介護の盲点

2007年12月19日 07:00仕事全体に公開

介護生活でのあるエピソードを聞いた。

………
高齢の奥さんと二人暮らしの男性。
数年前の病気で寝たきりとなり、
奥さんの全面的な介護により自宅で生活を送っていた。

ところが、急に体調を崩していまい、
夜、救急車で救急病院へ搬送された。

検査の結果問題なく、容体も安定し、
入院せずにこのまますぐに自宅に帰っていいという話になった。

さてここからどうするか。

タクシーで帰ろうにも、体に麻痺があり、
タクシーに乗り込むことが出来ない。
座ったとしても、その姿勢を保っていることが出来ない。

こういうときに使うのが『介護タクシー』

車椅子のまま乗って帰れる車＝『介護タクシー』
介護タクシーは、ワンボックスカーのトランク部分から
車椅子で出入りできるタイプのタクシー。
多くの会社が売り出しているが、
24時間対応は予約のみという会社が多い。
保険適応すると普通のタクシーより低価な場合もある。

さて、家に帰るために
その奥さんは十数軒のタクシー会社に電話したが、
深夜に使える介護タクシーは無く、
やっと1台捕まえた介護タクシーも電話の向こうから
『1台向わせられますが、遠いので、料金結構かかりますよ…？』
と言われたそうな。

その結果、
普段の介護タクシーでは1300円程度の距離なのにもかかわらず、
請求されたタクシー代は4万円…
………

ありえない。
1日入院したほうがきっと安い。

この話を聞いて、
救急車をタクシー代わりに安易に呼んでしまう人のことを思い出した。

救急車の稼動率も↑↑。救急隊員がとても大変らしいし、
本当に緊急を要する人の元へすぐに向かえなくなる現状に
拍車をかける要因の一つかも…。と思ってしまった。

先日値上がりしたタクシー料金。
通院のためにタクシーを利用するお年寄りは多い。
『タクシーを呼んでも、アパートの段差が降りられず、
　タクシーまで辿り着けない。』
という話もよく耳にする。

普通のタクシーの運転手さんみんなに
介護技術をマスターしてもらいたいなどと考えている。今日この頃