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「八嶽(やつがたけ)
小岳、三頭(みつがしら)岳、赤岳、箕蒙(みかぶり)岳、毛無岳、風三郎(かぜのさぶろう)岳、編笠山など八稜に分るるゆえにこの名あり。」
とあったのを読んで、以前の日記「調べてわかってきた「八ヶ岳」/甲斐叢記に書かれた八ヶ岳-1」に、
「箕蒙(みかぶり)岳」。これは現在の箕冠山(みかぶりやま)のことではなく、硫黄岳のことだろう。
他の情報で八ヶ岳には二つの箕冠岳があり、諏訪地方では現在の箕冠山のこと、佐久地方では硫黄岳のことを指す、と読んだ記憶がある。」
と書いたのだったが、その後山口耀久氏の著書『八ヶ岳挽歌』の中にも同じ見解が書かれているのを発見した。
いや、私が知っていた情報も同じ出所なのかもしれないけど。
「硫黄岳のことを南佐久の人々は箕冠山と呼んでいる。箕とは、それで穀類をふるって殻やごみを除く、ごく日常的な農具であって・・・。」
「箕冠山と言えば、反対側の諏訪側から西北面に残っている低い帯状の火口壁の跡が、・・・この山を箕冠山としているのだが、これは大きさといい山の姿といい、とても佐久側の箕冠山とは比べものにならない。」
というようにある。
山口氏は現在の箕冠山の方を「せいぜい箕冠山もどきというところ。」と大いにこき下ろしており、「硫黄岳の方こそ本物の箕冠山」とでも言いたげだ。
そして、この説を証明してくれるのが国土地理院の硫黄岳三角点だった。
硫黄岳の三角点は山頂から爆裂火口を反時計回りに巻いて400mほども行った先、ほとんど火口をはさんで山頂と反対側みたいな場所で、山頂よりも20mほども低いこともあってほとんど誰も訪れないところにひっそりとある。
その三等三角点は「標高;2741.90m。基準点名;箕冠(みかむり)」だ。
これこそ、この山が昔「箕冠岳」と呼ばれていた、なによりの証拠だろう。
この山の名がいつ「硫黄岳」に変わったのかは不明だ。
現在、硫黄岳山頂や爆裂火口の周辺では火山活動があるわけでもなく、山はその名には似合わないような平和でおだやかな姿をいつも見せてくれている。
「硫黄岳」らしさを感じられるのは東側山麓の「本沢温泉」付近だけだろうか。沢の横では硫黄臭が漂い、日本最高所と言われる露天風呂がある。(標高2150m)
一度入ってみたいと思っているがまだかなっていない。
写真左)本沢温泉露天風呂から見上げる硫黄岳の爆裂火口
写真中)佐久側から望む硫黄岳はいかにも箕を伏せたよう。
写真右)硫黄岳三角点「箕冠」の場所
おはようございます
2014年、昨年の五月に硫黄岳を訪ねました・・
雪とてさほどでない時期で爆裂火口を撮影してます
なるほど・・
>三等三角点は「標高;2741.90m。基準点名;箕冠(みかむり)」だ。
なんですね・・
ゆったりまったりで、お山を隅々まで歩けるような山行をしたいものですねぇ〜
ピークだけがお山の楽しみってのも味気ないものですね(汗
でわでわ
貧乏ヒマなしとは、よく言ったものです・・(笑
おはようございます。
世の中には三角点を訪問するのが趣味な方々も多いようですし、ヤマレコでも三角点にタッチする方も多いですね。
いまは測量もだいたいGPSでできてしまうので、三角点標柱の役目はほとんど無くなってしまったようです。
こうなってくると三角点標柱は一種の文化遺産ですね。昔の人が人力だけで何十kgもある標柱石を運び上げ、設置したことは「点の記」を見るまでもなく大変な苦労だったでしょう。
そのおかげで日本中津々浦々まで詳しい地図ができあがり、登山者もその恩恵にあずかったわけですね。
そう思うと三角点の上に座ったり足を載せたりできるものじゃありません。
ところで硫黄岳の三角点は山頂ではなくかなり東にかたよっていますが、私が思うには山頂では南に赤岳もあり、見通しが悪い。東に寄せると佐久側や奥秩父の方はむしろ見やすくなりますから、そんな場所を選んだんではないでしょうか。
三角点の場所がイコール山頂と思い込んでいる方もいるようですが、硫黄岳は三角点と山頂は別、という典型例ですね。
三角点てよく隣の山の名前とかついてたりするところがありますよね。いつも不思議の思っていました。。。。。
楽しみな『八ヶ岳シリーズ』!!
個人的には風三郎岳何所なのか、新しい見解、楽しみにしてます。
コメントありがとうございました。
「三角点てよく隣の山の名前とかついてたりする。」
というのは私は知りませんでした。それだとかなり混乱しそうですね。
あ、調べたらありますね。
甲武信岳(三宝山)のは「國師岳2」だし、木賊山のは「破風」です。
いや、すると硫黄岳のも別山の可能性も??
地理院の基準点サービスサイトに登録すると「点の記」が読めてもう少し情報が得られそうですが、まだやっていません。
「風の三郎岳」はさらに難しそうですね。ほとんど手がかりに出会えません。ご期待に添えるかどうか? いや期待せずにお待ち下さい。
おはようございます。
三角点に着目しただけでも、歴史的な名残りがあったりして興味深いです。
ただピークだけを目指して登り、ただ下りてくるだけじゃつまらないとは思いつつ・・・
中央道を松本方向へ向かい、北杜市に入ると八ヶ岳が見えてきますよね。見る方向によって様々な形が見えてきて飽きないです。
かつては(何年前だかわかりません)富士山以上の単独峰だったとかで、民話や伝説にも出ていると記憶してます。
山梨好きであり、「信玄にゃん」とともに山行し、「あばれほうとう」を常に在庫しているダン之助でした。
おはようございます。
八ヶ岳が富士山以上の山だったという八ヶ岳伝説がありますね。
「昔は富士山よりも八ヶ岳(しかも権現岳らしい)の方が高かった。しかし背比べして負けた富士の女神は大いに悔しがって八ヶ岳の頭をめった打ち(^^)。八ヶ岳はボコボコになってしまったんだとか。」
http://www.minwa.jp/minwa/koushinetsu/yamanashi/yamanashinodensetsu.php
山梨好きとは嬉しい限りです。「あばれほうとう」とは「はくばく」製品ですね(^^)
山梨県外でも入手できるとは。
でも、この時期の温かいほうとうは実においしいですよね。
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