山頂の岩峰に登ってうろついていた私に下の方から「あのう、天女山に下りたいんだけどこっちですか?」との声がした。
見れば男の方が登山道の先を指さしている。
「そう、そっちですよぉ〜」と答えたのだが、内心「こんなところで天女山はどっち?、なんて、あの人いったいどこから登ってきたんだろう?」と不思議だった。
私はそのあと縦走路や権現小屋あたりを散策、約30分ほど後からその方を追う形で下山した。
そして天の河原まで下りたところで、その方に再会。
「おや、無事に下山できたようでよかったですね。」と声をかけて「お先に・・・。」と追い越す。
するとまたお声が。
「あの、天女山の駐車場に車置かれてますか?」と。
「私、たかね荘に車置いてあるんだけど乗せて行ってくれませんか?タクシー呼ぼうと思ったけどケータイがどうも・・・」という。
たかね荘ならさほど遠くない。車で10分ほどだ。これも何かの縁かと清里のたかね荘までご一緒した。
実は私、この方がどう歩かれたのか興味津々だった。
で、車の中で今日はどういうコースで歩かれたんですか、と聞けば、なんと県界尾根を登りキレット経由で権現岳まで来たんだという。
「それ、日帰りですか?いや一泊ですよね。」というと、たかね荘を今朝早く3時に出たという。まだ真っ暗だったと。
驚いた! 失礼ながらその方、お年は「初老」と思える風貌。
「天女山からは歩いて清里に戻るつもりだったんですが、もう足がガクガクでタクシーにしようと思ったんですが・・・もう12時間以上歩いたので。」となにほどでもない口ぶりでおっしゃる。
いや、そりゃ私でもヘロヘロになりそうだ。そんなに歩いて権現の下りでは私と大差ない時間で下山したらしい。
そんなことを話しながら、あっという間にたかね荘着。
「では、ご無事でお帰り下さい。」と、この素晴らしい「大先輩」と別れたのだった。
時間があれば、もっといろいろ話を聞きたかったな。
痛快な「衝撃」を頂いた、貴重な一期一会だった。
権現岳レコはこちら。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-472177.html
おはようございます
ほぉ〜健脚衰えず・・ですか
お話から察すると、八ヶ岳は、さほどに歩いておられないようですが・・三時発で県界尾根・・
ふふふ・・わたしもそうありたいものです
でわでわ
でもpasocomさんが、神様に見えたかも・・ですね
おはようございます。
そう、私も同じ感じを受けました。おそらくこの山域は初めて歩かれたのでしょうね。
(美濃戸から硫黄岳など歩いたことがあるとか、でしたが。)
しかし「健脚」などと一言で片付けられないほどの健脚ぶり。それも、お年は私やuedaさんよりかなり上ですよ。
いやあ、世の中にはすごい人が何気なくいるもんだ、と。
こりゃ、負けていられませんね。
人生、かくあるべし。
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