日本の地史：　能田成氏の本を読んで（その２）　組成と時代。

2022年11月08日 08:47【新：日本と日本海の地史】全体に公開

・　Ｎｄ－Ｓｒ同位体相関図に「寒風山、森吉山、八幡平」の位置を当てはめてみました。

（　本の図に、勝手に加筆していますので、手書き部分はいいかげんです。
　適当に書き加えたものですが、東北の３つの山の位置づけがよくわかります。）

図１：　日本海と東北日本のＮｄ－Ｓｒ同位体相関図（図３から、３山加筆）

図２：　東北日本の日本海側に分布する第３期火山のＮｄ－Ｓｒ同位体の経年変化（図３から、３山加筆）

図３：　東北の火山のＳｒとＮｄ同位体の変化の図。（図２から３山の年代を加筆）

・　このように、もともとは年代をさぐる同位体の分析ですが、Ｎｄ－Ｓｒの相関から、　マグマの組成も読み取れることが、画期的に思えます。

＜　マグマからできる玄武岩の組成は大きく分けて３種類　＞

①　中央海嶺から発生する（ＭＯＲＢ）
　（　上部マントルの底から立ち上がる。）　

②　海山火山から生まれる（ＯＩＢ）
　（　下部マントルの底から立ち上がる。）　

③　プレート沈み込み部島弧の火山フロント（深さにより２列あり）
　（　２つの列の違いについてはまたの機会に…　）

・　これらから、同じ東北の火山といっても、活動時期も組成も異なっている。

・　上記３山を、年代による火山フロントの活動の変化として見てみると、
　火山フロントは（太平洋側では）付加体の成長に伴って移動していくが、
　東北日本のこの時期には、日本海側に向かって新しくなっている。

・　火山の活動時期の移り変わりについて、面白い記述がありました。

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参考：　「【地球発見】日本海はどう出来たか」能田成（のうだすすむ）２００８年ナカニシヤ出版

過去日記：
読書：「日本海はどう出来たか」から読む、日本海開裂２０～１５Ｍａ説の根拠　2022年11月02日
" https://www.yamareco.com/modules/diary/173565-detail-283813 "

2022-11-07 日本の地史：　能田成氏の本から

2022-11-09 地球科学：　お椀の中に小宇宙？

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