北アルプス(大天井〜槍〜北穂高 表銀座コース)
- GPS
- 82:00
- 距離
- 37.8km
- 登り
- 3,559m
- 下り
- 3,492m
コースタイム
0453 穂高駅 着
0505 穂高駅 発 安南タクシー(\1700)
0600 中房温泉 着
0645 中房温泉 登山口<1450.0>
0920 合戦小屋
1040 燕山荘
1315 大天荘
8/14
0400 起床
0430 大天井岳<2921.9>
0520 大天荘
0610 大天荘 発
0645 大天井ヒュッテ
0910 ヒュッテ西岳
1010 水俣乗越
1225 ヒュッテ大槍
1410 槍ヶ岳山荘
8/15
0400 起床
0445 槍ヶ岳
0535 槍ヶ岳山荘
0645 槍ヶ岳山荘 発
0750 中岳
0910 南岳
0915 南岳小屋
1200 A沢のコル
1410 北穂高山荘(\8800)
8/16
0400 起床
0445 北穂高岳(北稜)
0515 北穂高山荘
0600 北穂高山荘 発
0630 北穂高岳(南稜)
0830 涸沢ヒュッテ
1000 屏風のコル
1120 中畠新道出合
1215 新村橋
1230 徳沢園
1310 白沢出合
1415 上高地バスターミナル
1640 上高地バス停 発
1745 新島々バス停 着
1805 新島々駅 発
1840 松本駅 着
※休憩時間は割愛
天候 | 8/13 曇りのち雨 8/14 晴れ 8/15 晴れ 8/16 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
中房温泉からの登山口に登山ポストあり。 トイレもあり(男性用は混雑)。 ■燕岳〜大天井岳 「喜作レリーフ」、確認できませんでした。 ■水俣乗越〜ヒュッテ大槍 ハシゴ数箇所あります。 ■南岳〜北穂高岳(大キレット) 長谷川ピーク直後のナイフリッジは足場のホールドが見えにくいので注意。 もちろん、ハシゴ・クサリ多数。 ■北穂高岳〜涸沢ヒュッテ ハシゴ・クサリ数箇所。 下山後は、上高地温泉ホテルで入浴。 時間帯によって日帰り入浴できる施設が異なるので、事前に確認しておいた方が無難です。 |
写真
感想
8/13〜16、夏山行として槍・穂高の縦走に行ってきました。
中房温泉から合戦尾根を登り、燕岳、大天井岳、西岳、東鎌尾根の喜作新道を経て槍ヶ岳に至る、通称「表銀座」
独特なシルエットを描く3180mの名峰、槍ヶ岳。
そして一般登山道としては最高難度のルートである「大キレット」を経て北穂高岳。
美しい雪渓が横たわる涸沢に下り、上高地へと抜ける。
そんな欲張り贅沢な3泊4日の山歩き。
■初日(8/13)
出発前、荷詰めの終わったザックを担いで体重計へ。
あれ…?18kgもある…
軽く凹むw
0:34、立川駅から夜行快速、「ムーンライト信州」に乗り込み、長野県の穂高駅まで。
帰省客7割・登山者3割といった乗車状況。
多分寝れないだろうなぁと思いつつ、アイマスクをかけて仮眠。
4:53、穂高駅に到着。
列車から大きなザックを担いだ登山者達が一斉に駅のホームへと降り立つ。
駅前には既に登山口の中房温泉までのバスが待機していて、列車からバスへと乗り換え。
山岳道路を右へ左へ揺られながら、6:00、中房温泉に到着。
登山口は登山客でひしめき合い、朝食を取る人、体操をする人、ミーティングをする人、などなど。
トイレはきちんと整備されていたけど、いかんせん一時に使う人数が多すぎて並ぶ並ぶw
僕らのパーティも諸々の準備をここで整え、小雨が舞ってきたのでザックにカバーをかけて6:45出発。
合戦尾根は急登と聞いていたけれど、予想を超えるキツさではなく。
むしろ「縦走開始!」という状況に、変なテンションの高さで登り続ける。
『合戦小屋』の手前から雨足が強くなり始め、『合戦小屋』で休憩がてら雨具を装着。
ここの小屋では名物のスイカを(相方から一口だけお裾分けしてもらって)食べる。
んー、あまり好きではないスイカだけど、疲れている時には美味いっ!
ここから1時間ほどで燕岳の麓にある『燕山荘』に到着。
雨と汗で濡れたシャツ、そして雨と強風が容赦なく体温を奪っていく。
もちろん展望はなし。
燕岳へピストンの予定も、こんな状況じゃあ意味ないと先を急ぐ。
燕岳から大天井岳へのコースは、槍・穂高を眺めながらの気持ちの良い道らしい。
そんな情報を耳に入れながら、真っ白にガスった道をひたすら歩く。
寝不足・体温低下・疲労で足元がフラフラw
「高山植物の女王、コマクサがいっぱい咲いているよ!」という相方の声も、聞こえてはいるけど反応する気力なしw
今思えば、写真の1枚ぐらい撮っておけば、とも思ったけど後の祭りだなぁ。
途中のポイントも見逃し、「このいつまでも辿り着かない霧の道、実は遭難しているのか」なんて弱気にすら。
スーパーマリオの8-4、正しいルートを選ばないと無限ループする、まさにあんな感じだった。
まぁ、1本道なので、どうにか大天井岳に向かう分岐に辿り着き、息も絶え絶えになりながら本日の宿泊場所『大天荘』に到着。
多分、13:30ぐらい。
余りにも疲れ切っていて、詳細の記憶が残っていませんw
濡れた衣服を乾かし、ビールで乾杯して、後は昼寝モード。
晩御飯はサバの味噌煮、美味かったデス!
天気予報で明日以降の好天を確認し、珍しく夜は飲まずに就寝。
どんだけ疲れていたか想像がつくでしょ?(笑)
■2日目(8/14)
昨晩寝る前にバファリンを服用&寝不足もあって爆睡できたこともあり、体調は上々♪
4:00過ぎに起きて、ご来光を観るために小屋から10分の大天井岳山頂に向かう。
昨日の悪天候がまるで嘘のような、気持ちの良い快晴の青空!
眼下には雲海が広がり、昨日歩いてきた稜線もくっきりと見える。
そして、振り返れば槍・穂高の山々が!
なるほど、昨日歩いてきた道は、晴れていれば確かに最高の景色だったに違いない。
5:02、白く広がる雲海の彼方から、太陽が姿を現す。
くっきりと、そして力強く光の束を僕らに突き刺してくる。
夏特有の、肌の表面を焦がすような強い力。
同時に山々も目を覚まし出し、山肌をダークブルーのベールから赤く衣替え。
どこまでも広がる広い空と、吹き抜ける優しい風。
この瞬間があるから、山は良い、と思える朝のドラマ。
小屋に戻り朝食と身支度を済ませ、1杯の珈琲を飲み干し、6:10出発。
大天井岳に見守られながら、『大天井ヒュッテ』に下り、西岳へのルートを取る。
軽い登り道、昨日の合戦尾根とは打って変わって軽やかに足が進む。
稜線の東斜面は昨日の雨で蒸し暑く、ただ、日照時間が長いせいか、様々な花が咲き誇り目を楽しませる。
西斜面は槍・穂高のダイナミックな景色と、吹き抜ける涼風が心地よい。
景色はそう変わらないだろうと思い西岳には登らず、『ヒュッテ西岳』の横から水俣乗越へと下る。
途中、登山靴のソールが剥がれた3人組のパーティとすれ違う。
ソールの劣化については、登山洋品店や山小屋でよく注意喚起されているが、実際にそうなっている人を見たのは初めて。
ウチの登山靴も、買ってからはまだ1年足らずだけど、頻度と使用環境が異なるので注意しなくてはと思った。
水俣乗越に着くころには、太陽はすっかり頭の上。
容赦なく照りつけて、体から水分を搾り取っていく。
ここで昼食のアンパンと水、休憩をしっかりとって、今日のメインどころ「東鎌尾根」に取り付く。
東鎌尾根は体感的には結構キツい登り、途中長めのハシゴもありなかなか手強い。
ただ、朝は遥か遠くに見えていた槍の穂先が少しずつ少しずつ大きくなっていく。
汗を垂れ流し、息を切らし、時たま気力の崩壊水域寸前まで疲れ休憩を所望し、それでも前へ進んでいく。
最後の方は気持ちも荒み気味、「『ヒュッテ大槍』まであと13分」の表示を見ても信じられず、「気休めは止めてくれ」なんてぼやいてみたりw
が、標識は正しいから標識足りえるわけで、10分もしないうちに『ヒュッテ大槍』到着(笑)
目の前に槍を眺めながら、しっかり休息。
残り50分、ゆっくりでいい、あの槍の下まで行くのだ!と気合入れ直し。
『殺生ヒュッテ』を眼下に眺めながら、一歩ずつ前へ前へと進み、14:20、『槍ヶ岳山荘』に到着!
もうとにかく荷物を降ろしたくて、直ぐに宿の手続きを済ませ、重いザックを肩から下ろす。
本当はこの後、槍の頂上まで行く予定だったのだけど、薄い雲がかかって来たことと、ウチのやる気がなくなったのも合わせ、翌朝ご来光を観る計画に変更。
サブザックにウイスキーとツマミを詰め込み、山荘前で酒盛り大会♪
ビールの美味さに感動し、ウイスキーの美味さに舌鼓を打ち。
3000mの開放感と、槍と、目の前を通り過ぎる色々な登山者たちの人間ドラマを肴に幸せな時間。
17:00に夕食を取った後は、昨日は見れなかった日の入りを観るために再び外へ。
朝と夜が入れ変わっていく自然の美しさを思う存分堪能。
明日向かう南岳、大キレット、そして雲に包まれた北穂高岳を眺めながら、気持ちを引き締める。
今日は混むと聞いていたけれど、部屋に戻ると1人1枚の布団割り当てで一安心。
明日の朝の槍アタックの装備をまとめて、早々に就寝。
■3日目(8/15)
夜中の12時頃に目が覚めたので、せっかくなので星空を観に小屋の外へ。
強めの風が吹き、かなり寒くはあったけれど、出てきて良かったと思える景色!
見上げれば数え切れないほどの星達と、生まれて初めて見る天の川!!
淡く帯状に連なる星の川は、漆黒の空を大きく横切り流れていく。
出来ることならずっと観ていたい、そんな風景だったけれど、山の夜の寒さはそれ以上で、3分ほどで退却。
たった3分だけだったけど、目を瞑れば今でも思い出せるほどの美しい時間でした。
朝は4:00過ぎに起きて、手早く準備を済ませ外に。
先発していたパーティは、既に山頂に着いている人もいるようで、槍の穂先にヘッドランプの光が見える。
そして山頂から小屋まで、ポツリポツリと登山者達のヘッドランプの帯が。
狭い山頂だけに、もしかしたら渋滞で上まで行けないかもと半ば覚悟しながら登り始める。
ガレた斜面にクサリ場、ハシゴと、なかなか楽しめる道を上へと進み、当初の心配を他所に30分で山頂に到着。
昨日、小屋の前で酒盛りをしながら他のパーティの話を聞いていた中には「2時間もかかった」というものもあり、今日、ご来光狙いで登ったのが正解だったねとしてやったりの気分♪
山頂からは360度のパノラマ、目覚めを待つ山々を眺めながら、日の出を待つ。
昨日と同じく5:02、東の空に太陽が昇り始める。
狭い山頂は感動と、歓喜の声!
昨日は雲に包まれて見れなかった北穂高岳もくっきり見える。
さて、今日も1日頑張ろう!
小屋に戻り朝食を済ませ、小屋出発は6:40。
予定より1時間遅いけれど、朝の感動の代価としては安いものだ。
槍ヶ岳に別れを告げて、北穂高岳方面に足を進める。
道の状態が昨日とは変わり、岩と瓦礫の上を歩くことに。
ウチは上り坂でなければご機嫌なので問題なし。
それに、目が覚めるような青空と、360度見渡せる尾根歩きは、幸せな気分にさせてくれる。
そして場所によっては白い雪渓がアクセントとなり、今が8月の半ばだということを忘れてしまう。
初日の雨の表銀座も、今日の展望の感動を与えるための前フリかと思えてしまうぐらいの素晴らしさ。
何かで読んだのだけど、「北アルプスの稜線はまるで空中散歩」という台詞に間違いなし、と納得♪
楽しい稜線歩きも南岳まで。
この先は、一般ルートでは最高難度である「大キレット」が立ち塞がる。
登山道の横には事故多発の注意書きがあり、緊張度を増す。
『南岳小屋』の前でしっかり休憩と給水・食事をとり、これからの展開に備える。
9:35、『南岳小屋』を出発。
ハシゴでほぼ垂直に高度を下げていく。
ほんの30分進んだだけで、南岳南壁の下り口が遥か上に見える。
途中、「長谷川ピーク」まではそれほど危険な箇所はなく、このままの状況だったら心配はないかな…と思った矢先。
ピーク直後にナイフリッジのクサリ場登場!
ちょうど対向者が居たのだけど、動きを見ていなかったせいで足場が分からない…。
そして、対向者待ちをしているその瞬間、すぐ先で「ラクっ!!」の声!
落石だ!
状況は分からないが、声の様子からすると、どうやら怪我人がでた模様…。
一気に緊張度が高まる。
対向者が渡り終わり、いよいよコチラがナイフリッジを越える番だ。
両手でしっかりクサリを握り締め、足の指先でクラックを捜し求める………あった!
慎重に体重を移動させ、ゆっくり、ゆっくり前へ進む。
そしてその先の岩場の下には、頭から流血した2つのパーティが治療に当たっているのが眼下に見える。
2次災害だけは避けなくてはと思い、下のパーティに降下ルートから離れてもらうようお願いし、下り始める。
下り始めてしまえばそんなに危ないわけでもなく、問題なく着地。
事情は深入りしなかったが、おそらく自然落石だったのだろうか…?
とりあえず両方のパーティ共動ける様子だったので、先に進むことにした。
とはいえ、ココロが動揺しているのが自分でも分かったので、少し離れた場所でダウンを取る。
落ち着いたところで、先に進む。
10分もしない場所に通過ポイントである「A沢コル」を発見。
ここはそのまま通過。
この先はクサリと岩登りの連続。
それでも、難所と言われる「飛騨泣き」に比べたらという思いが、ここで泣き言を言うわけにはいかないと背中を押す。
落ちたら間違いなく死ぬだろうという切り立った岩場を何度も通過し、今か今かと「飛騨泣き」の登場を覚悟する。
そんな道が続く中、展望台と書かれた場所で素敵な出会いが!
雷鳥!
しかも、警戒心0で、休憩中の僕らに近寄ってくる。
相方に至っては、「おいで、おいで」と声をかける始末。
で。
その声に釣られて寄って来る雷鳥(笑)
今まで雷鳥を観たことがなく、ここに来るまでに2回遭遇はしているもののハイマツの影でしっかり姿を確認できなかった。
それがこうも無防備に出てくると、なんだか不思議な気分。
土の中の虫をクチバシで掘ったり、砂浴びして体を洗ったりとやりたい放題。
後続のパーティも僕ら同様、嬉しい声をあげて写真撮影。
なんだかほのぼのしたひと時でした。
さて、気合を入れ直して、再び「飛騨泣き」へ向かう。
あの「飛騨泣き」へ…。
あの「飛騨泣き」…。
「飛騨泣き」…。
なにやらペンキの白い文字。
「北ホ小屋まであと200m」
へ?
「飛騨泣き」は…?
間抜けな話だけど…どうやら知らないうちに通過していたらしい(笑)
ウチの中で
「飛騨泣き」=「切り立ったナイフリッジの上を歩く」=「50cmぐらいしか幅がない、左右が断崖絶壁の道」
と想像してたのだけど、どうやら何度か危ないなぁと思っていた場所がそうだったらしい。
ちょうど通過時に西斜面からモヤが流れ込んできていたので、下が見えなかったのも気付かなかった理由かもかも。
まぁ、なんにせよ無事通過できて良かった!
そして切り立った岩場の上に小屋を見つけた瞬間、一気に緊張がほぐれました(笑)
14:10、北穂高小屋到着!
こじんまりとした、そして暖か味を感じる小屋の雰囲気に一目惚れ。
手続きを済ませザックを下ろし、宴会道具を持って外のテラスへ。
生ビールを購入し、「知らない間に大キレット無事通過おめでとう!」の乾杯♪
もう、めちゃくちゃ美味かったッス!!!(笑)
小屋のご飯も美味しかったし、澄んだ空気の中で飲む本格的に入れた珈琲も美味。
小屋の醸し出す空気も最高!
■4日目(8/16)
雨音さえ聞こえ、翌日の天気が気になる夜だったけれど、朝はどうにか止んでくれて一安心。
ただ、ご来光を見るには難しそうな雲が東の空に。
一応、4:00過ぎには小屋の外に出て様子を見るも、やっぱり難しそう。
そんなタイミングで小屋番さんが
「朝食の準備が出来ました〜。食べてからでもご来光間に合いまーす!」
と。
お腹も減ってたし、今日はまぁ観れなくてもしょうがないかと思い先に朝食を。
朝食も美味しく、プリップリに熱の通ったソーセージが嬉しかった♪
で、小屋番さんの言う通り、日の出前に朝食を食べ終え、徒歩1分の北穂高岳(北稜)山頂へ。
んー、やっぱり雲が厚い…。
その代わり、槍の山肌が綺麗な朝焼けに染まっていて、それだけでも十分満足。
今日は下るだけなので、ゆっくり身支度を済ませ、6:00に出発。
昨日までの「早めに小屋入り」のスタイルだったら寄らないだろう北穂高岳(南稜)山頂にも足を伸ばす。
そしたら、先行のパーティが、
「ここ、ここに来てごらん。ブロッケンが観れるよ!」
と。
その岩の上に立ち、立ち込める霧に向かって手を振る。
すると、霧に映った自分の影が手を振り返す!
これか!これがブロッケンかぁ!と感動♪
感動に浸りながら、涸沢への下山道へ。
時折振り返れば、北穂と奥穂が青空を背景に雄大に聳え立つ。
そしてその下には涸沢のカールに横たわる雪渓。
降りるだけだから気持ちも晴れやか(笑)
天上の世界から下りるのはさすがにちょっと寂しいけれど、「また来るからね」とココロでつぶやく。
北穂高岳から涸沢は意外に急な斜面で、登って来る人達はみんな息を切らしながらすれ違う。
下りてる方も浮石に気を付けたり。
涸沢には8:30到着。
山岳補導所前で一休みさせてもらう。
これから向かうパノラマコースについて道の状況を聞いてみると、岩は苔が付いていて滑りやすく、数箇所ザイルを張ってあるとのこと。
ちょっと気後れしたが、まぁ行けるでしょってことで、予定通り涸沢→屏風ノコル→新村橋へと進むことに。
「パノラマ」という言葉からは簡単に歩けるイメージがあるけど、補導所の人達の助言通り、ザイルあり崩落ありとなかなかの難所。
ただ、見渡しは「パノラマ」の言葉に偽りなく、カメラのフレームに入りきらないほどの雄大な景色。
で、「今日は下るだけ〜」と舐めて歩いていたウチは、ここの登りで疲れ果ててしまいましたw
予定では屏風の耳という場所まで行くつもりだったけど、そのまま下山することに。
これまた屏風ノコルから新村橋のルートが歩き辛い&太陽サンサン蒸し暑いw
モチベーションが上がる要素がないままの歩きは本当に辛かった。
で、どうにか新村橋まで1時間という分岐に到着。
嬉しかったのは、川が流れていたこと!
この山域は基本的に水場がなく、小屋でも洗顔禁止だったので、水で顔を洗うというのがどれだけ幸せかということを実感。
冷たい水に手を浸すだけでも、疲れが指先から流れ出ていくのが分かるぐらい。
どうにか生き返った体で、徳沢園まで一気に下山。
後で考えると、ここで少し休んでから動けば良かったのかもしれない。
そのまま上高地までの約8kmの探勝路歩き。
肩に食い込む重い荷物、山に比べたら面白みのない平坦な道、疲労、空腹、etc…。
途中からウチの頭の中は、「右足出したら次は左足」という思考回路以外は全てシャットダウン(苦笑)
生ける屍状態になってましたw
それでもどうにか上高地のバスターミナルに着いたときには、やっと終わった〜という開放感。
14:30、無事下山です。
そしてザックを荷物預かり所に預け、急いで温泉へ。
この時間利用できるのはターミナルから20分先の上高地温泉ホテル。
ホテルに着くと、「15:30まで」とのこと。
ヤバい、時間がない!急いで入浴!
ゆっくり浸かる時間はなかったけど、4日間の汚れを落としてサッパリするには十分でした。
風呂に入ったことで、生ける屍状態からも復活(笑)
次回同じようなルートを歩くんだったら、直接温泉に来たほうが良いなと学習。
再びバスターミナルに戻り、パッキングをし直して、16:45の新島島行きのバスに乗車。
松本電鉄で松本に出て、弁当とビールを買い込んで、予約しておいた「あずさ」に乗り込む。
これで今回の山行も終わりかと思うと寂しい気持ちと、よく頑張ったという満足感を感じながら、ビールで乾杯!
甲府の夜景を見ようと思ってたのだけど、疲れと酔いで茅野駅を過ぎた辺りから爆睡。
気付けばガラガラだった車内は指定席のエリアまで帰省の乗車客が溢れていました。
そして府中本町で解散。
家に帰ってまずやったことは…
カップラーメンを作ったことw
コーラをがぶ飲みw
クーラーをガンガン回すw
文明社会の呪縛は思ったより深刻なようです(笑)
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