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千葉県の65才の男性ら4人のパーティーは当日(9/14)朝、赤岳南麓の山小屋(pasocom注;おそらく出合小屋だろう)を出発。
ザイルを使って赤岳大天狗近くの岩場を登山中、ハーケンが抜けて、斜面を約30m転げ落ちた。
のだという。
その方はヘリで甲府の病院に搬送されたものの「頭を打つなどのケガをした。」とあるので、幸いにも大した負傷ではなかったらしい。
赤岳の天狗尾根と言えばつい先日、私のレコ友mmgさんとmisuzuさんが登ったばかりの尾根だ。ひとごとではなく驚いて読んだ。
こういう山の事故・遭難の記事ではたいてい遠い原因やら近い原因がなにかしら窺えるものなのだが、この記事はまったくわからなかった。
私自身が岩登りをしないせいなのだろうが、「ハーケンが抜けて」とはどういうことなのだろう。
ハーケンというのは各自登山者が打ち込むのか?それともずっと以前からあるものなのだろうか?
自分で打ち込んだものが甘くて抜けたなら自己責任てとこだろう。しかし、以前から打ち込まれていたものが抜けてしまったということなら恐ろしいことだ。
そういうハーケンは『絶対抜けない』という前提で使うんじゃないだろうか。だって全体重をそれに頼るんだものね。
だが一方、ハーケンといえども金属だから錆びたり金属疲労したりと劣化することは当然考えられる。
またハーケン自体は劣化しなくとも、何百人もの登山者がそれを使い続けたらやはり差し込みが徐々に甘くなるのは必然な気もするが。
すると、岩登りでザイルを掛ける前にはハーケンが万全かどうかを確認する(どうやって?)のが常識なのか?
それともこの事故にはなにか他の要因が絡んでいる可能性でもあるんだろうか。
なんとも納得できないニュースだったのだ。
写真)キレット小屋前から望む天狗尾根
おはようございます
思い当たる節が・・
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-203549.html
↑写真76のハーケンでしょう・・
八ヶ岳に行く前にレコをあれこれ見ていて、このハーケンやばいよなぁ〜なんて思っていましたが・・
違ったらごめんなさいですが・・
八ヶ岳もまだまだ楽しめるルートがいっぱいですね
冬が楽しみです
でわでわ
コメントありがとうございます。
ご提示のレコを確認しました。Shot76「そうとう朽ち果てた残置支点ですが・・」ですね。
新聞記事からしか情報がないので正しいか間違っているかはわかりませんが、これは素人の私が見ても相当やばそうですね。
でも天狗尾根を登ろうとする人がこれを使って抜けたなんて・・・
しかし、他の方のコメントも総合して考えると、これが原因だった可能性が高い様な気がします。
やはり、残置支点というのは使う前に使用可能か不可なのか、よく見て確認する必要があるのですね。
こんにちは!
今回の事故の状況はわかりませんが、一般的にハーケンやボルト(に限らずブッシュその他の支点全般)は、100%の安全性はありません
気休め程度のものも多いし、もともと設置の甘いものや古くなって劣化したものも多く、岩場の岩質にもよります。
リスクの大きさは常に濃淡のあるグレーで、完全な白も黒もないのです
リスクの判断は100%使用する人が自己責任でするものです。
通常、回収できる限りは設置した人が抜くものですが、中には回収が非常に難しく不本意ながら残置となる場合があります。
残置のピンを使おうと使うまいと、あるいは抜こうと勝手ですが、抜けたからといって設置者の責任にはなりません。
抜けることを見抜けなかった使用者本人の責任です。
ハーケンは当然ながら岩の状況を確かめて極力効くように打ちますが、なかなか理想的な状況に巡り合うことは難しく、効きが甘かったり気休め程度だったりすることも多いものです。
残置ハーケンを使おうとする時にハンマーで叩いて効きを確かめる時もあるのですが、そのことによってかえって抜けそうになる場合もあるのでこの辺の判断は難しいものです
ペツルのアンカーは比較的安心ですが、ハーケンやリングボルトなんていつ抜けても不思議ではない代物なので、それを承知の上でオウンリスクで使うのです〜
コメントありがとうございました。
>リスクの判断は100%使用する人が自己責任でする。
>抜けたからといって設置者の責任にはなりません。
私は本人が打ったのか他人が打ったものか、にこだわりましたが、そうではなく使う者の自己責任なのですね。
まさに!登山の究極の原則を聞いた気がします。
やはり自分の命は自分で守る。これが大原則ですね。
pasocom さん、今日は。
私も此処30年くらいはハーケンやカラビナを使っていませんが、基本的にはそれ程変わっていないと思います。
人が打ったハーケンにしろ、自分が打ったものにしろ、ハーケンが抜けて落下するなんて、最低の事故ですね。
この事故に他の要因なんてありませんよ。ただハーケンを使う資格がなかったといふだけです。天狗尾根でも無理だったと言ふ事でしょう。
自分で打つ時は其の感触や音でこれで大丈夫か否か分かります。前からあったものだったら当然新しいとか古いとか見れば分かりまが、新しいからと言っても、自分で叩いてみて大丈夫か否か確かめます。
確かめたものが抜けたとしたら、確かめ方が悪いのです。自分が打ったものが抜けたとしたら、ハーケンを使う資格がありません。も少し修行して登らねばなりませんね。
何れにしろ、30mの落下ですんでラッキーでした。次のハーケンで止まったのか、上か下に確保する人がいて止まったのかは分かりませんが、30mでも落ち方次第では命ありませんからね。
65歳との事ですが、年寄りの冷や水でなければいいですがね。
最近、救助関係の人から聞いた話ですが、最近の遭難は初心者より昔からやっているベテランが多いと聞きました。本当かなと思いますが、これなんか其の典型でなければいいがと思います。
初心者は恐れて早く撤退すると聞きました。
ありがとうございます。
murrenさんもおっしゃっていますが
>自分で打つ時は其の感触や音でこれで大丈夫か否か分かります。
なのですね。
してみると事故の方はそういう確認をしなかったのかもしれません。
その方々は4人パーティーとのことですからどこかで確保されたんでしょう。
しかしこういう場合、問題あるハーケンを使ったのは転落した当人じゃないかも知れませんね。そこがまたややこしいですが。
いずれにしても残置ハーケンが抜けての事故というのは相当うかつだったという話になりそうですね。
pasocomさん、おはようございます。
私はたまたまヤマレコ休止中の小休止です。
仕事を不眠不休でやっています。まあ、いままでの付けが溜まりに溜まっていた、いわば自業自得ですが…
mieeさんが書かれた内容が正解です。追記;メスナーさんも正解です。私がチンタラ書いている間に書き込みがありました。
私も若い頃は、ハンマーでハーケンを打って岩壁を登っていました。多くのクラッシックルートは「残置ハーケン」が多数打ってあって、それを使うのが普通です。今回の事故は仕事に夢中で知らなかったですが、「ハーケンが抜けた」という表現だけですが、その「残置ハーケン」が抜けたんだと思われます。
ちょっとハーケンの打ち方を説明しますね。
今の時代は岩を傷つけないナチュラルプロテクションという物を多く使って登っているようですが私が現役の頃はハーケンが岩登りの主流の物でした。「カラビナ、ハンマー、ハーケン」を「三つ道具」と言いますね。
二人のペアで未登攀の岩壁を登る場合、昔の言い方だと二人のことをトップとセカンドと言います。今の時代はリードとフォローと言うようです。
なんだか説明が下手ですね。ま、ご辛抱を
トップが登っていくと簡単なところならいいのですが、難しい所に来ると、落ちたらヤバイので岩の割れ目(リスという)にハーケンを打ちます。
ハーケンをハンマーで打ち込んで行くと、カーンキーンキンキンと「ハーケン」が「歌います」。これが「歌えハーケン伸びろよザイル」という谷川小唄の歌詞の意味です。
ハーケンを打ちこんで「効いている」場合は、ハーケンはだんだん高い音になって歌います。一方、打ち込んでもボコボコという音だと「効いていない」ことになります。そういう場合は、体重が掛かった場合は抜ける危険性が大です。
ハーケンが歌った場合は墜落に耐えられる十分な信頼が得られますが、歌わないハーケンを使う場合もあります。
例えば高度差300メートルの壁を登るばあい、例えば10メートルごとにハーケンを打っていくと、30本のハーケンが必要になりますが、そんな数をもっていくことは無理です。つまり、セカンドが登るときにハーケンを回収していきます。これが岩壁の登り方です。
だから、40メートルピッチで登るのなら、千メートルの壁でも4枚のハーケンだけをもっていけばいい訳です。
トップはセカンドが回収したハーケンを再利用して登っていく訳です。意味が分かりますかね?
しかしながら、ハーケンが歌って打ち込まれた場合、「抜けない」場合がよくあります。これが「残置ハーケン」になる主な原因です。
私の古い登攀教本には、「もっとも下手に打たれたハーケンとは?」という質問がありましたが、どういうことか分かりますか?
それはセカンドが回収する場合に「抜けにくい」ハーケンは下手に打たれたハーケンです。
ハーケンをハンマーで叩いてセカンドが抜く場合、「効いている」とかなりセカンドの体力と時間を消耗します。あるいは抜けずに残置した場合、上部でハーケンが不足するという最悪な事態を招いてしまいます。
つまり、上手に打たれたハーケンというのは、トップ自身が墜落しても、その墜落程度の衝撃荷重に耐えられれる目的があればよく、セカンドが抜きやすいハーケンの打ち方がいいのです。
この理屈によって場合によっては半分だけ打つ場合もあります。全部打ち込むと抜けずに残置になってしまう可能性が高いからです。
ハーケンは昔でもチタン製がありましたが、多くは鉄製です。そのために残置ハーケンは見た目よりも岩の内部で腐食していて「危ない」ものが多い訳です。
それを見た目だけで分かるのがベテランでしょうが、mieeさんが書いていらっしゃるようにハンマーで叩いて確認すると逆に強度が落ちてしまうこともあります。
ともあれ、残置ハーケンを使う場合は、それがどういう状態で打たれたのか、どれくらい時間が経っているのか、どれくらい腐食しているのか、普通は分かりません。「たぶん大丈夫だろう」ということで使いますが、事故防止のためには残置を使う場合はキチンとした経験や勘も必要です。それがなければ、時間がかかっても自分で打たなければなりません。
そういうことで、ハーケンなどのかわりに誕生したのがナチュラルプロテクションという物です。値段が高いので残置する人は殆どいません。いやウソです。本来は残置しない目的のものですね。
長文失礼です。
今からまた仕事に没頭します
お忙しい中のコメントありがとうございました。
「ハーケンが歌う」とはなんとも優雅な響きですが、その歌声を正しく聞き取れるかどうかが境目ですね。
私は一回たたき込んだハーケンは二度と抜かない(抜けない)ものと思っていましたが、「トップが墜落しても、その衝撃荷重に耐えられ、かつ、セカンドが抜きやすい打ち方がいい」という説明になるほどと納得しました。
してみると、この事故のハーケンも自分で(パーティーの誰かが)打ったものが抜けた可能性も否定できないですね。打ち込み方がヘタだったと。
まあ、いずれにしても抜けたこと自体は誰の責任でもなく、それを見抜けなかった自身だということになりそうです。
おかげさまでかなり理解できました。どうもありがとうございました。
pasocom さん、こんばんは。
つい最近登ったところなので・・・。
3つのハーケンが打ってあるよく見る写真は、たぶん抜けません。これが抜けたら、全員お陀仏です。これは最後の砦です。そうは簡単に抜けるようには思えませんでした。天狗の上の支点もしっかりしたものですので、まず、抜けません。抜けるぐらいなら、すでに誰かが懸垂で墜落しているはずです。
となると、途中です。ぱっと見ルートは2本。我々は、左クラックで、途中に残置が2本あり、割としっかりしているように見えました。ナチュラルプロテクションは小さいカムがあれば取れるかもしれません。ピッチググレードは、III ぐらいなので、クライミングに慣れていたら落ちるところではありません。右には怪しいシュリンゲが見え、こちらのハーケンは、ぐらぐらしているとのことですので、こちらを登ったのではないかと思われます。たぶん、この右の方が少し難しいです。それに脆そうです。右で落ちた場合は、ちょうど 30m ぐらい落ちることになるでしょう。
事故は注意していても起きるので、状況によっては仕方のないこともあります。状況がわからない以上、当事者を責めることはできませんし、誰でもポカミスはやるもので、たまたまそれが事故になるかどうかの違いです(確率の高い低いはありますが)。
ハーケンはいつでも最適に打てる訳ではないので、仕方ないときは掛けにでます。そもそも打てないこともあります。これは、ナチュラルプロテクションも同じ。なので、外岩では、クライミングジムのようなことはできません。落ちても平気だから思い切って行くは無しです。落ちてみないとどうなるかわからないので、基本、落ちない範囲で行くものと考えています。
己の力と壁との駆け引きみたいなもので、負けたり読みが甘いと転落します。その後は、運を天に任せるしかありません。かなりシビアな世界であることは確かです。
コメントありがとうございます。
その後、この事故に遭遇したFutaroさんのレコがアップされました。
それによると「大天狗の登り口で・・・直登しようとして使った残置ビレイが抜けて滑落し、怪我をしたそうです。」とのこと。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-509587.html
自分で打ち込んだのではなく、残置のものを使ったようです。
30m(「斜面を」とかいてあるので、標高差ではなさそう。)転落して頭を打っても軽傷だったのはヘルメットのおかげか、傾斜がさほどきつくない場所だったのでしょう。
やはり残置のハーケンは抜けそうかどうかを確かめないと危険ということですね。
むろん一見しただけでわかるはずもなく、叩くなどして判断するのでしょうか。
信用おけそうもないハーケンだったら使わずに自分で打った方が安心かも知れませんね。
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