しかし、山岳会などに属していない私は「滑落停止訓練」などできるわけもなく、なんとなく「お守り」みたいに持って歩いているのが実情だ。
しかし「飾りじゃないのよ〜♪」じゃないが、使い方は知っておくべきだと思い、あれこれネットを検索した。
ピッケルの持ち方についてはおおむね「ピックを後ろ向きに持つ。」「滑落したらうつ伏せになり、アイゼンが引っかからないように足を上げ、雪面にピッケルを打ち込む。」というのがどのサイトにも書いてあることだった。
しかし、これはなんだか変じゃないか。うつ伏せになってピッケルを打ち込むならピックは前方を向いていた方が良さそうだ。
それに、滑落中に姿勢を変えることに時間がかかればその間に速度が上がり、ますます停止しにくくなるんじゃないだろうか?と思っていた。
まあ、私の山行では滑落などという心配をする場面はそうはなく、ピッケルは雪山での杖代わりに使う程度。それでも私は自己流でピックは常に前向きに持つようにしていたのだった。
このことはずっと疑問に思いながら過ごしてきたのだけど、昨年暮れにainakarenさんの日記「朱色の滑落痕」に行き当たり、その中の記述を読んで、すっかり疑問が解消したのだった。
それは2011年、もう3年以上前の日記なのだが、その時にすでに「半世紀以上前の話」だ。
富士山で滑落した方の救助に当たられたainakarenさんの教訓として書かれている。
http://www.yamareco.com/modules/diary/8042-detail-29199
この中にはかねて私が疑問に思っていたことの回答がすべて盛り込まれているようだ。
「ピックが後ろを向くように持つ。」は、必ずしもそうとは言えない。
下りでは後ろ向きの人も居た。とは、仰向けに倒れたときにすぐさま後ろ向きのピックを打ち込むためだろう。
体を回転させてうつ伏せに変えるよりも、滑落速度が上がらないうちに制動する方が大事だと言うことだ。
「転倒した瞬間に、(加速しないうちに!)倒れざまに身を処してピッケルのピックを雪面に打ち込まねばならない。」はそういうことだと思う。
1950年代まではなぜピッケルはピックを後ろ向きに持つものだ、とされてきたのだろう。
そしてなぜ未だにその説明が継承されて来ているのか?
冬山の経験などあまりない私でも、ainakarenさんの説明の方がずっと納得しやすい「合理的」な理論に思える。
「定説」にとらわれず、経験や自身の頭で考えて行動する。これ山行の鉄則と思うが、ピッケルの使用法についても言えることのように感じたのだった。
おはようございます
滑落停止動作は、ヤバイと思う現場で意識しておかないと絶対に初動動作に入れないですね。
雪のギボシのトラバースは、pasocom氏も覚えておいででしょう?
あの場面では滑落停止動作を取れたとしても・・無理でしょうね
となると「滑落停止」よりも「滑落防止」に最大限気をつけないとダメですね。
ピッケルを山側にしっかりと差す。次の足の運びをしっかりと出した上で、足の下の雪を踏みしめ間違いなく踏み込めることを確認しての体重移動となりますね。
わたしも幾度か滑落状態を経験してますがそのほとんどがピッケルを雪面で飛ばされて、肩がけしたバンドが、ピッケルを飛ばしてきて冷や汗をかいたことがあります。
滑落停止に失敗したときにはピッケルは雪面にはじかれます。これでピッケルから手を離すと、バンドが伸びてピッケルが襲ってきます。これが一番の恐怖でしたね。(顔をかすめました)
雪面に突き刺す動作は確実に、絶対にピッケルを離さない!!ピッケルが凶器になりますのでくれぐれもご用心を。
確実な動作は山岳会等で学んでください(汗
失敗すればどうなるかは、経験談でお話できます
ともあれ滑落しない(滑落防止)に気をつけるのが一番ですね。
でわでわ
早朝よりの書き込みありがとうございます。
「ギボシのトラバース」。私が本当に怖い思いをし、ピッケルを頼りにしたのは唯一あの山行だけでした。あの斜面では滑落停止は不可能なんですかね。なにせ経験不足なもので(^^)
ただ、あの時は転んだら終わりか?という感じは持ちました。
ピッケルと体の間をどうするか?これも考え出すとキリがない難問のようです。
uedaさんがおっしゃるようにもしもピッケルを手放したらピッケルが襲ってくる、ということは想像に難くないですね。
また、万一雪崩に巻き込まれたとき肩掛けベルトだとピッケルが「碇(いかり)」になって脱出できないとネットで読みました。確かにあの形は碇そのものですね。
このことも含めて、むしろいざという時はピッケルと泣き別れになった方が安全なんじゃないか、と私は思っていますので、肩掛けベルトではなく手持ちベルトにしています。もちろん滑落時は絶対にピッケルから手を離さないことですが。
ainakaさんも最後に書かれているとおり、そもそも転倒しないということが大事ですね。
pasocomさん、おはようございます。
ピッケルの持ち方・・・何十年ぶりかで山登りの世界に復帰して、冬山で上りにピックを前向きに持つ人が多くってびっくりしました。
私は山岳部時代、やはりピックを後ろ向きに持つのがスタンダードで、前向きに持つのは急な斜面に限られる(つまりスリップ(足がずるっと行く程度の)したらそのままピックを斜面に突き刺せるくらいの急傾斜)と教わりました。そもそもそれくらいの急傾斜では、滑落したら終わりなんですね。。。
そして冬山合宿では、ピッケルストップを半日かけて徹底的に練習したものです。
「スリップした時に、落ち着いて体制を立て直ししては遅い!転けた瞬間に、どんな姿勢からでも直ちにピックを突き刺せるように」と、フラフラになるまでやらされました。登りで後ろ向きや横向きに倒れた時、降りで前向きに倒れた時など、ありとあらゆるスリップ・転倒の状況から直ちに滑落停止体制をとることを体に叩き込んだというのが実感です。おかげで、条件反射でできるようになりました。
今、そんなに急傾斜でもないのにピックを前向きに向けて登ってる人を見ると不安を感じます。もしあれで転倒したら、滑落停止ができないんじゃないかと危惧するからです。
なので私は今でも、大抵の場合ピックは後ろ向きに持っています。
ちなみに「うつ伏せになってピッケルを打ち込むなら」歩くときはピックは後ろ向きに持たないとダメですよ。ピックを打ち込む時はちょうどつり革を持ってる時のような体制になるので、前向きに持ってると持ち替えなくてはなりません。
お二人ともコメントありがとうございました。
ベテランお二人のご意見はほとんど同じのようですので、失礼ながらまとめてご返事をさせていただきます。
まず、理解できたことは「ある程度以上の斜度で滑落し始めたらピッケルでも止まらない。」ということですね。そういう斜面では「転倒しない」ということ以外に対策はないと。
次に転倒時の体勢ですが、私は上りで転倒すれば前のめり、下りで転倒すると仰向け、というイメージでした。しかし風や他の登山者との接触などであらゆる体勢での転倒を考える必要があると言うことですね。ただそういう体勢で転倒するのは稀なような気もするのですが。
次にようやく分かってきたのはうつ伏せになってピックを突き立てる際には手首を返して胸の前で拝むようになるのでピックの向きが逆転するということでしょうか。
私は歩行時に持っている、そのままの形で打ち込めばいいものと思っていましたが・・・。
ただ、そのためには仰向けに転倒した場合に素速く体を回転させないとならないですね。
私には、それが案外時間がかかりそうな気がするのですが、この辺が訓練次第というところでしょうか。
murrenさんがおっしゃるように「頭でっかちに考えるのではなく、訓練で体にたたき込む」べきものなのでしょうか。
そもそも「滑落停止の技術を持たない者が滑落停止の技術を必要とするよう場所には行くべきでない。」
いや、耳が痛いです・・・・(^^)
往復のコメントはしないつもりでしたが、畳の上でもピッケルでの滑落停止の姿勢の訓練はできます。
うつぶせでその姿勢をとり、イメージですが、手を上げピッケルを上げててスピードをつけて斜面をすべるようなイメージのあとで、足を上げ、ピッケルで滑落停止の姿勢を作る練習をしてください。
滑落停止の技術が高ければ、止められる自信のある斜面をトラバースするときでも大胆な行動が逆に良いバランスとなり安全歩行につながります。
おっかなびっくりで歩行すると逆にバランスがくずれて滑りやすくなるものです。
ピッケルを素直に後ろ向きににぎった状態でそのまま胸の前にもってくれば、ピックが斜面に素直に突き刺さります。
これ、いま手にピッケルをもつだけでも出来ることですのでやってみてください。
どちらにしても、本日の内容の真髄だけでも講習会の半日くらいの内容です。
では、これで私は終わります。あと、クロスさんよろしく
再度のコメントありがとうございます。
「畳の上でもできる練習」は、まったく理解できます。
私もスキーでは、現地でなくても畳の上で脚の動き、腰の動きなどが練習できるんだと、初心者にやかましく言ったものでした(^^)
そしてまた「自信がつけばどんな斜面でも滑れるようになる。見ただけで滑れる自信がない斜面で滑ればきっと転倒する。」と言ったものです。
なるほど、どんなことでもこういう練習は同じなのかもしれません。
私もこれから畳の上でもがいてみようと思います。
murrenさんからこっちに振られたので、私も少しだけコメントを追加させていただきます
滑落停止でピッケルを打ち込んだときは、ピッケルの頭を右手で(右利きの場合?)、シャフトの下の方を左手で持つことになります。この時、しっかりと脇をしめて腹筋を使い、体重がピックにかかるようにしないといけません。少しでも脇があくと、そのままピッケルが体から離されてしまい、制動どころではなくなります。
滑落したときに、頭で色々考えている暇はありません。上のことを無意識・反射的に出来るようになるまで、徹底的に練習すべきだと思います。
再度のコメントありがとうございます。
私は、上りで前のめりに転倒した場合などにはピックが前を向いていればそのまま雪面に突き刺せるような気がするのです。もちろんこの時というのは「脇をしめて腹筋を使い、全体重を掛ける。」という段階の一瞬前ということになるでしょうか。
また仰向けに転倒した場合も、体を回転させてうつぶせになることよりもそのままピックを後ろざまに打ち込んだ方が速度制御になりそうな気がします。
私には、ainakarenさんが重視するのは「停止すること」ではなく「速度低下」させれば死ぬことはない、というように受け取れ、それで充分だと思えるのですが。
こんなことはmurrenさんのいう「頭でっかち」な思考であって、それよりも現場でやってみろということになるんでしょうか。
「どんなときでもこれでOK」という技術はなく、その場その場で最適な方法を用いればいいと思いますよ。ただし、必ずそれで滑落停止できるかどうかあらかじめ試してみること、充分に熟練しておくことが大切だと思います。
再三のコメントありがとうございます。
「滑落停止できるかどうかあらかじめ試してみること、充分に熟練しておくこと」、それが大切ですね。
ピックの向きが前なのか、後ろなのか。当然、それだけで問題が解決するわけはなく、どちらにしてもその技術を現場で実行できあければ意味がありません。
その実行は、ほんの一瞬の判断。それを誤れば命がないかもしれません。
やはり頭じゃなく体で覚えることが大事と言うことでしょうね。
ん〜、少し間違った考え方あるのでコメントしますね
>また仰向けに転倒した場合も、体を回転させてうつぶせになることよりもそのままピックを後ろざまに打ち込んだ方が速度制御になりそうな気がします。
↑この部分です。
仰向けに転倒して、その状態で少しでも早く止まろうとすると、アクセクしてしまい逆に時間がかかりスピードが付いてしまい手遅れになるケースが多いです。私はこうした考えに基づいたような事故現場を見たことがあります。命は無事でしたが怪我がありました。
こうした状態のイメージトレーニングの場合、止まることを優先ではなく、一瞬でも素早く「滑落停止の姿勢」をつくろうとする意識の方が大切と思います。
滑落停止の技術で止められるぐらいの傾斜の斜面なら、これくらいの時間差であれば止められます。へんなことをやっているとスピードが付いて手遅れになってしまいます。
滑落したらへんなことを考えずに一瞬でうつ伏せになり足を上げて滑落停止の姿勢で全体重をピックに乗せることが大切です。このスピーディーな動きは訓練していないと身に付きません。
また、うつぶせで足を上げないと本当にアイゼンが引っ掛かって大回転してしまいます。ゆるい傾斜でも大回転してしまうと何をやっても止まりません。大事故につながります。御臨終ということです。
お忙しい中、またものコメントありがとうございます。
もうこうなると、言うことを聞かないガキの世話を焼いているようなものですね。済みません。
転倒したら、とにかく滑落停止姿勢=「うつ伏せになり足を上げ、全体重をピックに乗せる。」ですね。
うむむ・・・・。
「へんなことを考えずに。」(^^)
どうも私はヘンなことを考えるクセがあるのでいけませんね。
「習うより慣れろ」とか。やはり体でやってみるしかないですね。
pasocomさん、こんにちは。
ん〜、ちょっと見過ごせないので立ち寄らせてもらいました。時間がないので往復のコメントは出来ませんが参考にしてください。クロスさんと同じ考えです。
私もヤマノートで「滑落停止のコツ」を書いていました。その中でピッケルの持ち方について書いております。
http://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=22
私は滑落停止訓練を受けたことのある初心者は登りも下りも常にピック側を後ろにした方がいいと指導しています。訓練を受けた者は登りに関しては落ちたらアウトの状態ならピックを前に持つのは有効です。下りでピックを前にする状況はほぼ完全にありえません。一方、訓練を受けていない者については触れておりませんが、滑落停止の技術を持たない者が滑落停止の技術を必要とするよう場所には行くべきでないというのが原則論です。
滑落しそうな場所では絶対に滑落してはいけません。これが大原則です。アイゼンを引っ掛けるような歩き方のクセがあれば日常生活の中でもそのクセを直す努力をしなければなりません。私も長年かかって右足のクセを直しました。
「次はピッケルを用いた滑落停止の講習だった。
まず講師が「この技術はそれほど重要ではない」と言い放った。つまり、ピッケルで止めることができる程度の傾斜面で転倒するようなやつは冬山に行く資格がない。また転んだら止めることができないと感じたら躊躇せずザイルを出せ、ということだった。」
↑これはある人の「文部省リーダー研修会について」の中の一文です。これは正しいイメージです。
滑落したらアウトの状態の場所では絶対に滑落してはなりません。
http://www.geocities.jp/chonai_yama/essay/leader.html
↑とても参考になる内容ですが、途中あたりにそのことが書いてあります。
その一方で、ピッケルで止められる場所のために我々は滑落停止の訓練をする訳です。
飛行機が墜落したらまず助かりませんが、万一海に不時着したらゴムボートを取り出す訓練のようなものです。万一のための訓練です。
そのためには、滑落停止の訓練は一度だけではなく何度も何度も繰り返さなくてなりません。私ですら昨年は5月の涸沢やスイスの山の雪面で滑落停止の訓練を何度もしています。pasocomさんもそういう訓練をされることを望みます。
ともあれ、多くの場合は、テカテカの氷でアイゼンの歯を研いでいない状態でスリップして滑落した場合に深刻な事故になります。
あるいは、落石や落氷をよけてバランスを崩したり、突風にやられる場合もあります。通行者とのすれ違いで荷物が当たって落とされる場合もあります。
それらの場合、調子よく倒れることとは限りません。背中から仰向けになって倒れていく場合も、頭から逆さまな状態で落ちていく場合も、そういう想定した訓練が必要です。
こうした訓練は頭の中でのイメージトレーニングでは体に身に付くものではありません。若い頃から何度も訓練をしなければなりません。いまからでも遅くはないので訓練してください。
ともあれ、 pasocomさんも気付かれたように、スピードがつく前に滑落を止めることが非常に大切です。そのためにピックを前にして登るケースが多いですが、ナイフエッジ状の比較的水平な雪の稜線を歩く場合ははピックを後ろにした方が有効です。それはコンマ秒以下の時間で滑落停止に入れるからです。つまり、登りでも状況によって持ち方を変えていくことになります。私は急斜面以外は常にピックを後ろ側にしています。
どちらにしても頭でっかちに考えるのではなくて、どんな訓練でも練習ができる状況ならすかさず練習や訓練をする意識はとても大切だと思います。私の過去の山行記録を昨夜少し調べてみましたが、ロープでの懸垂下降もやれる場所があれば時間が余計にかかりますが意識的にやっております。
雪山技術の中でグリセードは技術的に必要はありませんが、滑落停止やシリセードは必要だし実は危険をともなうことが多いので訓練を多くした方がいいと思います。
他人の日記に超長文で申し訳ありませんでした。
失礼しました。
pasocomさん、はじめまして。
もう35年くらい前ですが、私もainakarenさんが日記に書かれているのと同様な滑落痕を、富士山の7合目付近を下山中に見たことがあります。1月の6日か7日の事で、痕跡の色から見て数日前の正月中の事故だったのだと思います。
また、その数年後、私の友人は同じく富士山の8合目から6合5勺まで滑落し、御殿場の病院に担ぎ込まれ1月半ほど入院していた事もありました。
こうして見ると、滑落による事故はかなりの頻度で起こっているのではないかと思います。
ピッケルによる滑落停止は、よく練習したものです。しかし、どんなに練習しても、斜度や雪の状況によっては止める事ができない場合も多々あります。
冬の富士ではアイゼンが刺さらないような、ブラックアイスになっている所もありました。そういう所では転んだら何をやっても駄目でしょうね。
そういえば、仙丈ケ岳のカールで後輩に滑落停止の見本を見せようとしたら傾斜が強すぎて全然止まらず、カールの底くらいまで行ってしまったことがありました。
やはり転倒しないのが第一です。とは言え、何もしないとお終いになってしまうので、できる限り色々な条件で練習して、どの程度の傾斜で、どんな雪質ならば止められるかを把握しておく必要もあると思います。
ただ、安全に練習できて注文通りの条件の場所を見つけるのは容易でないのが問題です。
ちなみに、私が採用していた滑落停止方法は、ピックを後ろに持ち、転倒したら肘を曲げて脇の下の雪面にピックを突き立てて、反対側の手でシュピッツエを持ち上げるように半身になってピッケルに上半身の体重をかけ、両足を徐々に広げるという、いわゆるフランス式と言われていたものでした。
この方法は腕で加重を支えないので、腕力が弱くてもピックが刺さるし、重い荷物のときに有効でした。
はじめまして、コメント感謝いたします。
このお正月も富士山では二人の方が滑落しています。毎年冬になると聞くニュースになってしまっているのが残念です。
こんなことを話していても、 guchi999さんが書かれたように「斜度や雪の状態など」によって千差万別に対応が変わってくるんでしょうね。その辺は練習と経験しかないでしょうか。
「ピックを後ろに持ち、転倒したら肘を曲げて脇の下の雪面にピックを突き立てて、反対側の手でシュピッツエを持ち上げるように半身になってピッケルに上半身の体重をかけ・・」
これが正統な滑落停止動作ですね。
やはり仰向けからうつぶせになるのにはさほど時間はかからないということでしょうか。
うううむ、やってみるしかなさそうですねえ。
技術的な事なので誤解があるとまずいから、すこし補足させてください。
>やはり仰向けからうつぶせになる
私がやっていた方法ではうつ伏せにはなりません。
仰向けでピックを持った手を腋の方へ持って行き、雪面に刺してそれにのしかかるように半身になって体重を掛けます。
そうすると足は自然に開き気味になり横を向くので、軽く膝を曲げて開いて行きます。(足を前後に大きく開いて立ち、腰を落とすとこの形になります。)これでアイゼンのツァッケが引っかかって大回転するのを、ある程度は膝で吸収できます。
これは頭が上になって滑落しているのが前提で、頭を下にして落ちた場合は、どこでも良いから雪面にピック刺して何とか頭が上になるようにします。
うつ伏せで滑落した場合は、そのままピックを刺して足を上げる体勢をとった方が早いですね。
この手の事は文章で説明するのは難しいですが、要は、どんな体制でもいち早くピックを刺して制動を開始するということです。
どんな方式にせよ、とっさにその体勢を作れるようになるには、イメージトレーニングも含めて練習でしょうね。
ただ、練習場所を選ばないと、私が仙丈ケ岳のカールでやったような事になりますから気を付けてください。
練習中に滑落事故なんてのは洒落になりませんから。
再度のコメントありがとうございます。
実は滑落停止について調べていて、Youtube で訓練の動画もいくつか見つけました。
それらはおおむね仰向けに転倒し(その時すでにシャフトを握っていたりして・・・)、うつ伏せになりながらピックを突き立てているようでした。
本当にこういうことは口で説明してももどかしいばかりでしょうね。相手が自然なので、またいろんな状況があるわけで卓球の練習をするのとはわけが違いますね。
あらゆる状況に最適・有効な方法などないのかもしれません。
ただ皆さんのご指摘で「基本のキ」みたいなところは徐々に理解できてきた気がします。
ありがとうございました。
guchi999さんの方法は実は高度なシリセードで急斜面を迅速に下る方法でもあります。
私のコメントの中でシリセードの危険性を少しだけ触れましたが、シリセードを安易に考えるとスピードがつきすぎて事故が発生します。この事故結構多いのですね。
ですので、シリセードを下山手段に有効に安全に使うためにも滑落停止のバリエーションの訓練も必要です。
頑張ってください。
たびたびありがとうございます。
私はシリセードというのはしたことがありませんが、うまく滑れるようになれば下山スピードアップになるのでやってみたい気がしていました。
しかし富士山ででもないかぎり、普通の登山道は道巾狭く、曲がりくねっていますから、迂闊にやると曲がれずに樹木に激突ってことになりそうです。
uedaさんじゃありませんが、私がそんな速度でピッケル制動しようとしてもピッケルの一撃を食らうのが関の山です。
ともかく当面畳の上でおとなしく練習を積むことにしたいと思います。
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