槍ヶ岳ー大キレットー奥穂高岳ー縦走


- GPS
- 32:48
- 距離
- 46.4km
- 登り
- 2,918m
- 下り
- 2,915m
コースタイム
- 山行
- 7:37
- 休憩
- 2:12
- 合計
- 9:49
- 山行
- 10:45
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 12:02
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 2:07
- 合計
- 9:30
天候 | 1日目雨、2日目曇り時々晴れ、3日目晴れのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
今年から24時間入庫可 |
写真
感想
山岳部の先輩に連れられ、初めての縦走登山に挑戦しました。
当初の予定は
上高地〜ババ平(1泊)〜槍ヶ岳〜南岳(1泊)〜穂高岳山荘(1泊)〜奥穂高岳〜西穂高岳〜ロープウェイ経由で新穂高温泉
1日目(上高地〜殺生ヒュッテ)
前日にあかんだな駐車場に入り車中泊。今年から24時間入庫できるようになったので行動しやすくなった。4:50の始発バスで上高地へ。上高地で準備している最中に雨が降り出したので合羽を着て6:00スタート。横尾まではいつもの平坦な道。途中の徳沢でコーヒーを飲んでる最中に緊急連絡の放送が入る。本日幕営予定のババ平天場を運営している槍沢ロッジでコロナが発生し営業休止するということだ。ババ平の天場も休止の対象か不明だが、翌日以降の天気と行動を加味して今日中に殺生ヒュッテまで上がる計画に変更。ババ平までは比較的傾斜も緩やかで体力的には問題ないが、断続的に降る雨がとにかくうっとおしい。蒸し暑いので合羽を脱ぎたいが、雨が止んだと思って合羽を脱ぐと降り出し、急いで合羽を着るとすぐに雨が止んでしまう。誰かが降雨のタイミングを操作しているとしか思えない。大曲りからいよいよ本格的な急登が始まる。テン泊装備で荷物が15kgを超えていたので、先輩がテント一式を引き受けてくれる。少し軽くなったが、それでも殺生ヒュッテにつく頃にはへとへとになっていた。16:00に殺生ヒュッテで天場の受付けを済ませ、雨が上がったタイミングで急いでテント設営。ビールとウィスキーで乾杯して19:00就寝。結局一日目は丸一日雨とガスの中の苦行。翌日以降の天気も読めず、臨機応変に計画を変える必要がありそうだ。
2日目(殺生ヒュッテ〜穂高岳山荘)
3:00起床。撤収して4:45に行動開始。雨は止んでおり、ガスも完全に消えて昨日は見えなかった槍の穂先がよく見える。30分ほど急登を登り槍の肩につく頃には日も登りきれいな青空が広がっている。荷物をデポして空身で穂先アタック。ゴールデンウィークにアイゼンをつけて登った時は少し苦労したが、無雪期は特に苦労することなく登れる。ゴールデンウィークの山頂ではガスでほとんど展望を望めなかったが、今回は多少の雲があるも360度のパノラマを満喫できる。前日の天気が悪かったせいか登山客はそれほど多くなく、渋滞もなく山頂での絶景をゆっくり楽しむことができた。槍ヶ岳山荘のチャイで一服し6:40に南岳に向けて出発。途中多少ガスが広がることもあるが天気は概ね良好、槍沢や飛騨沢の絶景を眺めながら稜線を進む。9:00に南岳小屋に到着する頃にはガスに覆われ、小屋で休憩中に小雨もぱらつき始める。予報では雨は続かないようなので大キレットを超えられると判断し、本日中に穂高岳山荘まで進む計画に変更。9:30にいよいよ今回の山行の一つ目の核心大キレット越えスタート。まずは200mほどの急坂を一気に下る。やはり今までの登山道とは一味も二味も違う。加えて雨でぬれた岩場は滑りやすく、かなり神経を使う。それでも鞍部につく頃には晴れ間も広がり岩場も乾き、これから超える核心中の核心長谷川ピークを前にして少し安心感を持つことができた。長谷川ピークは噂通りの難所、鎖や小さな足場を駆使して一歩一歩慎重に歩を進めないと滑落して間違いなく命を落としてしまうような箇所が何か所もある。特にナイフリッジの乗越からの下りは相当な緊張感を強いられる。長谷川ピークを超えると一息つく間もなく北穂北壁の登り返しが始まる。ここも「飛騨泣き」をはじめとする難所の連続で、テン泊装備を担いで登るのは体力的にも精神的にもかなりきつい。これが300mほどの標高差を延々と続く。13:00北穂高小屋に到着した時には達成感も格別で、売店で買ったペプシの炭酸が全身に染み渡る。初めて見る涸沢を見下ろす絶景も素晴らしかった。大キレット越えの達成感に包まれながら次の目的地涸沢岳を目指すが、ここからまだまだ難所が続く。しかも北穂高岳を発つ頃には再びガスり始める。最低のコルまで下りここから涸沢岳に登り返すのだが、ここが大キレットに勝るとも劣らない鎖場の難所の連続。体力の消耗もあってか、体感的には大キレットよりも北穂〜涸沢岳間の方が怖かった。涸沢岳に登頂し穂高岳山荘に向けての短い下りの最中に雨が本格的に降り出し、間一髪で16:50穂高岳山荘に飛び込む。テントを設営しビールと簡単な食事を済ませ19:30就寝。
3日目(穂高岳山荘〜上高地)
4:00起床。朝の天気は悪くないが予報では日中の天気が思わしくなく、私の経験不足も考慮し、ジャンダルム越えは断念して涸沢経由で上高地に下ることにする。せめて奥穂高岳は登頂したいと先輩に頼み込み、一人空身で奥穂高岳アタックする。山頂では槍の穂先同様多少の雲あるも青空の下西穂、ジャンダルム、前穂、槍ヶ岳すべて見渡すことができた。特にジャンダルムは今回断念したが、間近にその雄姿を見ることができて感無量だった。穂高岳山荘に戻りチャイで一服ののち早々に下山開始。まずはザイテングラートの岩場を下るが、前日の大キレットを超えてきた後なので、特に難しいと感じる箇所もなく1時間ほどで下りきる。このルートは登りの登山客が多く、皆急登の岩場をしんどそうに登ってくる。涸沢ヒュッテまで下ったところで休憩、期せずして憧れだった涸沢ヒュッテからの涸沢カール、穂高連峰の絶景を眺めることができた。ここから緩やかながら長い横尾までの下り、さらに長い長い上高地までの水平移動が始まる。徳沢の手前あたりから雨が降り出し、15:00過ぎに上高地バスターミナルに到着した時には全身どろどろ、疲労困憊、這い上るようにしてあかんだな駐車場行きのバスに乗り込む。帰りはお決まりの平湯温泉で疲れを落とし、高山のおばちゃんが一人で切り盛りしているお蕎麦屋さんで天ざるを食べ帰途に就く。(天ざるおいしかった)
全体を通して雨に苦しめられた山行でしたが、要所要所(槍の穂先、大キレット核心部、奥穂高岳山頂)では晴れ渡って大満足の山行でした。今回断念したジャンダルム越えも経験を積んでいつかリベンジしたいと思います。
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