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「なぜあんなところでルートミス・・?」と、そのことが頭から離れず考えていたのだが意外にもちょっとした「教訓」があるようなので書いてみようと思う。
横岳峠方面から鋸岳に向かう登山道は「三角点ピーク」のすぐそばまでは北東向き。ピークのすぐそばで方向を南東に変えている。
三角点ピークは登山道からは30〜40m離れた「盲腸ピーク」だということは事前に理解していたのだが・・・。
(上の地図参照)
横岳峠方面から登ってくると写真のように赤ペイントされた石に行き当たる。これによると道は「左折」するように受け取れる。これが頭を混乱させた。ここに至って「左折」するような道があるはずがない。しかしペイントは明らかにそう指示している。
後になって見れば、このペイント表示の間違いが不幸の元だった。
ここでまずはペイントに従って左の方に進んで見た。やや上り傾斜はすぐに平坦になった。いかにもピークだが狭いピークのどこにも三角点は見当たらない。同じ所を二、三度行き来してみたがない。
「ここはいったいどこだろう?」頭がさらに混乱する。
この辺から判断力が低下したらしい。うろうろしたせいか方向感覚も失い、これがミスに繋がった。
「メインルートは右折のはずだ。」と考えた私の目の前に赤テープが現れたので飛びついてしまった。その先の道は右の方に曲がっている。その道を進んでみるとどんどん下降していく。赤テープは随所にある。
(上の地図の破線部分)
しかし5分ほど進んで見たところで違和感が感じられた。鋸岳に向かうルートにしては少々うらぶれすぎている感じ。
はっと思った。ルートミスは大抵下りで起きる。相当下ってからミスに気づいて登り返すのは精神的にもつらい。
立ち止まって磁石を確認。磁石はMont-bellの気温計と一体になっている簡易なものをリュックの肩ベルトからぶら下げているのだ。
すると進行しているのはほぼ真北!。思わず天を仰いで見るもガスが濃くて太陽が全然見えないのだった。これも偶然の不幸。
そこでSUNNTOの腕時計をコンパスモードにして見るとやはり同じだ。「N-360」真北を示している。
どうも自分がとんでもない所に入り込んでいるらしいことに身震いしそうだった。
こういうときはとにかく「はっきり確認できたポイントまで戻る。」のが鉄則。上り道を引き返して例の「赤ペイント石」まで戻った。
石をしげしげと眺め直してみるが、わからない。
「ここはおそらく三角点ピーク。だとしたら石は指示していないが、ここを右折するはずだが・・・」と見れば確かに右の方にも道があった。だが磁石を当ててみると方向は真東くらいだ。
で、おそるおそる少しだけ進んで見ると道が徐々に右に曲がって南東方向に向かっているのだった。
「これだ!」。この時のほっとしたことといったら。
帰宅してからnori3さんの鋸岳レコを見てみると、三角点は草むらの陰みたいなところにひそんでいたらしい。これも偶然の不幸だ。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-213568.html
のShot18番。
また、私が進んでしまった道は「編笠山」というピークに向かう道のようだった。
こうしてみると実にあれやこれやの「不幸」が積み重なって起きたミスだということがわかる。
この分岐点周辺だけ妙に高木に囲まれ、周囲が見渡せない状況だったのも不幸な偶然のひとつ。
しかし、偶然というのはそういうものだ。そしてこんな小さなミスも大きな事故も、同じように「考えられないような偶然の重なり」で起こるのだろう。
今回はミスルートの方に深入りする前に気が付いて幸いだった。もっと入り込んでいたら時間的にも精神的にも鋸岳山頂には行けなくなっていただろう。
方位磁石。やっぱりこれ大事。しかも歩きながらでも確認できるようにぶら下げておくのがいい。
SUUNTOも標高以外で役に立ったのは初めてだ。
そして「違和感」を感じられる嗅覚が役立った。まあこれはある種経験値かもしれないが、磨いていく必要があるだろう。
ささいなルートミス、こんな話が皆さんの役に立つことであるなら幸いだが・・・。
レコはこちら。「サプライズなお花畑!に出会った鋸岳」
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-497099.html
なるほど・・石に表示ですか・・信用しますよね
ただ、わたしはホームの武奈ヶ岳の沢筋の石の表示で山に行きはじめたころに、どえらい目に会いました(笑
石は転がるんですね(pasocom氏の場合は転がる要素はないでしょうが・・)
それ以来、石は○は信用しても→は信用しないことにしてます
夜間行動しているだけに、ガーミンの確認をしながら歩く癖がついてます
しかし、この矢印は、きっと鋸岳が難ルートゆえに一般登山者を誘導しているのでしょうかね??
ふふふ・・石を見に行ってみたくなりました
でわでわ
なるほど。「石は転がるもの」ですか。確かに。
こんな話は、そのうちGPS携帯が当たり前になれば『昔話』になってしまうんでしょうね。
ただ、あまり電子機械に頼ってしまうのは私としては人間の退化のような気がして面白くありませんが・・・。
いや、夜間歩行のuedaさんは使った方がいいですけどね。
この「赤ペイント石」のことは、いま考えてもまったく意味不明です。
どうして「盲腸ピーク」に向かう道を指示しているのか?なぜメインルート方向の道標がないのか?
まあ、この日記で私が言いたいのは、こういう情報に惑わされることがないようにしかるべきツール(ただの磁石!)を用意したり、自分の嗅覚を磨いて信じるべきだろういうことなのです。
石は転がる。立っている道標も回転する。登山道でもないところにも赤テープはある。地理院の道も正しい訳じゃない。
そういうことを知っておく必要がありますね。
おはようございます。
道に迷ったら戻ることは本当に鉄則中の鉄則ですね。
それまでの踏み跡のリズムや雰囲気が違って違和感を感じて気付くことが多いですが、小ピークを通過すると違和感に気付きにくい場合があります。つまり、ピークは道迷いが発生しやすいポイントとも言えるように思います。
実は先日のモンブラン登頂直後にホワイトアウトになり、すぐ下のコルで混乱していまいました。
GPSを見てもその辺りをグルグルすると自分の奇跡が重なってしまうので混乱を助長させてしまいました。この時にコンパスを使いましたが、コンパスの重要性を改めて思い知った次第です。
お久しぶりです。コメントありがとうございます。そろそろ日本の生活に慣れた頃でしょうか(^^)
「ピークは道迷いが発生しやすいポイント」ですか。なるほどです。
ピークの前後では山の斜面の向きが変わる。植生や日当たり具合、景色などが変わってしまって道の雰囲気が一気に変化することがありますね。
GPSもやはり使い方を誤ると役に立たないですね。厳寒の時に電池が働かなくなる可能性も高い。
やはり山では古典的なコンパスが役に立つようです。
こうなると、状況によってツールを使い分けるスキルも必要だと思いました。
御恐れながらお初におじゃまさせていただきます。
ワタクシ初級者でGPS妄信派だったのですが、先日Garminが数キロずれる事態に遭遇しまして、本当に迷いそうな時は地図コンパス、地形、道標、ふみ跡、など複数ソースで総合的に考えないといけないことを再認識しましたです。ハイ。
http://www.yamareco.com/modules/diary/45037-detail-77506
はじめまして。コメントありがとうございました。
日記のほう、さっそく拝見させていただきました。やはりGPSだけを盲信するのは危険ですね。
tatsucaさんが書かれていたように、GPSは谷底や濃い森の中では電波が入らず当てにならないこともありますね。
そもそもGPSとはアメリカの軍事目的衛星であって、その精度は時局によってアメリカが調整していると聞いたことがあります。ウクライナやイラクの情勢によって一時的に精度を下げられたのかも・・・・。
「複数ソースで総合的に考えないといけない」は、まさに私が言いたかったことです。
登山は初心者でも「登山心構え」は上級者とお見受けしました。
今後ともよろしくお願いいたします。
mmg コーナーでいつも拝見しています。コメントお初です。pasocom さん、こんにちは。
反対から来ても、間違え易いところのようです。自分は、それを知っていたので何の迷いもなく左折できましたが、真っ直ぐに踏跡がありますから、ピークに立つことを意識していると、行ってしまうでしょう。
GPS は、谷筋に入ると Lost が多くなります。ずれることも多いので、こまめにチェックすることで信憑性を上げるようにしています。地図コンパス+高度計があっても、ガスっていたり樹林が深いと、どうしようもないので、大した荷物にもならないので一通り持っているのが無難と感じています。前回は電池切れに泣きましたので、バックアップ電池も行程時間により必要と認識しました。
次は、鹿穴、くぐりたくなりませんか?
昨日/本日と息子が、川上村に鉱物採集にいっています。ガーネットを見つけるらしいです。
これからも、よろしくお願いいたします。
P.S.
地図表示可能な GPS なら、事前にコースを登録することでずれを認識できます。このとき、予定時間も計算して、仮想の相手をコース登録できる機種(Garmin Edge805 等)なら、計画と実行をリアルタイムに確認できるようになります。が、代わりに入れたコースが実際とずれていると、悩むことになりますが、こんなとき、他の方の生レコ GPS データは、非常に役に立ちます。
おや、はじめまして、でしたか。初めてな気がしません。
あらためてmisuzuさんのレコを拝読しました。去年のこのレコを私は見逃していたようです。
というか、これじゃ参考にならん!と思ったのかもしれません。超人的行程です。
かの「赤ペイント石」のところは私も当然帰路で通ったわけですが、その時の感じでは石のペイントはさほど目に入らず、迷うことなく左折しそうでした。
鋸岳側からは三角点ピークは比較的によく見える状況なのもあるでしょうね。横岳峠側からだと三角点ピークはほとんど目視できずに来てしまいます。
そういう状況ですから、なおのことあの赤ペイントの意味がわからない。今度行ったら別の目印を付けてやりたいところですが、そう気軽に何度も行きそうもありません・・・。
やはり電子機器はちょっといろいろ心配ですね。「大した荷物にもならないので一通り持っているのが無難」が正解でしょう。
ところで川上村で鉱物採集とは「甲武信鉱山(梓鉱山)」でしょうか。なつかしいです。
ガーネット(ざくろ石)よりも「ベスブ石」が狙い目ですが、収穫はいかがでしょうか。
鉱物採集は山に登り、バリルートの道を歩き、岩にも登ります。
息子さん、きっと山男になりますよ。ふふふ。
pasocom さん、今日は。 先日はお世話になりました。
ueda さんが面白い事をいっていますね。
石は転がる。ほんとにそうですよね。石だけではなく、道標だって倒れたり、違う方向を向いたり、ひどいのは、まるきり反対方向を向けたりしてるのがありますから、一応疑って掛った方がいいですよね。
そして、元に戻る。これに尽きると思います。
mesnerさん、こんにちは。コメント感謝します。
まさにuedaさんのおっしゃる通りですね。道標さえもとんでもない方向を向いていることがあります。
やはり最終的には自分の感覚を大事にすることでしょうか。
間違っているらしい、と思った時にどうするか?以前は勘を頼りに「こっちに行けば復帰できるんじゃないか?」というようなことをしていましたが、それで得をしたことはありません。
結局、確実なところまで戻る。これに尽きますね。
山では「急がば回れ」がとくに身に沁みます。
pasocomさんでも混乱されましたか、太陽出てれば惑わさらなかったかもしれないですね、コンパスで確認できるあたりさすがです。そういえは2011年07月17日(日)にはじめて行った時、三角点が見つからなくて同じ道を破線の樹林の下りたところまで(10分くらい)行ってしまいました。こちらは踏み跡やわらかくて登り返しがきつかったのを思い出しました。あんなところに地図にもない道に赤テープは不思議でした。どこに行く道なのでしょうかね。ちなみに三角点は分岐から20m位の左の藪の下でした。
岩のペンキは少し違和感を覚えたのました。もう、お気づきでしょうが、あの矢印は下が鋸。左が横岳峠です。
三角点方向の道は書かれていないので見方によっては間違いの原因になるのですね。
ありがとうございます。
そうか、nori3さんは2011年にも鋸岳に行かれているのですね。私がヤマレコに参加する以前なので見逃していました。
同じように編笠山方面に行ってしまわれたとは!やぱりあそこに赤テープは不思議ですねえ。
岩のペイントは、そう読むのですか!いやいや全然気付きませんでした。
すると向きが違う??
あの岩のペイントはほぼ横岳峠からの方を向いています。そっちから来た人にはこれじゃあわからないですね。
では、やはりuedaさんが言われたように石が転がって向きを変えてしまったのか?
あそこに「鋸岳→」の道標を追加したい気持ちです。
方向が違いますが、私も3年前ここでミスしました。
方向は逆で、甲斐駒からの下山途中、ここをマッスグ編笠方面へ。
詳細は省きますが、自位置を失う、というほぼ遭難につながるミスで、ここ10年以上したことのない、ミスでした。 編笠方面バリエーションで行く人は少ないので、踏跡が結構明瞭なのは間違えて踏み込む人が多いのでしょうね。
岩のマーキングは、間違っていますね(岩が回転したのでしょう)
ここは魔の三角点かもしれませんね
(自分のミスを棚に上げて、、、
コメントありがとうございました。
DIYさんもここで道迷いされたのですね。私と全く同じルートミスですね。
鋸岳方向からなら迷わないかと思った私が浅はかでした。
「岩が回転した」というのもにわかには信じがたい。あの岩、1トンくらいありそうですが・・・。
三角点ピークが「魔の三角点」とは!
あの石を元の向き?に変えるのも難しそうだし、やはりあそこにはもう一つ別の道標を設けるのが一番ですねえ。
これ読んで、誰かやってくれないでしょうか(^^)
>これ読んで、誰かやってくれないでしょうか
ふふふ・・
いやあ、荷物を増やしちゃ申し訳ない。
よほど余裕があったら、ということで(^^)
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