どんな川も河口ではひとつにまとまる。そしてその流域の最高峰はひとつ。高い山はいくつかのウラオモテの流域の最高峰を兼ねている。だが流域最高峰は源流にあるとは限らない。「源流を、河口から最も遠いところ」とすると、信濃川ならその流域は犀川千曲川に渡り、流域最高峰は犀川源流部の穂高岳だが、源流は河口から最も遠い千曲川の金峰山か甲武信岳あたり。木曽川も流域最高峰は御嶽山でも源流は鉢盛山あたり、天竜川なら源流はどこだろうか、八ヶ岳赤岳あたりになるのかな。
源流最高峰を決めるには、源流部の場所と半径が決められなくてはならない。流域最高峰は、意外なこともあるけれど有名な山、源流最高峰は地味な無名峰の可能性があるけれど、川の始発点としての意味合いにふさわしい。犀川ほどの大支流ならば、河口がなくても源流最高峰が知りたいところ。
どこかに「源流最高峰」の定義や一覧などすでにあるのだろうか。
流水域分水嶺マップが必要だ。
こんなことを考えるのは川と山は表裏一体であり、人の住む世界は川の流域を堺に文化や歴史が成り立ってきて、伝統的には「郡」が集水域ごとに成立している。昭和中期以降に人工的な交通革命で経済流通の流れが変わるまでは。
川を辿って交流し、源流部の山を神と仰いだ。そういう意味で、列島の任意の場所での源流最高峰を並べてみたい気がする。
山国の信濃では他県への出口は北に犀川、千曲川をあわせた信濃川と、姫川。南に木曽川、天竜川の4つしかない。山梨県は富士川、多摩川、相模川の3つだけ。一方で海沿いでは支流もなく海に直接突撃する沢も多く、わずか数キロの流水域しかない川もある。北海道の長万部町東部では日本海との分水嶺が、太平洋から水平距離わずか200mほどのところだった。
富士山の水は富士川にほとんど流れない、というのも面白いと思った。大河の石狩川、十勝川、天塩川の源流最高峰は果たして名前の通りか?
こんばんは
日記、大変興味深く読ませてもらいました。
私もyoneyamaさんの思いに共感します。
今飲んでいるこの水は、どこが源流なんだろうと思いめぐらすことによっても、
今自分が、その源流近くの山の中にいるイメージが膨らみ、山への想いが増すばかりです。
奥秩父の甲武信岳は、信濃川、富士川、大東京を貫通する荒川という日本でも代表する3つの河川の源流として知られています。
あんな小さなピークが日本百名山に選ばれたのもその理由からですよね。
坂東太郎と呼ばれる利根川の源流も中ノ岳の南側にある大水上山という小さなピークで、
私はそのピークを通過するときに、儀式として担ぎ上げた水を最初の一滴として流した思い出があります。
東京の水道水として利用される多摩川の源流は、笠取山という山でその近くには水干と言われ、小祠が祀られています。私はその一滴を口に含もうと行ってみたのですが、枯れていて残念な思いをしました。
「流域地図」の作り方: 川から地球を考える (ちくまプリマー新書) という本に、自分の住所を川を辿って示すと面白いという話がありました。信濃川、犀川、女鳥羽川、湯川の中流部右岸、というように。都道府県市町村じゃなくて。
多摩川の源流部は山梨県で、しかも、最上流部笠取山山麓の一ノ瀬周辺だけがたしか笛吹市。これはその下流の「花魁落とし」と言われる峡谷部で通行困難だったため、一ノ瀬では甲府盆地からの出入りのほうが主で、下流部、小菅村、丹波山村はむしろ多摩郡のほうがつながっていましたね。トンネルを穿ったり、法面を工事したりのところはたいてい、古来の交流筋を変える工事になりますね。
大水上山、笠取山は比較的認知されている「源流の山」ですね。源流ピーク愛好家ですね。
源流の一覧、面白いテーマですね。恐らく作成しようとした先人が数多くいたかと。
ところがこれを調査し、まとめようとすると頓挫してしまったのではないかと思います。
各河川について調べるとその河川の源流はここだという情報はいくつも入手できるのですが、現在の考え方で再検討すると今、源流と言われている源流がそうでなくなる川があるようです。※1
話題の信濃川も支川犀川の長さが千曲川との分岐点〜甲武信岳より10kmほど長いという話※2もあり、それならば源流最高峰は槍ヶ岳、流域最高峰は奥穂高岳、と仲の良い話になるかもしれません。
その点、流域最高峰は比較的明確に求まりそうですね。
なんとなく他の流域との境界線となる分水界(分水嶺)上に存在すると思っていましたが、流域地図※3を眺めている内に、そうではない例もいくつか見かけました。
北岳(富士川流域)
全周囲が富士川流域(富士川-早川-野呂川)のため、他の河川流域との境界上にはないが、流域最高峰。
源流最高峰は釜無川で大きく回りこんだ鋸岳北西峰。
大雪山旭岳(石狩川流域)
源流最高峰は石狩岳とも五色岳とも。
岩手山(北上川流域)
源流最高峰は924.6mピーク N39.8103 E141.2594か。もしそうなら源流最高峰も分水界上にない河川流域例になる。
などなど他にもありそうです。
また、小ネタでは岩木山は鳴沢川と中村川、双方の流域最高峰で、この2河川の分水界上にありますが、河口が隣接しているので、少し海面が下がって河口で合流するようになったら上記例外の仲間入り、なんてのもあります。
※1理科年表・川の長さ
http://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/chigaku/chigaku_001.html
※2千曲川・犀川のすがた
http://www.hrr.mlit.go.jp/chikuma/gakushu/mirareru/imgs/bird001.pdf
※3ダムマップ
http://dammaps.jp/
[川と流域地図]をオーバーレイ表示させると本川支川の流域がエリア表示される
この場はいいですね。こんな話題で興味あるリンク先を教えていただき、興味深く拝見しました。ありがとうございます。やはり源流や、長さの決定には歴史的なそれぞれの事情があって簡単ではないのですね。
千曲川より犀川のほうが長いなんて、ウスウス知っていたけど、そうだったのか!私、犀川流域人なので、嬉しいです。ちなみに筑摩郡が犀川側で、千曲川沿いではないことを、昔から不思議に思っていました。何かの本で千曲川西股川の西がサイに変化したのでは?という説もありました。クマ川は全国球磨川、熊野川、阿武隈川と、どれもくねくねしているのが語源だそうですが、千曲川(犀川合流より上流部)はあまりくねくねしておらず、という話もどこかで読みました。
ダムマップの「川と流域地図」ありがとうございます。これを探しておりました。当分これを見てマイ発見が楽しめそう。そうなんですよ。大雪の主は旭岳というよりは、石狩岳なんです。石狩岳の初登記録なんかを見ていると、延々石狩川を遡行した先人の営みが羨ましかったです。
旭岳とか岩手山とか、あるいは富士山も、新しくて高い火山はそれまでの長い時間をかけた分水嶺と脈絡なく誕生するので、流域最高峰とは関係ない場所にデキてしまうってことでしょうか。北岳の周りって本当に特殊で、甲信国境でもないですね。
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