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本仮説において提案している、太平洋海洋地殻の流動に起因する直線状海山列の変形による弧状列島形成モデルを前提に、従来の地質図をあらためて見直してみると、従来のプレートテクトニクス的解釈とは異なる新たな地質構造の景観が浮かび上がってくる。
特に、ロシア極東地域(シホテアリン山地および沿海州)の地質図を本仮説の観点から見てみると、過去の海洋地殻の動態と連動した構造的整合性が見出された。
2. 参考資料
図1:本仮説に基づき筆者が描いた日本沿海部の弧状列島構造(拡大図)
図2:ロシア・シホテアリン山地の地質図(筆者により色付け・加筆)
図3:ロシア沿海州の地質構造図(筆者により色付け・加筆)
図2)出典
ロシアの地下資源がよくわかるブログ!その2(サハリン概要)より
http://russianresources.seesaa.net/article/444574428.html
図3)出典
日本海学推進機構 ホームページ
http://www.nihonkaigaku.org/
日本海及びその周辺域の岩石 平成11年度「日本海学」研究調査
http://earth.s.kanazawa-u.ac.jp/ishiwata/Japansea/Japansea.htm
3. 地質図にみる仮説の裏付け
図3に示されたシホテアリン地域の地質構造においては、東側(外側、太平洋側)に火山岩類や堆積岩類が分布し、そこから西側(内陸側)に向かって、白亜紀〜ジュラ紀の付加体が帯状に連なる構造が観察される。この付加体の帯には、「オフィオライト」が含まれており、これは海洋プレートの断片が大陸プレートに衝突・衝上した痕跡と解釈されている。
このような構造は、仮説での「直線的海山列が北西移動していた時期の変動の西端部だったこと」の証拠であると考えられる。すなわち、この地域一帯がかつては大きく太平洋に向けて開かれていたことを、構造的に裏付けている。
また、図2で筆者が色分けしたカムチャッカ〜千島列島、樺太〜北海道中央部〜西南日本外帯にかけての連続的な帯状構造も、起源を同じくする海山列由来の構造物であるという本仮説解釈に整合している。
4. 考察
これまで、シホテアリン山地やロシア沿海州の地質構造は、主にプレートの収束境界での付加体や衝突帯として理解されてきたが、より広域な太平洋海洋地殻の動態と関連付けて再解釈することで、構造的・年代的な整合性が増すことがわかってきた。
つまり、地質帯が単にその場で形成されたのではなく、遠く赤道付近のホットスポット起源の海山列が大規模に移動し、島弧や大陸縁辺に衝突・変形・吸収された結果として現在の構造に至ったという視点が、新たな地質解釈の可能性を提示している。
関連参考過去日記:
新しい仮説? 北海道も含めた日本の成り立ちと変動
https://www.yamareco.com/modules/diary/173565-detail-306294
日本と日本海: 東北と北海道はどこにあったか?
https://www.yamareco.com/modules/diary/173565-detail-292514
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