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今回の日記は非常に下らないので、お忙しい方はわざわざ読まれないことを強くお勧めします。
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知人から秋の味覚「クリ」を頂いた。
辛党の私はクリなど一向に食べないのだが、甘党のカミさんと息子は大喜びだ。
それよりも私はクリを見ると思い出す、どうしても忘れられない思い出があるのだった。
それは息子が3才の頃、親子三人、東京でアパート暮らしをしていた頃の話。
やはり秋になってクリを頂いたのだ。
で、カミさん、そのクリをザルに入れて枕元に置いたまま放置、そのままにして三人寝た。
その夜のことである。
深夜、私は何か小さな物音で目が覚めた。とても小さな音なのだが「ジー、ジー、ジジッ」という風に聞こえる。
「何の音だろう?」と耳を澄ます。紛れ込んできたコオロギとか虫の声だろうか。いや、鉄筋6階のこの部屋にいくら何でも秋の虫が上がってくるはずはない、ふとんの中でそんなことを考えた。
その間も「ジー、ジー、ジジッ」は断続的に聞こえている。空耳じゃないのだ。
私は電気もつけずにふとんから暗闇の中を音の聞こえる方に這い出していった。
そしてついに「ジー、ジー、ジジッ」の音が出ている源とおぼしきものにたどり着いた。
手探りしてみれば、それはクリを入れたザル!
耳を近づけてみれば、確かにクリの中から「ジー、ジー、ジジッ」が聞こえるではないか!
私は混乱した。クリからどうして音(声?)が出ているんだろう?。クリって昆虫じゃないよな・・・。確か「木の実=植物」だよ、うん・・・。
だが、クリから音が出ているのは確かなのだ。怖くてクリを掴み出してみることができない。
で、考えたあげく、「こりゃ、栗が鳴いてるに違いない。」という結論に達した。
「大発見『クリは夜中に鳴く!』。イギリスのNatureとかに発表したら大騒ぎになるぞ。なんせ、いままで誰もクリを枕元において寝たことなどないのだ。」
と思った。今思えば、トホホであるが・・・。
そこで私は隣に寝ていたカミさんを揺り起こし、クリを驚かせないように小声で言った。
「オイ、起きてみろ!。すごいぞ。栗が鳴いてるから、聞いてみろ!」と。
カミさん、何を言われているのかわからず、寝ぼけ眼で起き上がり、私に導かれるままクリの入ったザルに顔を近づけた。
そして、ザルの中から何かをつまみ出し、それを私に手渡しながら「バカッ!!」と一言いって寝てしまった。
私の手に押しつけられたのは、暗闇の中でもはっきりわかる、スイッチが入っていて電池が切れかかっているのだろう、時々モーターが「ジー、ジー、ジジッ」と動いている、それは息子のミニカーだった。
「そうか・・。そうだな、やっぱクリが鳴くわけないか。」
一瞬の大発見の興奮が泡と消え、敗北感と共に私はガックリと布団に倒れ込んだのだった。
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