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私の単身別居三ヶ月で妻と娘はとても疲れが溜まっているようだった。ふたりとも日々が忙しすぎる。
美術館への徒歩の散歩が気持ちよかったみたいだった。疲れてしまったときは、歩くといいことがあると思う。アスファルトではなく、土、草の長い道を薄い靴底の靴で。
アルフォンス・ミュシャは1860年モラビア生まれのチェコ人。美しい少女画デザインの画家。日本の少女漫画の元祖、と思う。19世紀末の女優、サラ・ベルナールの肖像でとても有名に。美女たちの表情も顔もみな違い、あしらわれている花や装飾品や背景のデザインにはイスラム、スラビア、ケルト、スカンジナビアン、あらゆる民族デザインの影響を巧みに盛り込み、ため息が出るばかり。また一人、忘れられないチェコ人と一日を過ごした。
娘はまる一日美しいものに浸った満足感で、ずいぶん生き返った様子だった。この日は珍しく、ダンス・バレエの稽古が無い日だった。ミュージアムショップで買ってきた複製の「ヒヤシンス姫/princezna hyacinta」のファイルを見て、「美しいねえ・・」と7回か8回言っていた。
ご飯の支度や片付けはお父さんの得意分野なので、お二人にはゴロゴロしてもらう。人のためにメシを用意するのは楽しい。
ヒヤシンス姫といえば、先週BSでリリー・フランキーと尾野真千子のドラマ「洞窟おじさん」の4本一挙再放送があって、録音しておいてもらったのをみんなで見たとき、4話目のいちばんいいところで流れた曲がドアーズの「Hyacinth House」だった。で、ヒヤシンスハウスを脳内に流しながらミュシャ展に行ったら、「ヒヤシンス姫」にあったのが偶然です。
洞窟おじさんも、人のためにブルーベリーを作るのは楽しいっていたのがかぶってました。
鼻歌で歌っていたら、娘に「それ、英雄ポロネーズ?」と聞かれた。確かに間奏部分の旋律そっくりだワ。言われて初めて気がついた。
夕暮れの特急に乗って名古屋に帰る。
yoneyamaさん、こんにちは。
私もアルフォンス・ミュッシャの絵は好きで、過去2回、ミュッシャの美術展に行っています。
19世紀末からの近代西洋絵画は、モネ、マネなどの印象派の台頭から始まり、ミュッシャに代表されるアール・ヌーボーの時代、さらに、20世紀前半は、ムンクなどの表現主義、クリムトなどのウイーン分離派、ダリ、キリコなどのシュールリアリズム、ピカソなどの超立体主義、カンデンスキーなどの抽象絵画、さらにどこの流派にも属さない、ユトリロなど、19世紀末から20世紀前半は、西洋美術の潮流が次々に変化した、面白い時代だと思います。
でも結局、日本人が好む近代西洋美術は、印象派(特にモネ)、アールヌーボー(特にミュッシャ)、それとバルビゾン派風景画(特にミレー)に絞られた感がありますね。穏やかで心地いいものが最終的に残るのかな?とも思います。
19世紀末という時代を、政治史、世相史、科学技術史、社会制度史などでみると、本当に激動で、さらに今とは道徳も精神性もかなり違っていた面も思い返しながら美術史のお話を伺うと、たしかにそういう時代にこそこれだけ様々な絵画が発展したのだなあと思いました。19世紀末、その魅力があるんだろうな。
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