私の住む山梨県甲斐市に一等三角点「塩崎村」があることを見つけたという話。(2013/3/27)
http://www.yamareco.com/modules/diary/21844-detail-49260
その日記は「一等となると設置場所は錚々たる山の山頂が多い。なぜ我が町の丘の上にもそんなのがあるのか?」という疑問で終わってしまったのだが、その後調べた(といっても大したことじゃないけど)ことを書いてみようと思う。
この一等三角点、なんと中央道双葉SAから徒歩5分ほどの場所にある。
中央道を走ったことがある人ならわかるだろうが、ここは甲府盆地という海に突き出た岬みたいな場所。SAは岬に立つ灯台みたいだ。そこは茅ヶ岳の裾野の一番南の端で、つまり雲取山から延々100km続く奥秩父山塊の南西端なのだ。
この台地の中央部に立つと富士山、南アルプス、八ヶ岳、小金沢連山など甲府盆地を取り囲む山々が一望される。なるほどここなら三角点を設置するには最適な場所だ。
甲府盆地を取り囲む一等三角点は、赤岳、甲斐駒、国師、小金沢山、御坂黒岳などどれも高山に置かれている。
しかしこれらを繋いでみると盆地中央部がすっぽりと抜け落ちてしまうのだった。
一等三角点は正点をおおむね一辺40km、補点は25kmの三角形になるように配置する目安。これを考えるとどうしても盆地中央付近に補点が必要になる。
で、どこが適地か?となると、この岬のような台地が最適地として選ばれるのは必然のようなものだった。
この台地の上には旧甲州街道が走っている。JR竜王駅のすぐ西から坂を登り、塩崎、韮崎方面を目指す道の周辺にはいまもなまこ壁や古民家風の家など街道筋の面影が残っている。その脇には古墳跡も残る。
また武田信玄の時代には、荒れ狂う釜無川とそれに合流する御勅使(みだい)川の流れを、硬い奥秩父地質のこの台地にぶつけて水勢を弱めるように川の流れを変える工事がなされた。
いまも夜叉神峠から流れ下る水はだくだくとこの台地にぶつかり続けている。そこにまた一等三角点。
双葉SAの台地には盛りだくさんの歴史が刻まれているのだった。
上図左)三角点周辺の様子(2013年3月)なんとブライダルホールの敷地内(^^)
上図右)山梨県周辺の一等三角点と距離。中央部が「塩崎村」。
pasocom さん、こんにちは。
そういえば北岳山頂にあったのは三等三角点でしたね。しかも白根岳って表記でした。
北岳山頂は3,193mで、白根岳の三等三角点は3,192m…知識が無い私はピークが2ヶ所あるのか?って思っちゃいました。
確かに点でいえば1mばかり標高差がありました。
では、ダン之助でした。
コメント感謝します。
「あの」富士山の剣ヶ峰にあるのも二等三角点だし、北岳のも三等三角点ですね。
ですから、我が町に一等三角点があると知ったときには驚いたものでした。
しかしまあ、関東平野みたいな所であれば高い山ではない平地にも一等を設置せざるをえませんから、さほど珍しいことでもないのでしょうけど・・・。
三角点標高と実際の山頂がずれていること、ままありますね。国土地理院の地形図を見ると北岳には三角点として「3192.5」と山頂標高の「3193」の二つが重なるように表記してありますね。
金峰山なんかは三角点2595で山頂2599。なんと4mも違っています。
junjapaです。知的な内容に感銘を受けました。岬のような場所にあるんですね。そこを高速道路が通っているのもまた興味深い。また、面白い記事をお願いします。
初めまして。
中央道を走ったことがおありでしょうか。
甲府盆地は標高300m。八ヶ岳は標高1000mで、標高差700mもあります。
中央道はこの標高差を双葉SAあたりから徐々に登って行くようになっていますね。実に面白いです。
奥秩父から八ヶ岳山系に向かい、諏訪から先は南アルプスを巻くように走る。
中央道はさすがに日本の中心部を走る経路。山を知っているとさらに楽しいルートですね。
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