![]() |
![]() |
![]() |
大全というわりには、全23名は少ないような印象ですけど、1名が10ページ前後にわたって、当人と他数名以外、理解しえないであろう世界観を印象深く紹介しています。『へんな趣味オール大百科』はフルカラーでしたけど、本書はオールモノクロ。基本的に字ばっかりで、たまに本人と物体Xの写真掲載。タイトルは少々、奇抜かもしれんですけども、内容的には生真面目に対象者への足での取材と直接インタビューで構成されてます。が。対象者が特殊な方々ばかりなので、堅苦しくもなくサラリと読めてしまいます。ネットでかき集めた情報で書かれた薄っぺらい本とはわけが違います。
単純明快に凄いと思えるものから、さして凄くなさそうに見えて、じわじわとその偉大さが伝わってくるものまで、多ジャンルにわたって幅広く、常識人には到底理解しえない趣味の世界にどっぷり浸かりきって発酵している方々を紹介した本なんです。当人はどう思っているか知れないけども、それぞれ哲学なり美学があります。その屈折した美学を、当人の話し言葉で記載する部分、そこが秀逸。というか、著者もまとめきれないのでしょう。「この人たち、なぜここまでやるの。」と帯に書かれているのですけど、その答えは、ほぼ出てません。好きだから、やりたいから。それ以上の理由はないし、考えたこともないって具合。共通しているのは、人からどう思われるかとか、凄いと言われたいとか、金儲けがしたいとかでなく、一貫して自分のやりたいことだけを突き詰め貫き通している点。ある種の求道者か仙人か。畏敬の念すら湧き起こってくる。これは哲学書のニューウェイブではないかと思います。
『へんな趣味オール大百科』はフルカラーで写真豊富、簡潔な文章でまさに入門書。さらに、不思議な方々について深く知りたいと思ったら、本書ですかね。「人生で何を成したかも重要だが、どう楽しんだかと問われ、自分はこれだと即答できる人は案外少ないと思う」という著者の言葉が印象的でしたねえ。私は「山!」と即答できますけど、山とはそんな付き合い方をしていきたいもんです。
最後に、目次の抜粋
1章 四半世紀は当たり前! かけた年月の厚みに驚く
2章 いったいどこまで集めるの? すさまじきマニアの欲求
3章 誰に何を言われようと決してくじけぬタフなメンタル
4章 マニア魂、人を動かす! その情熱を誰かが見ていた
5章 言葉にできないマニアの極北、すごすぎる到達点
どれか一つでもビリビリきたら、買って損はないでしょう。かなり限られた人向けの本には間違いないですけど。
▼『へんな趣味オール大百科』の日記
http://www.yamareco.com/modules/diary/18949-detail-117456
moglessさん、こんにちわ。
世の中には面白い人がたくさんいるもんです。
ちなみにこの作者、
「裁判長ここは懲役4年でどうですか」
シリーズで一世を風靡した、
これまた変わったライターさんですね。。
k-yamaneさん、コメントありがとうございました。
「裁判長ここは懲役4年でどうですか」?
著者の名前で検索したつもりが、著者の名前を間違って、違うのが見つかってしまいました。それは過激なドキュメンタリー映画で、ここではタイトルを書くことは控えますけども、それも欲しくなりました。見たとしても、ヤマレコでは日記で書けそうにないですね。内容的に。
で。本書ですけども。登場している方々は、他の部分は一般的だけれども、特定分野では常軌を逸しているという感じで、著者の文章にも嫌味もないですし、読後感も悪くないです。
”ここ懲4年〜”は購入した記憶が・・
深入りしそうなので止めます。
1955さん、コメントありがとうございました。
その本、読んだことはないですけど、ちらっと冒頭部分だけ見たら、裁判の傍聴録ですかね。裁判員制度が導入される「理由」がアリアリと書かれているってところでしょうか。私が裁判官なら判決は一つしかありませんけどね…孚孚孚。
コメントを編集
いいねした人