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もとの日記を引用させていただいたainakarenさんからもメッセージを頂き、若干の誤解を解くために日記の字句を訂正したいとのこと。
また伝わらなかった「本意」についてもご連絡を頂いたので、昨日の続編として書いてお伝えしたい。
まず、ainakaさんの日記の主旨は
1・冬富士での滑落防止が願い
2・転倒しないことが重要
3・そのためのピッケル操作の習熟が必須かつ重要
4・滑落してしまったら確実に停止できる方法は無く、減速さえ困難と思え
5・それでもその時は、腹ばいで足を曲げ小指側にピックを握ったピッケルで停止姿勢をするのが最良、最後まで希望を捨てない
とのことだ。
これらは誰も異存ないところだろう。
特にainakaさんの日記は厳冬期の富士山(急斜面で凍結してツルツル)における滑落について書いておられるのだが、それを「一般論」のように引用した私が誤解を招いてしまったのかもしれない。
引用した部分について本日(1/6)にainakaさんが修正されたので、再度ここに引用させて頂き、みなさんにainakaさんの真意をお汲み頂ければ幸いだ。
「冬の富士山は時として恐ろしい牙をむく。
厳寒と強風も相当なものだが油氷状の雪渓と突風が曲者なのである。
その状況で転倒してしまい、滑落が始ったら止めるのは極めて難しい。
バランスを崩し転倒する瞬間に、倒れざまに身を処してピッケルのピックを雪面に打ち込まねばならない。
私が登山に入門した1950年代の雪渓歩行時はピックが後ろを向くようにピッケルを持ったが、1960年代になるとピックが前を向くように持つのが主流になっていた。
上りでは前向き、下りでは後ろ向きの人も居た。
持ち方の適、不適は状況に因るが、転倒した時に滑落前に、少なくとも加速しないうちにピックを打ち込むことに主眼が置かれたのであろう。
それ以前の昔は、滑落停止の訓練として比較的に緩くて下が安全な雪渓に背中から身を投げ出し、ある程度加速してから後ろ向き持ったピックを腹這い姿勢に反転して雪面に打ち込む方法が採用された。
だが、最も効果的とされた此の訓練方法をもってしても、たとえ雪質がどうあろうと効果的ではなく、試みた人の多くが予想以上に長い制動距離を要したり、巧く止められずに驚いたに違いないと思う。
要は雪渓での転倒やスリップでは、滑落にならないうちに俊敏に体をかわしピッケルを操作する必要があるのだと思う。
転倒時の滑落防止と停止も重要だが、それ以前にピッケル(バイルを含む)にはバランス保持具として更に重要な役割がある。
バランスを的確に確保していれば、転倒することも極めて少ない。
歩行時の石突とシャフト、そしてピックとブレードの斜面への接触(打ち込み)動作の習熟が必須且つ重要なのだと思う。
勿論、突風襲来時の素早い三点確保姿勢もその一つである。」
http://www.yamareco.com/modules/diary/8042-detail-29199
こんちわ〜
そうそうたるメンバーのお話、興味深く読ませていただきました
ここはヤバイぞ!という感覚をもって、さらに万が一の姿勢を考えて動くことが大事なんでしょうね・・
わたしが経験した、いままでの滑落という状態は、幸いなことに油断できる場面だったので大事に到らなかったです。
積雪時もそうですが、雨の夏場に草に足をとられて斜面を15mほど滑り落ちたことがあります。
幸いポールの横抱き姿勢で樹木を利用して止めましたが、こういった場面も考えておくことも大事ですね
今シーズンも冷や汗トラバースの場面に出くわすかもしれませんので、練習はかかせないですね。
興味ある話題提供ありがとうございました
でわでわ
pasocomさん、一日に二つの日記をアップすると「すべての日記」タグをクリックしないと前のが見れないので老婆心ながら・・前述が気になられる方は下記へどうぞ
http://www.yamareco.com/modules/diary/21844-detail-87998
今回の滑落に関する話を書くに当たってはainakaさんには事前に連絡し、引用の許可を頂いたのですが、「少しでも滑落防止に役立てるのならば嬉しい事です。」と快諾してくださいました。
冬山経験乏しい私ごときがピッケルの使用法などを議論するなど「僭越至極」であることも承知でしたが、あえて一石を投じるつもりで書いたことでした。
しかし、やはりというべきか、そもそもainakaさんの深い本意というよりも、うわべのピックの向きうんぬんの議論にしてしまい、ainakaさんに日記の字句を修正させることにまでなってしまいました。申し訳ないことです。
ただ、この時期にこういう話題を提供し、uedaさんのような経験者の皆さんにも、もちろん初心者さんにも滑落ということについて考えを巡らせる機会を持っていただけたなら書いた甲斐があったのかなあ、と思っているところです。
ピッケルは冬山ファッションの一つなのでしょうね。
売る側は商売ですから何でも売ります。
ピッケルさえあれば転んでも止めてくれるしグリセードもスイスイやってくれるような売り方です。
停止技術が無い者はその危険性のある場所に行ってはいけないんですが。
ですから毎年何度も訓練します。
それでも滑落停止の技術はけして身に付きません。
完璧など有り得ないと思っています。
右肩の肩胛骨の下に青あざが出来、訓練用ヤッケがボロボロになります。
それでも青氷の急斜面に有り得ない姿勢で倒れ込んだら確実に止める自信はありません。
「滑落しないのが一番」そんな事は当然です。
ちなみに私はピックを前にして歩くことはありません。
pasocomさんが一石投じられたのは有意義だったと思いますよ。
お初のコメントありがとうございました。
私もピッケルとそれを使う技術があればどこでも停止できるものと思っていました。
滑落したらどうやっても止まらない斜面、というのがあるのですね。
そういう場所ではとにかく転倒しないこと。これだけですね。
しかしainakaさんが書かれているようにピッケルは滑落停止の道具なだけではなく、転倒防止の道具でもある。これもあらためて知らされたことでした。(無意識にそういう使い方はしていましたが。)
厳冬期の富士山のあの斜面では転倒すればたいてい止まらないでしょうね。
ですからainakaさんは「ピッケルはまず転倒防止として使いこなせ。」と言われているんでしょう。
ピックの向きうんぬんはまさに枝葉末節のはなし。そこに焦点を当てたような書き方をした私のミスだったと思います。
こんちはpasocomさん。少し遅れましたけど、
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね〜
ピッケルシリーズは興味深く読ませて頂きましたが私の場合、今のトコロそもそも、そういうトコロにに行かないようなので安心?(笑)です。実はワタクシもpasocomさん的な考えだったので、みな様のご意見や忠告には感嘆いたしました。
実践するかどうかは別にして、、(笑)
Cさん、あけましておめでとうございます。こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
ピッケルを必要とするようなところには行かない、ということはあの絶景の冬景色は見なくてもいいということでしょうか?いや、でもいままでも奥秩父の冬山には登っていらっしゃいましたね。
まあ、そういわず一度お試し下さい。
私自身、いい年してから冬山にピッケル担いで登ることになるとは夢にも思わなかったのです。
その日のためにも、この日記を参考にしていただければ・・・
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