初めてなんです。とりあえず先行しますが・・」
ということで、年配グループの前を歩くことにして、トレースらしきものを進むと
断崖絶壁にでた。(後から調べると獅子鼻岩というらしい。)
下を覗くと2〜30mは垂直に切り立っている。
とりあえず、手がかり足がかりはほんの少しある。
心のなかに「大キレットってこんなに大変なところなの?みんなこんな垂直の壁をおりてるの?」と自問自答。
でも、勢いで降り始める。
重いザックでバランスが悪い。
3点確保・三点確保と心なかで繰り返しながら降りるが、真下の足場がほとんど見えず、焦る。
頭の中に新聞記事の見出しが「大キレットで転落死・・・」「ヘリで運ばれる・・」。
中ほどまで降りてきたところ、左を見ると簡単な登山ルートが有るではないか!
と言うことは、この岩場はルートじゃないところ?
降りたらダメなところ?
しかし、ここまで来たら下り切るしか無いので、必至でおりる。
なんとか新聞記事にならずに済んだ。
上を見上げると先ほどの年配グループが一番上1mぐらい降りたところで戸惑っている。(当たり前です、降りた私が馬鹿です。)
大声で叫ぶ「左側に巻き道がありま〜す。まいてくださ〜い。あぶないで〜す。」
相手に声が届いて、引き返してくれた。
冷や汗モノでした。
正当ルートに戻りしばらくすると、3人の男性グループが休憩しているので、
訪ねてみた。
私「あの垂直の岩場って、キレットのルートじゃないですよね。」
男性「そうですよ。ひょっとしてあの岩場を降りたんですか?
私「ハイ」
男性「・・・・・」
やっぱり私は馬鹿です。
なんな垂直ルートを降りた私には大キレットがさほど怖く感じなかったが、疲れは倍増した。
標準CT3時間30分のところ4時間もかかって13時半頃北穂小屋到着、疲労困憊である。。
空を見上げると少し、雲が暗い。
今日は穂高岳山荘まで行こうと思ったが、天候も崩れそうだし、疲れてるしここを本日のゴールとするが、ここはテン場がかなり遠いので、素泊の小屋泊とする。
テラスからの眺めは絶景。人気が有るのがわかる。
本日は布団2組3人。
売店で水をもらって、水割りをまったり飲み始める。
2時間ぐらいしたら、急に土砂降りの雨。
よかった〜小屋泊で。
1時間ほどで雨は止んで、テラスで水割りをゆっくり飲み、隣の年配夫婦に声をかけて、お喋りをはじめる。
70歳を過ぎてもご夫婦で大キレットを越えてくる。
素晴らしい。
キレットの話をしていると、獅子鼻岩で私の後をついてきそうになった集団の一員だったらしい。
油汗がでる、申し訳ないと謝ると、あの時大声で迂回指示をしてくれたので助かりました。命の恩人です。と逆に感謝されてしまった。
穴があったら入りたい。
20時消灯なので、布団に横になる。
私・ご老人・若者の川の字であるが、ご老人のいびきが殊の外激しくなかなか寝付けない。
おまけに、夜中異様に暑かった。
酒飲の飲み過ぎも有るかと思ったが、やたらと暑くて眠れない。
うつらうつらしているうちに朝4時。
小屋に泊まって熟睡できないなんて(TT)
周りの宿泊客からも「夜中暑かったな〜」という声があちこちから聞こえてきた。
標高3000m級の山小屋で夜中暑いってどういうこと?
本日も快晴。
モルゲンロートも素晴らしい。
頂上からは360度の超展望。
槍・穂が人気なのもうなずける。
今日はどこに行こうか、泊まろうか。
朝のスタート時点でははっきり決めずに、とりあえず奥穂に向かう。
西穂に進むか、前穂に進むか・・・。
穂高岳山荘に到着し、ザックをデポし奥穂にピストンすることに決定。
これで西穂・前穂はなくなって、涸沢方面へザイテングラートを降りることが確定。
奥穂からの眺めも超展望である。
山は午前中に限る。
山荘に戻り、コーラを飲む。
ビールが欲しいが我慢する。
ザイテングラートの急傾斜を下る。
ピッチは良い感じ。
このままだと、涸沢が13時前なので、横尾までは楽勝、頑張れば上高地まで戻れる。
うまくバスがあれば、今日のうちに東京に戻れるか?
と、思いつつ「急ぐことは無いし、かの有名な涸沢に泊まってみるべ」と決心。
本日はまったり、涸沢でテン泊することに。
涸沢に泊まって、何故涸沢が人気が有るのか分かった。
穂高連峰がすぐ目の前に迫る大カール。
反対側には常念山脈。
整った設備。
特にヒュッテのテラスでまったりと飲むビールは最高。
夜中に空を見あげれば満点の星。
こんなロケーションのところにバスターミナルから結構楽なコースで来ることができるとは、いつかもう一度2〜3泊してみたい。
ゆっくりとした時間を涸沢で過ごし、翌朝5時40分に涸沢スタートで横尾経由上高地に向かう。
なぜか、ハイペースで歩いてしまう。
スレ違いで涸沢に向かう登山者が早朝から多い。
横尾を過ぎたあたりで、すれ違う人がどんどん増えてくる。
そういえば今日から「涸沢フェスティバル」だった。
昨日も200を越えるテントだったが、今日は何張りぐらいになるのか想像もつかないが、まともな場所はそう多くないはず。
あんな岩場でどうすんの、テン泊難民ですか?
徳沢園では涸沢フェスティバル徳沢会場として各社の出展ブースを見て回る。
イベントスペースではヤマケイの山ヨガでお馴染みのマチコ先生がヨガ教室を行なっていた。
9時20分過ぎに上高地BT到着。
乗車券売り場に行くと11時発新宿行のさわやか信州号に空席が有るらしいので早速乗車券購入。
7000円とちと高いが、重いザックで何回も乗り換えを考えるとバスが楽。
10時30分バス受付開始とのこと。
バス前に汗臭い体を何とかしたいので、観光案内所にいって日帰り入浴施設を尋ねると「この時間は大概風呂掃除の時間で、どこもしまってるけど・・、上高地アスペンホテルなら10時受付終了、10時30分退館でまだ開いてるよ。」
十分である。
一旦、河童橋まで戻ってアルペンホテルのフロントへ、この時点で9時45分、セーフ。
500円の入浴料を払ってさっぱりした。
ホテルをでると10時40分。
十分間に合う。
河童橋のたもとでソフトクリームを食す。
旨し。
あとからSNSを確認すると友人から「河童橋のソフト美味しいよ」とメーッセージが入っていた。
あまりのドンピシャで笑いそうになる。
BTに戻り、乗車受付を済ましても発車までまだ10分程度ある。
今回は有給を2日間もとっているので会社への土産は忘れずに購入。
そして信州地ビールを購入し、グビッと飲み干して今回の山行は終了した。
&新たな大キレット開拓おめでとうございます。ってか!?
まっちさんだからこそやり遂げられたんだとおもいます。
がっ、まじで死ななくてよかったっす。^^;
念願のルート達成と今回はお天気に恵まれて本当によかったですね。
おつかれさまでした〜!
8月に2大目標であった、念願の劔と槍・穂高キレット越を達成出来ました。
今回のキレット越えは余りの阿呆さ加減で、死ぬ程恥ずかしい出来事でしたが、そのお陰で、長谷川ピークや、飛騨泣は全く恐怖心無しで越えられたというか、後からあそこが長谷川ピークやったんか、他と変わり無いなーっていう感じでした。
次は重太郎新道-前穂-奥穂-ジャン-西穂が宿題です。
目標達成おめでとうございます。
7月にお預けになった分、倍以上に満喫できたのでは?
今度は常念・蝶から槍・穂高を観に行きませんか?
ジャンもトライしたいですね。
表銀座は20ン年前に上高地〜徳沢〜長塀〜蝶〜常念〜大天井〜燕〜中房を歩いてるんですよ。
出来れば新穂高温泉から西穂〜ジャン〜奥穂〜前穂なんてどうですか?
やっちゃいましたかーーー!
オメデトウ御座います。
私は逆コースだったので迷いませんでしたが、
会社の人がキレットなんかコース行くので、
南岳小屋からY字路左は獅子鼻の展望台でコースでなく
誤って滑落事故があると話したところでした。
あの急斜面ノーザイルで降りたのですか。。すごい。。
左、獅子鼻も行き止まりと書いて欲しいですよね。
獅子鼻岩手前の看板に注意すれば分かるはずですが、キレットチャレンジ直前で鼻息フーフー状態の馬鹿には手前の看板なんて意味なしです。
あの展望台のところに「おりちゃダメ!戻って迂回せよ」の看板が欲しかったです。
今だから笑える話ですが、ノーザイル降下中は必死ですた。(汗
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