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富士山はこの秋、9/1(日)を以て「夏山シーズン終了=冬期閉鎖」になったのだという。
したがってネット上の公式サイトには9/2(月)正午から登山道閉鎖という告知が出ている。
http://www.pref.yamanashi.jp/ysd-kensetsu/doroiji/documents/2013mtfujiclose.pdf
だが、この時期、まだ吉田ルートの山小屋は営業していて宿泊の予約も可能な状態。これが矛盾しているのだった。
山梨・静岡両県による「富士登山オフィシャルサイト」では、
「登山道が閉鎖されると、各ルートとも登山道は通行できませんのでご注意ください。」ときっぱり。
また山梨県のHPでも「冬期閉鎖」という言葉を使って登れないような印象を与えている。
http://www.pref.yamanashi.jp/ysd-kensetsu/doroiji/fujisan_heisa2010-10-1.html
上記のオフィシャルガイドを運営している「富士山における適正利用推進協議会」のHPでは「主に夏山期間以外における注意事項」というのがあり、そこには、
「万全な準備をしない登山者の夏山期間以外の登山禁止
夏山期間以外の時期は、充分な知識やしっかりとした装備、計画等を持った者の登山は妨げるものではないが、以下の理由により、万全な準備をしない登山者の登山は禁止する。」
「登山は、あくまで自己責任において行われるものであるが、自己の生命を守るため、また、遭難、行方不明時の迅速な救助のため、特に夏山期間以外の登山等に際しては、公益社団法人日本山岳協会が推奨する「登山計画書」を必ず作成・提出すること。
なお、「登山計画書」を提出したとしても、そのことをもって登山道の通行を許可したことにはならない。」などという意味不明な文章が掲載されているのだ。
http://www.fujisan-climb.jp/basic/m8bimq0000001qw6-att/giderain.pdf
結局の所、これからの時期、富士山に登っていいのかいけないのか全く不明。
登山者から「登れるのか?」という多くの問い合わせがあるものの、地元自治体などではどう答えていいのかわからないとため息の声が聞こえるのだという。
いや、ため息つきたいのはこちらの方だろう(^^)。
以前の日記に書いたように「富士山を季節外登山禁止に」という掛け声でこういう事態になったのだが、足並みが揃わず、具体的にどうなったのか?
「冬期閉鎖」といいつつ、登山道入口にはロープ一本あるでもなく、片やで計画書を出せば登っていいような口ぶりを吹聴する。「許可」とか「不許可」とか「禁止」「自粛」「閉鎖」などという無意味な言葉だけが飛び交っているのだ。
お役所仕事もここに極まれり。
富士山の入山規制については、静岡県や山梨県で現在議論されているところですね。これまでお役所は規制を強化すべきという意見と現状で良いという意見との間ではっきりしない態度をとってきたのでしょう。世界文化遺産登録を機に、環境保護という視点から、もっと規制を強化すべきという意見がだんだん強くなっているように思います。
日記に引用されている「富士山における安全確保のためのガイドライン」は、「万全な準備をしない登山者の(冬期)登山禁止」は、あくまでも「指針」で強制力はありませんが、法的規制の前触れのようなものだと思います。
ただ、登山道の閉鎖については、ガイドラインにもありますが、道路法46条に基づいて、「道路の破損、欠壊その他の事由に因り交通が危険であると認められる場合」にあたるとして、通行禁止措置をとっているという理解もあるようです。(通行禁止措置に違反した者については、道路法101条で罰則も定められています。)
朝日新聞の記事によると、山梨県知事は、現状では道路法46条を適用しないという立場のようですが、ここにも少し曖昧さがあるようです。
http://www.asahi.com/area/yamanashi/articles/TKY201307240505.html
天下り先を、また作る算段でしょう、、、
世界遺産登録の余録です
環境庁が発足した夏、まづ行ったのは、キャンプ使用料を涸沢なので徴収することで、トイレも案内も山小屋や常駐隊が管理しているので、横取りです、、、
使用目的も未定の富士山入山料と一緒です。
本来、県も国も富士山の登山道の管理者ではありませんので、通行止めなど法律的にも出来ません
自由な登山も小役人どもに規制されたり、チャチャと入れられる、厭な國になったものです、、、
こんにちは、いつもROMさせてもらってます
軽犯罪法第一条三二項では、所有者/管理者がダメと言ったら不法侵入となるので、「冬期閉鎖」期間は軽犯罪法による取り締まりも可能ではないかと思います。
管理する側が黙認するかどうか。建前禁止、現状黙認、都合の良い自己責任、丹沢のように目に余ると取り締まり・・・良くも悪くもグレーなところばかりですが白黒ハッキリさせた方が良いのか悪いのか
expeditionの為の積雪期富士登山という少数ながら正当な需要もあるわけですし。
振り上げた拳をどう下ろすか・・・
コメントありがとうございました。
通行規制についてはっきりした「道路法」という法律に基づいた規制を、という話も出たのですね。初耳でした。
そこでその「道路法」という法律を確かめてみたのですが・・・。
「(道路の種類)
第3条 道路の種類は、左に掲げるものとする。
1.高速自動車国道
2.一般国道
3.都道府県道
4.市町村道」
と明記されています。
http://www.houko.com/00/01/S27/180.HTM
つまりそもそも道路法の対象になる「道路」とは上の4種類しか書いてないのでした。
しかし登山道は上記のどれにも該当しそうにありません。道路法46条で規制する対象にならないのではないでしょうか?
「道路法適用については国から内諾を得ているという。 」と朝日の記事にあるようですが無理があるように思えます。
また百歩譲って規制が可能だとしたら、通行止めなら登山道にゲートを設ける、通行止め標識を明示する、山小屋の営業は禁止するなどしなければつじつまが合わない。
「万全な準備をしない登山者の夏山期間以外の登山禁止」といっても誰がどこで「万全な準備」しているかどうか確かめるのか?まったく不明です。
私はガイドラインに一筆書いてあるように「「登山は、あくまで自己責任において行われるものである。」で結構だと思うのです。
そのかわり遭難救助費も自己負担で、と明記すれば税金を無駄遣いする怖れもない(^^)
これじゃ、ダメなんでしょうか。
コメント感謝です。
軽犯罪法第1条第32項、確認いたしました。
「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者(は、これを拘留又は科料に処する。 )」ですね。
すると「所有者/管理者がダメと言ったら不法侵入となる。」確かに。
道路法よりもこっちの方が明快な気がします。
しかし、そうなると山小屋の営業はできなくなる・・・。
「白黒ハッキリさせた方が良いのか悪いのか」。
これも同感で、あまり角を立てて四角四面に規制するのも世知辛いです。
であれば、「自己判断でスキルのないと考える方は冬期の登山はしないことをお勧めします。」的な表現にとどめておけばいいのだと思います。
「禁止」とか「禁止ではないが」とかが混乱していると思うのです。
こんにちは。
富士山の問題は本当に厄介ですね。
どの山を登っても我々は富士山を探すし、日本一高い山でありながら夏は簡単に登れちゃうのが大きな問題の要因なんでしょうかね?
一方、法律でしばったところで売春防止法みたいなもので「被害者なき犯罪」になってしまいます。警察は黙認したり気まぐれに逮捕したり曖昧です。そういう曖昧さが日本人の得意とするところなんじゃないでしょうかね?憲法9条にしてもそうかも知れませんが。
「登っていいの?」という問い合わせに対して、pasocomさんのように「自己責任でね」という回答でいいんじゃないでしょうかね?ただし、事故って捜索費用も自己負担というと少し酷な気がします。軽装で無謀なおバカかな遭難者に対しての捜索隊員の気持ちも分かりますが、文明国家らしくないように思えます。大人の国とは言えないような。ただ、遭難状況に応じては罰則規定は設けてもいいような気がします。
(※追記:売春防止法の言葉が少しふさわしくないので一部削除しました。)
コメントありがとうございます。
富士山の問題、夏場の混雑対策や環境保全の話であればまた別なのですが、冬場の遭難対策での「登山禁止」であれば、富士山と同じように冬期登山禁止にしなければいけない山はたくさんあるかと思います。なにも富士山だけが飛び抜けて危険なわけではないでしょうから。
雪山として登りたい人がいるのは他の山と同じ。
「万全な準備をしない登山者の登山禁止」なら夏だって同じこと。
確かにmurren様がおっしゃるように救助費を自己負担するなどと言うのはある種の暴論で、私も「それじゃ文明国家らしくない。」と思います。いくら迷惑要請が多いからって言っても、110番や119番通報での救助が有料じゃ困る。
本当は山の救助も公費や山岳保険で行うのが正論だと思います。
でも、そうであればこそ「冬期登山禁止」などという措置も「大人の国のやることじゃない。」のではないでしょうか。
>そうであればこそ「冬期登山禁止」などという措置も「大人の国のやることじゃない。」のではないでしょうか。
そうですね。大人の国じゃないですね。自由の国じゃないです。
ただ、実際に法律で禁止されているのは、火山などが噴火しそうな場合の入山規制と、谷川岳と富山の劔の登山条例だけじゃないでしょうかね?谷川と劔は内容が若干違いますが。
富士山の登山道路閉鎖という表現はそういう意味でも変ですよね。
「冬期登山は自己責任でね」ということに異論があるわけではありませんし、「とはいえ、遭難者を公的機関が救助しないわけにはいかない」ということに異論があるわけでもありません。静岡県のお役人も「自己責任で登山して頂くしかない」と言っているようですしね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130903-00000006-at_s-l22
ただ、世界遺産になったことで、ユネスコに対して、富士山の保存管理体制について説明責任が生じた。→冬の富士山の登山道の整備やトイレ等の整備など無理。→入山規制せざるをえない。→入山規制にはいろいろ異論もあって法整備には至らない。→ガイドラインで入山しないように行政指導。→バリケードを乗り越える人が多数出て、管理体制の不備が指摘される。・・・こんなことになっているのだとしたら、知床のような強い規制となることもありうると思うのです。
再三のコメントありがとうございました。
以前、登山届けについて日記を書いたことがあり、その時に谷川岳と剱岳の条例を知りました。
murren様がおっしゃるように、二つはちょっと違っており、剱の方の条例は「富山県登山届出条例」となっていて冬期に剱岳に登る場合には登山届けを出すことが義務づけられている。一方、谷川岳の方が富士山に近くて「谷川岳遭難防止条例」として
「第七条 知事は冬山の期間を除く期間内において(中略)登山することが著しく危険であると認めたときは、日又は時間を定め、危険地区の全部又は一部を指定して登山を禁止することができる。」とあります。
そして優れているのは禁止の方策が具体的に示されており、「知事は、前項の規定により登山を禁止したときは、登山口その他見やすい場所にその旨を掲示し、かつ、一般に周知するように適切な措置を講じなければならない。」とのこと。
富士山でも登山道閉鎖などという不明瞭な表現ではなく、明快に条例でも作って「期間を決めた入山禁止」なら禁止ではっきりさせる(そのときにはもちろん山小屋は営業しない)としないと登る側としても登っていいのかいけないのかわからなくて困ると思うのです。
再度のコメントありがとうございました。
さすが地元の情報を提供して頂き、参考になります。
ご提示のあった静岡新聞社の記事を読むと、須走口の方は「工事業者がバリケードと通行禁止を告げる看板を設置した。閉鎖区間にある山小屋の一部は当面、相次ぐ登山者を受け入れるため営業を続ける。」とあり、「登山者がいるので山小屋を営業する。」と言っている。
ところが富士宮口の方は「県は「山小屋の営業を考慮」し、登山道のバリケードの一部を開放する形にしたため登山者が続出した。」とのことで、こちらは「山小屋が営業しているから登山者が登る。」という書き方ですね。
登山者が先なのか山小屋が先なのか(^^)
同じ静岡側でも登山口によってバリケードを閉じたり開けたり対応が違っているようでもあります。
吉田口側は写真で見る限り、そもそもバリケードなどないようで、「冬期閉鎖」の立て看板一つしかないらしいです。
山小屋は民間業者だから客が見込めれば営業したいだろうし、行政も登山道閉鎖をいうなら山小屋業者と相談して閉鎖時期を一致させるように調整すればいいだけのことと思うのですが、それができないのでしょうかね。
ユネスコ世界遺産との関係で保全を言うなら、冬場よりも大混雑の夏場にこそ五合目までの車乗り入れ規制で登山者数調整をしたり、軽装・軽装備でのふざけたような登山者を登山禁止にしたりとした方がずっといいのではないでしょうか。
pasocomさん、こんばんは。
今春頃から続いている閉山期の富士登山に関する一部の報道に危機感をもっていました。静岡県庁に「バリケードを越えてるぞ! 道路法の罰則を適用しないのか?」と取材した記事を見たときには、お役所が保身でお役所仕事に走ってしまうのではないかと心配でした。
ガイドラインのツボは、本文の、まさに
『なお「登山計画書」を提出したとしても、そのことをもって登山道の通行を許可したことにはならない。』
だと思っています。
ここに至るまでは、関係者の議論のなかで(想像ですが)、
○軽装の観光客を排除するため、県道を通行止めという形は変えられない。
○ちゃんとした装備の登山者は登ってもよいが、登山計画書の提出は義務化したい。
○しかし、道路法で通行禁止としている以上は、義務化の条例の制定は矛盾するのでできない。
○個別に通行の許可という方法もとれるが、「許可」するにも件数が多すぎて処理できないし、事故があったときに責任を問われても困る。
○このため、条例ではなく、ガイドラインという形をとった。
○なお、登山計画書の提出と道路法の通行の許可の手続きは違うことは言っておかないといけない。
という議論があったと想像しています。
道路法で規制しているところに無理があるのですけれど。
スッキリとしたいところですが、上手に、あいまいに、解決していただいたと思います。例の「なお書き」は苦肉の表現でしょう。
ガイドラインで、登山届け出せば、事実上OKとなって、ほっとしています。
お役所が変心しないよう、マスコミの皆様には、あまり、つっこんだ取材をしてほしくないなぁと思います。
お寄せ下さったコメント、読ませていただきました。
sat4様の相当な深読みのおかげで、ガイドラインの「わかりにくい」文章の舞台裏が理解できたような気がします。
結局の所、私たち「良心的な登山者」は普通に万全な装備をして登山届けを出せば登っていいということですね。(許可ではなく、黙認すると。)
ただ、わからないことが二つ(^^)
・登山道の閉鎖が早過ぎじゃないか?せめて初冠雪くらいまで待てば、バリケードを越えて登る登山者など相当減るのではないか。
・登山道の「閉鎖」と山小屋の「閉鎖=営業終了」を合わせることはできなかったのか?
ですね。
これができていればこんな混乱はなかっただろうと思います。
「マスコミの皆様には、あまり、つっこんだ取材をしてほしくない。」
う〜ん。こういう状況なら確かにそうですね。あやふやなままにしてもらった方が得策かも。
富士山登山道は、道路法の適用がある「道路」なのか、ちょっと調べてみようと思っていますが、富士宮市のサイトによると、富士の宮口登山道は、どうやら「県道」のようです。(県道や市道は、議会が路線認定するだけですねのでね。)
http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/kankou/fuji/tozandou.htm
「登山計画書」の提出については、昨日来話題の富山県や群馬県の条例で義務化しているところもありますし、日本山岳会が推奨しているということですけど、結局、遭難した場合に捜索しやすくするためでしょう。通行止めにしたら、誰も登山しないという前提で、救助の必要なしと決めてかかれれば良いのですが、そうもいかないということではないでしょうか。(赤信号をわたってケガをした人を救助しなくてよいということではないでしょうから。)
〔追記〕もちろん、まともに道路法が適用されるなら、誰も登山計画書など出さなくなるでしょう。
こんばんは、度々すいません
>110や119が有料〜
いわゆる先進国G8の中でも、119番が有料となる国があります。
なんでも、救急車が帰り際に請求書を置いていくとか・・・何をするにしてもお金がかかる、という大人の事情を徹底している文明国もあるのです。
ヒマラヤなどでは支払い能力が確認できないと救助ヘリが飛ばないという話を聞いたことがありますから、救助費用の自己負担はそれほど荒唐無稽な話ではないと考えますし、その為の山岳保険ですよね。
わざわざ危険なところに”自己責任”で出向いておいて救助費用は公費で・・・登山をしない他の納税者が納得できるのか?
公費で救助する側もどのように登山をしない納税者に説明すれば良いのか?
お山をはじめて日が浅いが故の考え方かもしれません・・・
登山届の提出率を上げたいのであれば、遭難救助の初動の速さ以外のメリットを (例えば自己負担費用の減額) 制度化すべきでしょう。
救助費用の一部負担くらいは義務化すれば、国内の山岳保険市場がもっと活性化して良いくらいかもしれませんし・・・根拠のない推測ですけど
重箱の隅を突くようで申し訳ありません、脱線するのはこれくらいで失礼します
再三のコメントありがとうございました。
ご提示のサイトを確認。さらにWIKIPEDIAで「静岡県道152号富士公園太郎坊線」を調べました。
なるほど、起点は富士山頂と堂々と書いてありますね。
登山道(車両通行不能)であっても県道なのですね。
そういえば、国道にも車が通れない道や海の上もあると聞いたことがありました。まったく驚きの県道です。
そうするとりっぱに道路法の対象ですから、ここを「通行禁止」などにすることも法的に可能ですね。
しかし、もちろん遭難者は救助しなければならない。これも了解できます。
あとはそうした場合、山小屋が営業しているのはやはり矛盾ですね。
救急車や遭難救助について自己負担か公費か保険かという議論は以前から山に限らずありますね。
それこそ議論百出で、日記程度では納まらない話になりそうです(^^)
それでも、多くのヤマレコユーザーも山岳保険などについては興味もあるし、考えを持っている方も多かろうし。
また別の機会に日記?に書いて見ましょうか。
それにしてももう少し自分自身の考えもまとめておかないとダメですね。
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