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この時期、多くの人の目を引いているのはもちろんツクモグサだが、もう一つ「ヤツガタケキスミレ」とされた黄色いスミレの写真もいくつも見受けられた。
だが残念ながらそれらはみな「キバナノコマノツメ」であってヤツガタケキスミレではないようだ。
まあ、ネット検索してもキバナノコマノツメの写真をヤツガタケキスミレと称しているものも少なからずあるから無理もない。
では、この二つはどう見分けられるか?
まず咲いている場所が違う。ヤツガタケキスミレが咲くのは砂礫地だけだ。それも主に横岳から硫黄岳の間。キバナノコマノツメのように湿った草地のようなところには生えない。
台座ノ頭の横あたりにコマクサの咲く礫地がある。ヤツガタケキスミレの自生地もほぼ同じところ。
またヤツガタケキスミレは地下茎で横に伸びるという性質を持たず、従って「群生」にはならない。あちらこちらにポツリポツリと咲くだけ。その咲き方もコマクサにそっくりと言っていいだろう。
次に花弁だが、ヤツガタケキスミレは四つの花弁が反り返り、重なるようにくっついている。キバナノコマノツメも反り返っているが反りが甘く、花弁はわりと離ればなれだ。
そして前の方に一つだけ伸びる花弁。キバナノコマノツメは先がちょっと尖り気味なのに対してヤツガタケキスミレのそれは巾広で丸くてまるでシャモジのような形をしている。先は尖るどころか反対にへこんでハート型になっているものも多い。
そして葉の色つや。ヤツガタケキスミレは葉に細かい産毛のようなのが生えていてツヤはまるでない。その毛のせいで葉の色は遠目にかなり白っぽく見える。キバナノコマノツメの葉は緑濃くてつやつやだ。
さらに咲く時期。キバナノコマノツメは今6月が花盛りの時期だ。しかしヤツガタケキスミレはこれもコマクサとほぼ同じで盛りは7月に入ってから。
ヤツガタケキスミレは八ヶ岳にしか自生していない固有種。その点で北アルプスにも咲くツクモグサよりも珍しい花とも言える。咲く時期、場所も実に狭い範囲でなかなか目にできない。
7月にコマクサと一緒にぜひ硫黄岳周辺で本物に出会って堪能して下さい。
左写真)キバナノコマノツメ。葉の色に注目。
中写真)砂礫地に咲くヤツガタケキスミレ
右写真)ヤツガタケキスミレを横から見ると上の花弁がかなり反り返っている。
こんにちはー!
勉強になりましたー!
たぶん私が撮ったのもヤツガタケスミレではなくてキバナノコマノツメだと思われます。
一応ネットで調べてみたんですけど、区別がわかりづらくて。。。
八ヶ岳だったのでそうなのかな?と安易に思ってしまいました。
修正したいと思います!
コメント感謝いたします。
そうですね。私も念のためにネットであちこちと調べ直したのですが、「ヤツガタケキスミレ」を解説しているページにキバナノコマノツメの写真が貼ってあったりで、こりゃ大混乱だぁと思いました。
そういうのを他の方々もまた参考にしていくのですからこれは雪道のトレースミスの踏み跡みたいなものですね。
上に掲げた写真を見て頂けば一目瞭然ですが、ヤツガタケキスミレの周りはゴロゴロの小石だらけ。キバナノ〜とは全然咲く環境が違うようです。
一度本物を見て頂くと他の特徴もすごく納得していただけるかと。ぜひご自身の目でお確かめ下さい。
おはようございます
いつもお世話になってます、この度もいろいろ情報をありがとうございました。
>7月にコマクサと一緒にぜひ硫黄岳周辺で本物に出会って堪能して下さい
ふふふ・・pasocomさんのお誘いとあれば、ここは行かねばなるまい
わたし・・花は似合わないですよね
花より団子・・ですね(大笑
でも、観に行きますね
硫黄かぁ〜了解です・・なんたら温泉でも行きますかね(笑 大雑把でごめんなさい
でわでわ
いつもありがとうございます。
いまごろはあちらこちらのレコにコメント入れたりご自身のレコにレスを書いたり大忙しじゃありませんか?
私も今朝からやっと皆さんの赤岳コラボ全部?拝見し終わったばかり。まだ他の方の膨大な!八ヶ岳レコまで目が届いていません。この土日は本当に沢山の方が登っていたんですね。
uedaさんには以前にも申し上げましたが、八ヶ岳のお花畑を一度体験すると高山植物にも絶対に興味が湧くと思いますよ。
キスミレに限らず一度ご体験を。
pasocomさん、おはようございます。
私は直近のヤマノートでキバナノコマノツメを山の花100に入れてタカネスミレと区別しました。pasocomさんのこの日記の影響でタカネスミレは砂礫地いわゆるコマクサと同じ環境が好きで、キバナノコマノツメは水分を含む場所が好きだと書かせてもらいました。こっちの方が現実的には区別できそうですから。
しかしながら、恥ずかしながら私はヤツガタケキスミレを今まで知りませんでした。pasocomさんの記載内容だとこれはタカネスミレと同じ感じですね。タカネスミレの八ヶ岳の固有種ということですかね?
ただ、タカネスミレとヤツガタケキスミレの区別はたぶん私には出来ないので八ヶ岳であればヤツガタケキスミレということになりそうです。
とても勉強になりました。良い日記をありがとうございました。
葉っぱの違いあたりをもう少し調べたいですが歯医者さんの予約があるので後日にさせていただきます
いつも有用な情報をありがとうございます。
murrenさんはすでに「山ノート 山の花100」なんてのをお作りになっていたのですね。今度拝見させていただきます。
実はご指摘の通りで、ヤツガタケキスミレはタカネスミレの亜種で、しかも八ヶ岳にしか見られない「固有種」なんだそうです。
タカネスミレはキバナノコマノツメが高山の砂礫地などに進出したものだそうなので、もともとキバナノ〜のような低緑地に生えるものとは生育地が違うわけです。
ただ普通のタカネスミレの葉は無毛で光沢があるのでヤツガダケキスミレと見分けが付くようです。
歯医者さんから帰ってきました。
なるほど、タカネスミレとヤツガタケキスミレはコマクサのような砂礫地に咲いていて、ヤツガタケキスミレには葉っぱに毛がありタカネスミレにはないということですね。しかも八ヶ岳に咲いているということですから、その時期の硫黄付近で見た場合は確実にヤツガタケキスミレであって、おそらくは八ヶ岳にはタカネスミレはなさそうですね。とても分かりやすい説明をありがとうございました。
治療が順調に済んだようでなによりでした。歯医者ってのはいくつになっても嫌なものですからね(^^)
再度、murrenさんが書いて下さったようでおそらくまったく間違いありません。
しかも葉っぱのツヤを確認するのは簡単なことですから、硫黄岳周辺でなくてもともかく現場で一目見れば判別できるんじゃないでしょうか。
「八ヶ岳にはタカネスミレはなさそう」はわかりません(^^)
pasocomさん。
全くその通りでございます。
私が言うことは何もございません。
これをみて。
あー!そうだったのか!
と思った人が大勢いるでしょうね。
この間の日曜日はツクモグサ日和だったようです(涙)
コメントありがとうございます。
私も偉そうに書いていますが、実は逆に「キバナノコマノツメ」は最近ようやく見覚えられたくらいで・・・、それまでは単に「キスミレ」、どうせ「オヤマノキスミレ」とかだろうとよく調べもしなかったレベルなのでした。
しかし、その写真を眺めると、どうも知っている方の「ヤツガタケキスミレ」の姿とはかなり違う。珍しい方を先に見覚えていたのが幸いで簡単に区別が付いたのでした。
今回、数個のレコ写真で「ヤツガタケキスミレ」が目についた時には放っておけばいいことと思っていたのですが、その後も間違い写真をいくつも見掛けてしまったので、これは放っておくと益々間違いが増殖するばかり、と日記にしたような次第です。
現物に出会えば見分けは案外簡単ですから多くの方がこれを知って、現場で「ああ、これがかのヤツガタケキスミレか。」と思っていただければいいなあ、と思っています。
分かりやすい解説ありがとうございます。
実は私も行っていました。またまたカメレコ(笑)
レコ書こうとしたら目についてしまったので寄り道。この季節黄色いスミレは行者小屋と赤岳鉱泉の下でした。もちろんキバナコマノツメでした。
キスミレも見に行きたくなりますね。
わがままなお願いですが機会があればヤツガタケタンポポも日記にいかがでしょうか?
そうですか、快晴の日曜日ですからね。主目的はツクモグサでしょうか。
キスミレが咲いていたという赤岳鉱泉と行者小屋はどちらも同じような標高で約2200mほどですね。
ヤツガタケキスミレは高山に進出して亜種になったようで、咲くのはもっと標高が高い(森林限界以上の)ところだけだそうです。
ですから、その程度の標高に咲いていたらヤツガタケキスミレじゃないということ。
ヤツガタケタンポポについても書きたい気はするのですが、まず自分自身が「これだ!」というほど確信を持って見たことがない。2年前に行者小屋前で見たのがそうじゃないかとは思っているのですが、その時はガクの方を見るなどと言うテクニックは持っておらず確認できていません。
もし、この夏〜秋にかけて確信を持って断定できるようなのを見ることができたら、それを基にして書きたいと思います。あまり期待せずにお待ち下さい。
こんばんは♪
タブレットからではなく、パソコンで写真を見たくてコメント遅くなりました(^_^;)
ガーデニングに夢中になってた時期があり、普通の花の名前ならわかるけど、高山植物って全く知らなくて、レコや日記を読ませていただき、驚きました!見た事も聞いた事もない。なんてかわいいお花達ーーーー!
pasocomさんのレコや日記で少しずつ覚えていきたいです。
こんなお花達に出会ってみたい♪妄想するとうれしくて友達にもpasocomさんのレコ見て見て〜〜と紹介しました。
ちなみに、キバナノコマノツメ、どこで区切って読むのかもさえわかりません。覚えにくい名前ですね 笑
みなさん、詳しいみたいで、会話について行けませんが
どしろうとのコメントしててもお許しを。。。(^_^;)
ご訪問とコメントありがとうございます。
高山植物、確かに里のものや園芸の品種のものとはラインアップが全然違いますね。私も庭に咲くような花なら少し知ってはいたのですが、山の花は山それも八ヶ岳に登るようになって初めて知ったものです。
私のレコを紹介としていただいたとか。ありがとうございます。「クモイコザクラ」のレコでしょうか。
「こんなお花達に出会ってみたい♪」という気持ちを持っていればそのうちado-yoさんもどこかで会えますよ。山に登った時は足元にも注目を(^^)
「キバナノコマノツメ」は「黄花の駒の爪」だと思います。黄色い花で形が馬の爪(ひづめ)のようだということでしょうか。ですから読む時は「キバナノ−コマノ−ツメ」ですかね(^^)
この花はスミレの中でも唯一「スミレ」という言葉が入っていない珍しい名だそうです。
今晩は、pasocom様
高山植物の同定アドバイス楽しいですね。
昭和60年8月5日第一印刷発行の
「八ヶ岳の花」永田芳男著 文化出版局が
私のバイブルです。
そこの一文に
タカネスミレに似ているが、
葉に光沢がなく、葉の表面の葉脈にそって
毛が生える。…と記されています。
まぁ、めったに見られない希少種だと
インプットしている次第です。
今年はこちらのアップのために
硫黄へ行ってみますね。
なぞ?私もヤツガタケキスミレと認識していたのですが
この本にはヤツガタケスミレと表記されているだけで
「キ」の文字が省かれているのです。これって脱字かな?
ちなみに以前の私のレコでヤツガタケスミレが写っていたのは
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-122868.html
鑑定してください?
コメント感謝です。
名前はやっぱり「ヤツガタケキスミレ」でしょうね。「ヤツガタケスミレ」というのはネット上でもほとんど出てきませんし、一部あったものは写真がキバナノコマノツメだったりでした。
「八ヶ岳黄菫」と漢字表記のページもありました。
aonuma1000さんが2011年に写された花は確かにヤツガタケキスミレと見えます。葉色はやや濃く写っていますが、砂礫地に咲き(竜頭峰のやや南ですかね)、前の花弁が巾広で丸いのが何と言っても一番の見分けになります。
7月半ばという時期も一致しますね。
aonuma1000さんは確か佐久にお住まいでしたか。だとすると杣添尾根は地元になりますね。
私も杣添尾根は静かで大好きなルートです。時々はあそこから横岳に登りたい。
ヤツガタケキスミレやコマクサは奥の院の先、台座ノ頭あたりに自生しますからぜひaonumaさんもお確かめ下さい。
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