槍穂縦走。晴天のち強風&ブロッケン



- GPS
- 73:10
- 距離
- 42.3km
- 登り
- 2,317m
- 下り
- 2,314m
コースタイム
- 山行
- 2:31
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 3:34
- 山行
- 6:46
- 休憩
- 3:47
- 合計
- 10:33
- 山行
- 7:39
- 休憩
- 1:44
- 合計
- 9:23
- 山行
- 3:35
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 4:50
天候 | 7.25晴れ 7.26晴れ 7.27晴れ+強風のちくもり 7.28雨のち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
上高地BT 7.28 15:00発 さわやか信州号グリーン |
コース状況/ 危険箇所等 |
槍沢に雪渓5箇所。 涸沢直下に雪渓。 槍〜北穂に雪なし。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
装備
備考 | UVカットのリップクリーム。 日焼けして腫れた。 |
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感想
1日目:2015/7/25(土)
深夜バスで朝五時半に上高地に到着。同行者Yは11時に合流なので、足馴らしに穂高神社奥宮まで歩く。明神池を拝観してたら、二の池に背中が青い謎の魚を発見。とりあえず拝んどいた。
上高地に戻ってYを待つ。
アルペンホテルに『本日からクラフトビール祭り』の垂れ幕を発見。3日後のゴールはここで酒盛りだなと決意した。
Yと無事合流してスタートする。
初日の目的地は横尾。無事ではあったが合流のしかたが気に入らなかったので書き残しておく。
合流までさらに1時間ほどあったので、ビジターセンターをうろうろしてた。で北アルプスの立体模型を見ててふと顔をあげると、
Yがいた。
すぐそこの柱から顔半分だけだしてニヤニヤしながらこっち見てた。すげえびびった。こいつはいつか倒さねばならんと思う。
これでイケメンなんだからさらに気に入らん、とか思ってたら徳澤に着いた。で、徳澤園で仲良くソフトクリームとビールを摂取している。だって天気いいんですもの。
この日は本当に朝から晩までいい天気だった。観光のマダムたちは日傘差しちゃってる。
徳澤園でいつか一泊したいという話をしつつ、横尾到着。キャンプ場はがらがら。我々のように初日が横尾ゴールのスチャラカ登山家は多くないようだ。
初日用に買ってきたビールを梓川で冷やして飯。8時に就寝。地面がふかふかで寝心地よろし。
2日目:2015/7/26(日)
3時起床。星がすごい。プラネテス読みたくなった。
5時出発。これから大曲から水俣乗越にでて、東鎌尾根から槍ヶ岳に向かう。
二ノ俣をすぎて暫くすると、雪渓に差し掛かった。踏み跡あり、アイゼンなくても普通に歩けた。普通に歩けたけども、しんどい。大曲の分岐はまだかまだかと歩いてたら、コースタイム過ぎても全然着かない。
おかしい。いくらテント装備で三十路過ぎのおっさん二人とはいえ、コースタイムを割ることはほとんどない。なので、下山してくる登山者に聞いてみることにした。三十路過ぎの決断は早い。
我々「こんにちは。ちょっとお尋ねしますが、大曲ってもうちょいですかね?」
ご婦人「大曲?ここよりずーっと下よ?雪渓の始まるあたり。通り過ぎちゃってますよ?」
我々「・・・」
相当登っていた。ブルーシートが目印らしい。
東鎌尾根は諦めて槍沢を登ることにする。三十路過ぎの決断は早い。
槍沢の上りは修行だ。
槍が見えてからが長い。我々としては修行ウェルカムだ。いい景色見ながらの尾根歩きに未練などない。ただ次回はもう少し地図と高度計をマメに確認しようではないかYよ。
12時過ぎに槍ヶ岳山荘に到着。
幕営準備するも岐阜側からの強風がすごい。無風のときなんてあるんだろうか。
テントに手間取って飯食って槍の穂先へ向かう。
山頂はがらがら、360°晴天、富士山も見える。
山荘まで降りたら、ちょうど団体が登ってくるところだった。このあと大渋滞が発生してたので、ほんとタイミング大事だと思う。
本日の全工程終了したので、テン場で打ち上げ。
Yがビール買いに行っている間に本気ブロッケン発生。
どのくらい本気かというと、そりゃあもうウォーズマンの体内でザ・ニンジャと戦ってるときのブロッケンJrくらい本気だった。写真とった。
帰ってきたYにブロッケン出現を伝えると、彼は黙ってビールを渡し、岩の上に仁王立ちしてブロッケン待ちの態勢をとった。
本気で待つ気のようだ。
どのくらい本気かというと、そりゃあもうウォーズマンの体内でアシュラマンと戦ってるときのテリーマンくらい本気だった。写真とった。
Yが「うお」とか「ああ」とか言ってるのを座椅子でビールのみながら聞いてたら、
「でたー」
の声。あんまり大騒ぎするから近くのパーティも集まってきて
「おおお3人分でてる!3ブロッケンだ」
「4いった4」
「5でたー」
傍観してたが、思わず6人目のブロッケンとして参戦する。ちゃんと虹のわっかに6人収まってた。写真とりゃよかった。
このあとまもなく日没。飯を済ませて就寝。
相変わらず強風はつづく。
3日目:2015/7/27(月)
3時起床。強風。星空。
真っ暗な中トイレにいく。静寂の中、ヘッドランプで用を足す。
トイレ小屋からでて扉をしめた直後、背後で扉の開く音がした。
トイレの中にいたとき人の気配なんてしなかったぞ。小走りでテントに戻った。
飯食って支度してると、テントの外が騒がしい。
俺とYのテントの間には、ソロテントが一張りある。昨日知り合った燕岳から表銀座を縦走してきたという女性のものだ。
そのテントをYが必死で抑えていた。折りからの強風で、槍沢側にいまにもふっとびそうな勢いだった。
Y「ちょ、バタバタこのテント抑えてて!バタバタバタ」
俺「あ?」
Y「バタ俺のテントも持ってかバタバタれる!バタバタバタ」
みるとYのテントも尋常じゃないバタつきっぷり。俺はテント確保を交代した。
家主はテントの中におり、中の荷物を外に運び出していた。あとから聞く所によると、ものすごい風が一発きて中で横になってた彼女ごとテントが浮きかけたとか。この騒動の時点でペグや張り綱はすべて抜けてしまっていた。稜線のテン場の怖さを認識させられた。
おもえば昨晩3人で山話をした際、彼女は言ってたのだ。
「ウルトラライトパッキングなかんじでやってます」
と。この見事な前フリ。超笑える。
でも無事でよかった。
やってるうちに日が昇り出発の5:00を迎える。
ウルトラライ子は槍沢を下って上高地に行くとのことだったので、
「アルペンホテルでクラフトビールまつりやってますよ」
とすてき情報を提供する。登山屋の情報共有ってかんじでいいですね。
この日は大キレットを南下して北穂登頂、涸沢に下ってテントを貼る。
出発時は晴天だったが徐々にガスり始め、南岳に着く頃には雲の中にいた。
それでも岩は乾いており大キレット突入を決定。
長谷川ピーク、A沢コルあたりでは晴れ間も見えた。
渋滞もほぼなく順調に進んでいたが、まだ核心の飛騨泣きを通過してない。大キレット初挑戦のYには、「気ぬくな」「この後もっとすごいのくるからな」と言い続けた。
地形は稜線から斜面を巻く感じになってきた。
・・・巻道。
違和感を覚えてすれ違う人に聞いてみた。
我々「こんにちは。ちょっとお尋ねしますが、飛騨泣きってもうちょいですかね?」
青年「飛騨泣き?ここはもう北穂山荘直下。通り過ぎちゃってますよ?」
我々「・・・」
飛 騨 泣 き 恐 る る に 足 ら ず 。
だからもっとこまめに地図を・・・。
よってすぐに北穂山荘到着。そのまま北穂登頂。
ウルトラライ子は言っていた。
「北穂山頂から、槍ヶ岳から歩いてきた道を一望するとすごく感動する」
と。
俺は前回の北穂は悪天でこの展望を体験していなかったので楽しみにしてた。
そして北穂からの景色を見て思った。
「真っ白」
と。
槍ヶ岳どころか奥穂も前穂もガスってほぼ見えなかった。
でも山荘の味噌ラーメンが美味だったのでどうでもよかったです。3000mで芯の残ってないラーメンは偉大だ。
南稜から涸沢へおりる。この道は初めて通る。ヒザにくる道だった。Yはこのへんから結構弱気になっていた。涸沢小屋のおでんだけが彼のモチベーション(ヒザ)を支えていたのだろう。
なんとか涸沢小屋着。ビールとおでんともつ煮込みで乾杯。
テントは20〜30張りほどしかなく、雪の上にあるものも数張り。我々は迷わず無雪地帯を選択。槍ヶ岳のような強風はないが、涸沢カールの残雪を吹き降りる風が冷気を運んでくる。寒かった。ほんとに。
夜中には雨になった。
4日目:2015/7/28(火)
3:00起床。
例によってトイレに行くが、雪の上をヘッドライトで行くので怖かった。
待てるなら明るくなるのを待ちたいところだ。待てるなら。
朝をゆっくりめにして、6:00過ぎに出発。上高地へ下山するのみ。
小屋直下の長い雪渓がやや怖い。
雨具を着込んでいたが、すぐに日が差す。
横尾までは順調にすすむ。Yのヒザも機嫌がいい模様。
横尾につくころにはすっかり晴天だった。
ふたりとももうゴールの気分で着いた着いたとはしゃいでたが、ここから上高地への10kmがほんと辛かったことを書きおく。平地をなめてはいけない。
12時をまわって河童橋に到着。
アルペンホテルに直行、
風呂とクラフトビールまつり風呂とクラフトビールまつり風呂とクラフトビールまつり・・・
我々「こんにちは。ちょっとお尋ねしますが、クラフトビール祭りってやってますよね?」
フロント娘「あー。。。あれは土日だけで、次回は9月を予定しております。」
我々「今日は火曜・・・」
フロント娘「火曜ですね。」
・・・すまんウルトラライ子。嘘教えた。ほんと悪いと思ってるので、このレコが彼女の目に止まることを切に願う。
上高地の地ビールは通年販売してたのでこれで乾杯。沁みた。
ずさんな失敗は多かったが、まずは無事に終了ということで良しとしたい。
また、道中Yが分けてくれた柿ピーとパワーバーにはほんと助けられた。高カロリー万歳。あれなかったらほんとやばかった。
Yの日焼けからの早期回復を祈る。
Yよ、三十路の日焼けはダメージ残るぞ。
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