市民図書館でふと見つけた本がおもしろいのでこれをネタに新発見をご披露します。
東北・アイヌ語地名の研究/山田秀三
http://www.yamareco.com/modules/amaxoop2/amaxo.php?ASIN=4883230635
札幌にある藻岩山、実はその横の円山がモイワで、藻岩山はインカルシペ(眺望所)だそうです。で、モ・イワの意味は「小さな・神様のいる鎮守の森のような山」という意味だそうです。「モイワ」はその生活圏のどこからも見える整った形の丸い山で、北海道はじめ、アイヌの生活圏各地にあるそうです。
東室蘭駅の東にある楽山(らくさん)はピシュン・モイワ(浜のモイワ)
元浦川で古老に聞いたモイワ
豊頃の十勝川下流にある茂岩
北見市西郊外のモイワなど。沖縄のウタキのような存在だそうだ。
で、東北地方のアイヌ語地名では、これにあたるのがモヤ。
モヤといえば、青森市内どこからでも見える雲谷峠(もやとうげ)。札幌の円山よろしく独立円錐の目立つ山。山の名なのに峠とあるのは、ここに昔トンケイというアイヌの戦士が住んでいて、西暦800年の坂上田村麻呂将軍のヤマト派遣軍と戦い、破れた。このときに現地ゲリラのトンケイ軍をおびき出すためにねぶたをやったのがねぶた祭の起源だという言い伝えがある。そのトンケイの名は現地では残っていて、明治にこの山を地図に記すとき、モヤトンケイに雲谷峠の当て字をしたそうだ。
青森には十三湖の北に靄山(もややま)という150mくらいの円錐山もある。まさにモヤ。
カムイ・イワキ(神住むところ)の省略形がイ・イワキ(それの住まわれるところ)、これが岩木の由来だと言う。このイワがモイワのイワ。岩木は小さくないからモは付かない。著者は「津軽」もアイヌ語と踏んでいる。
そのほか秋田の米代川下流の茂谷山、田沢湖の靄森山など。
アイヌはどこへ行ったのか?どこにも行っていない。北東北に、北海道に、多くの日本人の体に混血して残っている。
次回はサンナイ(三内、山内、珊内地名考)
こんばんは
地名はいろんな由来があり、面白いですね。
日本語だと分かりますが、アイヌ語が当て字となると
元来の意味に気づかないですね。
方言なども考えると当て字で違った意味というのは
意外とあったりするかも知れないですね。
おもしろーい!!
とても勉強になりました。
yoneyamaさんは、知識への欲求が深いですね〜
ホントに尊敬します。
(`Д´)ゞビシッ!!
雲谷というと、青森から八甲田へ行く途中にスキー場があるところですね?そんな謂われがあったのですか。
そうか、あそこに峠があるわけじゃなくて山に峠という名前が付いているんですね?
そういえば札幌近郊の本倶登山(ポンクトサン)は、ポンクトがアイヌ語で、サンは山=日本語かと思いきや全てアイヌ語で、サンと山をかけてダブルミーニングになっているんですね。その証拠に川の名前がポンクトサン川。
札幌の藻岩山と円山のことは読んだことがありましたが、モヤもモイワだったとは。青森平野を一望できる場所だから、インカルシペでもよさそう。モイワ山はニセコにもありますね。インカルシペの方は、遠軽という地名もここから来ているらしいです。
イワは同じ山でも、ヌプリやシリと違って、祖先の祭場のある神聖な山、神霊の山ということらしいですね。
K_guminさんこんにちは
アイヌ語は当て字で残っているので謎解きレベルがひとひねりあっておもしろいですね。
yamamamaさんこんにちは
自分の住む町の地名だとさらに面白いでしょう。青森の地名はほとんどアイヌ語起源みたいですよ。
kennさんこんにちは
遠軽はインカルシペでしたか。地図で見るとありますねポンクトサン川。ちょっと気になる登ってみたい山ですよねポンクトサン。やはり登りたくなる動機として、山の名前は大きいです、僕の場合。
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