松本平の中学校では明治以来、北アルプスの本格的な主稜線を登る学校登山が伝統でした。しかし21世紀になる頃から登山といってもほとんどバスで行ける乗鞍岳にする学校が増え、登山自体をしないところも増え、今では市内公立21校中、燕岳はたったの3校。常念が2校、奥穂高が2校となってしまいました。ちなみに奥穂に行った勇ましい学校は、今は松本に合併した穂高お膝元の元安曇村の中学です。2校合わせて10人ほどしかいないのですが。
年々なくなる理由は、リスク管理の世相とか、教員の過労問題とか、こどもの体力低下とか、いろいろありますが、やはり、普通の大人が登山離れしているから教員全体も登山離れしていることと思われます。僕らがこどものときは、特に山好きでなくても周りの大人はみな、若い頃北アルプスに登っていました。
学校登山のすごいところは、山なんか一生に一度この機会にしか登らないという人ほど、信州人なら、北アルプスの稜線に自分の足で一度だけは行ったことがある、という自信を一生持てることです。そしてそのありがたみは自分のこどもが中学生ぐらいになったとき、初めて知るのです。あれは、大人への、地域共同体へのこの土地なりの通過儀礼だったのだ、と。だから13〜14歳という、子供ギリギリの歳でやるんだね。
戦前の89歳のセンパイの話を聞くと、この学校から中房温泉までバスではなく、足で丸一日歩いて、中房で一泊、翌日ツバクロを往復して、三日目に歩いて学校まで帰ってきたと。地下足袋で。当時はバスも燕山荘も無かったから。新品の地下足袋で、タビズレが辛かったと。
今回、一番最後に遅れて登ってきた子のおばあちゃんが、電話を掛けてきてくれて、なんどもお礼を言われた、ということでした。復活させてホントによかったなあ。
先生だって人間なんだし、みんなが燕登山引率できるわけじゃない。これからの学校は、地域の大人が得意分野でバンバンサポートだと思いました。
ちなみに私のヤマレコ最古記録は、中1の燕岳学校登山です。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-28516.html
http://www.sangakusogocenter.com/chousa/chousa.html
の「長野県中学校登山動向アンケート調査 」に詳しい変遷の数字があります。
yoneyamaさん、初めまして。
と言っても何度かレコや日記は拝見しておりました。
yoneyamaさん燕岳登山の2年前に高校山岳部の一人として、合戦尾根を登っていました。
初めての北アルプス、25kgキスリングの重さにバテバテ、へロヘロで登っていた時に大勢の中学生集団が下山してきました。
バテバテの自分達に何百人もの中学生が律義にひとりひとりが、
ニッコリ (^^)/ 「こんにちは!」「こんにちは!」「こんにちは!」・・・
こちらも必死で挨拶を返しました(余計にヘロヘロ〜〜)
この時、長野の中学生は北アルプスへ集団登山するんだ?
群馬育ちの自分はとても羨ましく思った記憶があります。
「中学校燕岳登山」激減していたのですね。
ハードルが沢山ある中での復活、御苦労も多々かとお察しします。
地域の皆さまのサポートそれあってこそですね。
復活万歳!
s4reds さんは、ヤマレコ豊橋部のセンパイでしたよね。豊川や矢作川の全流域記録など驚嘆して読みましたよ。
最盛期の「コンチハ攻撃」をご存知なんですね。 そのころは学校ひとつで300人、いまは数十人です。燕岳の花崗岩の登山道が、擦れて足型に踏み跡がついているのは中学生群団のせいだと思っていました。なんせ日本で近代アルピニズム勃興前からなんですから、明らかにこれは民俗的行事が起源ではないかと思っています。
うちの中学校も1-2年で燕岳登山でした!
当日は朝から大雨で、山小屋一泊を急きょ予定変更して、
有明温泉泊になって、なんだか楽しい修学旅行みたいでした。
夜中に有明温泉から懐中電灯持って歩き始め、
山頂辺りで初めてご来光見て感激しましたね
学校登山でアルプスや八ヶ岳に登って、山好きになるか、
もう絶対嫌、となるか、別れる事が多いかと思いますが、
yoneyamaさんのおっしゃる様に、
”山なんか一生に一度この機会にしか登らないという人ほど、信州人なら、北アルプスの稜線に自分の足で一度だけは行ったことがある、という自信を一生持てること” は後になって気が付く事ですね。
今でもたまに「学校登山で八ヶ岳登ったけど疲れてもう絶対山は嫌〜」
っていう話が出ますが、学校登山があったからこその貴重な体験ですよね。
体力的にも、13,14歳は贅肉が無いから軽くて、筋肉とのバランス上、人生最大の好機にはまちがいありません。一生無理な人ほど、欠かせない機会ですよね。子どもたちの家族に聞くと、大人は楽しかったことしか覚えていないみたいです。辛かったことは忘れる。これも良くできていますね。
北信のほうも燕岳なんですね。燕って、ほぼ安全だけど結構景色も独特で、しかも体力的にフルコースで、大きな山小屋もあって、学校登山には最適かもしれませんね。母校は今もやっているかな?
yoneyamaさん、サポート隊お疲れさんです。素晴らしい活動です。
私も半世紀以上前に中学の学校行事で登らされました。その頃の自分には好き好んで自分で山登りしようなんて言う発想はなっかた。半分強制的に義務的に登らされたのですが、初めての日本アルプスで、後になっては非常に良い思い出です。まさに教育の一環です。
台風で延期になり燕山荘泊りから夜行登山になったこと。水を飲むとバテるという説を信じ水は飲まないで登ったこと。燕山荘から燕岳登頂するか否かは自由だというので(山頂まで登れと言ってくれた方が良かった)ヘタレな自分は山頂には行かずに燕山荘で震えて夜明けを迎えたこと等思い出します。
教育というのは買い物とちがって、やる前にはどんなことになるかわからないところが教育たるところですね。ヘタレた思い出も、積み重ねた人格のひとつですね。私も日々中学生と暮らしていますが、中学生時代の時間の重みを今さら気づくことが多いです。
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