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少し前に引っ越し先で家を探すとき古地図を見る話を書きましたが、そのとき見たのがこの地図です。
1910年というのは、日本が近代化を終え、日露戦争に勝って、全国に国鉄の路線を一通り通して、各地に陸軍の師団や連隊本部が増設され、その誘致で町おこしもして、活気にあふれていた時代です。今は軍の跡地は、大学や学校になっているところが多いです。地方都市にも路面電車が通り、城下町を中心にした中核都市の形がまだ輪郭を留めていて、郊外の田畑の領域とは一線を画しています。町のはずれには、離れ島のように遊郭があります。
海岸の埋め立てもまだそれほどではなく、牧歌的な浅瀬などが描かれています。
これまで住んだことのある都市を、代わる代わる眺め、うっかり時間が経過していく、面白いサイトです。
ちなみに、1910年は、田部重治や冠松次郎が活躍し始める頃、日本の積雪期はまだまだ未踏峰だらけ。近代アルピニズムの始まりの時代です。津軽海峡と関門海峡が無いのは、まだ軍艦の時代だからだろうか。軍の敷地は、星のマーク以外、真っ白です。飛行機の発明はこのすぐ後。
http://stanford.maps.arcgis.com/apps/SimpleViewer/index.html?appid=733446cc5a314ddf85c59ecc10321b41
たまたま、今読んでいる本が「英語と日本軍」(江利川春雄2016)というんですが、アメリカが日本を仮想敵国としてからの言語、文化研究は半端なく、徹底していました。諜報部には日本語暗号解読の専門家が1000人いて、実践的な会話集も多く編集され、和英辞典もバンバン国営の海賊版で出版されたそうです。対して日本では、アメリカ討つべしとなってからは、英語研究者は身を隠すほどの境遇になったそうで。
ただし、この地図は1890年に制作し、1917年に修正、1928年印刷です。1946年印刷のものも多いので、戦後、進駐軍がかき集めたもののようですね。
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