【ジャン】穂槍テン泊縦走【大切戸】


- GPS
- 30:55
- 距離
- 53.3km
- 登り
- 5,484m
- 下り
- 5,531m
コースタイム
- 山行
- 7:42
- 休憩
- 2:38
- 合計
- 10:20
- 山行
- 5:57
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 7:18
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 2:33
- 合計
- 11:08
- 山行
- 3:39
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 4:02
天候 | 1日目晴れ後薄曇り一切ガスが無かった。 2日目晴れのちガス、夕立 3日目晴れのちガス、夕立 4日目晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新穂高→平湯→松本→新宿 |
コース状況/ 危険箇所等 |
白出沢ルートは沢状地形でルート不明瞭箇所多数。基本的には右岸側?登りなら左側に張り付いて登ってくと外しづらい。 |
写真
感想
大学4年間の集大成的な山行として夏季ジャンダルム攻略及び厳冬期奥穂高攻略を画策。
新穂高→西穂→奥穂→下山の予定で組んでいたが、ソロテン泊攻略に不安が募り破棄。
入山予定2日前後輩が表銀座を縦走したいと話しており、北海道縦走や白馬縦走などで苦楽を共にした友人が双六に居ることが分かっていたためサプライズ的に中房→大天井→槍→双六を考えるもこちらも諸事情で断念。
翌日に入山を控え取ったルートが本ルート。奥穂からなら双六まで2泊で届く上、冬に見た槍も取れるし大キレットまで攻略できる。こっち周りの攻略は若干不安だと思ったが、妙義も行ったしいけるやろの精神で決行。
高気圧が支配する約束された好天に胸を高鳴らせてバスに乗るべく新宿に向かうと、同じく翌日から双六に入る友人と遭遇。サプライズのつもりが……なんて思いつつ、一緒に平湯まで。
1日目
平湯温泉で友人を見送ってから、自分の登山靴が無い事に気がつく。バスに置き忘れたぁ…となり終点で別のバスに載せ替えてもらって無事回収。ありがとうございました。
一本バスを遅らせ計45分ほど時間をロス。まぁしゃーないと割り切って入山!
熊注意の看板にビビって登山届を回収してた方と少し話させて貰いながら暫く歩く。
別れてからは念の為音楽を掛けながら見覚えのある林道を進む。
白出沢の登りはなかなか辛かったが、途中で水を汲めたし適宜休憩しながら強引に高度を上げる。
30分押しをなんとか巻き取りつつ15:00穂高山荘。テントも水を無料で汲んでいいとのことでありがたく頂き小休止。
取り敢えず奥穂へアタックするとして、ジャンダルム届きそうじゃね?とCTと日没時間をにらめっこ。
ジャンまで4箇所にマーカーを置き時間制限を付けてチャレンジしてみる事に。
奥穂に余裕を持って辿り着くとそこで群馬から来たと言う壮年紳士に写真を取って貰い、明日はこの人も大キレットを目指すと言う話を聞いて一緒に頑張りましょう!と声をかけつつ自分はさらに足を伸ばしバリエーションルートへ突入。流石に怖すぎるだろ……ウマノセ出てきたら多分行けねぇぞコレ…とか考えながらウマノセを攻略。やったわ😅なんて思いつつ最大難所をクリア出来たならとどんどん下降していく。
下界の友人には常に現在地を送りつつ、ジャン攻略を応援して貰い元気を得ながらトラバースルートへ。まずここでルーファイミスをして脆い崖に入り込んでしまう。その上調べ不足でジャンへの登攀ポイントが見つからず右往左往。下界の友人にも協力して貰いつつ、仕方ないと大きく足を動かしなんとかポイントを見つけて登攀開始。登って終えばさっくりと攻略完了。
天使撤去後だったが、誰も居ないジャンダルムはまさに至高。遥か昔に聞いて憧れを持った気がするその岩峰をソロで攻略できたことは非常に嬉しかった。
その後奥穂までは特に怖いと思うこと無くサクサク戻り、奥穂で下界の友人と通話をしながら30分ほど夕焼けを楽しんだ。
テントに降りてからご飯を食べたが疲労のせいで中々食べるのが大変で無理に捩じ込む様な形になった。チーズはカロリー取れるけど重い。
2日目
夕方以降天気が怪しいかもしれないため大キレット攻略を早めに終わらせたいと思っていたが、起きたら6時過ぎてたかな?10h行程はかなり身体に来ていた。
なんとか食事を済ませてまずは涸沢岳へ。そこから北穂を目指し下降開始。梯子やら鎖やら…冬季に通りたいと思っていたが絶対無理やろうなと思い直しつつ、雪の無い今はサクサク進む。
最低鞍部でマダムと少しお話し。昨日はジャン。今日は大キレット通って槍まで!と言ったら驚いてた。テント装備だからデカいしね。
北穂小屋までだからゆっくり休むのと涸沢カールを眺めるマダムを残し奥穂バンドなど難所を攻略していく。手袋を使うよりも素手の方が馴染むため途中から手袋はポケットに入れたまま歩く。
たまに白丸あるけどどう登るんや?みたいな壁に取り付いてみればすんなりいけると感動しつつ北穂山荘。ガスが出始めており若干怖かったが取り敢えず休憩とみかんの缶詰を頂く。美味しかった🧡
その後仰々しい装備を身に付けたツアー客を尻目に丸腰クソデカザックで大キレット方面へ向かう。最初の下りが若干ざれてて怖い。あと対向がめちゃくちゃ多くてそれも怖い。
ただ三点支持をしつつ適当に歩けば飛騨泣き手前まですんなりと。下の方から怖そうな声が聞こえるため少し待機してからすれ違い。
飛騨泣きの前泣きだなんて言ってたけど確かにここは怖かった。ただここから引き換えそうかと思ったって言うマダムの発言の方が怖かった。基本に忠実にとは言えここから戻れるのは強い。
その後もサクサク歩みを進め、A沢のコルで休憩。
氷壁の魚谷が死んだのはあの辺だろうか?と滝の方を見下ろす。ガスが深くきっとこんな日だったのかもな。そんな風に小説に思いを馳せながら長谷川ピークへ向け上昇開始。愉快なお兄様方にピークで追いついたため写真を撮って頂いて早めに降り始める。
ペースを上げつつ歩くが休憩が欲しくなり広い岩場で一本。愉快なお兄様方に抜かされてから自分も後を追う様に歩く。落としていいのは話だけ。滑っていいのは逆だけね!なんて楽しそうな様子を見て双六の友人に早く会いたくなった。やっぱソロは寂しいよ。
その後南岳でカロリー消費が激し過ぎるとご飯を食べようか迷ったが、大キレット槍穂縦走バッヂだけ購入しチョコを食べて暫しの休憩。
同じく大キレットを通ってきたお姉様や服飾の専門に通いザックを手作りしてきた!と言う強者にザックのサイズや重さ(20kg強)、双六まで回る行程を驚かれつつ見送られ先に出発。
雨が怖いとぐんぐん加速していき、予定より少し早めに槍山荘着。アタックもしようと考えながらテンバの申請中に一瞬眩暈。低血糖だなぁ……とシャーベットを買って吸ってからテント設営。ぐったり休んでたら手作り兄ちゃんが来て手を振って挨拶。
その後下界の友人に山荘着とアタック準備をすることを伝え、水を飲まなきゃと思いながら気絶。2時間ほど経ってから目覚めると電話やらメッセージやらがすごい来てた。心配かけてごめんね。
結局早めの晩御飯にして友人と少しLINEでおしゃべりをしてから寝落ち。翌朝も6時過ぎまでゆっくり休んでから朝ごはんを食べアタックへ。
3日目
冬もやろうとしてたライブカメラチャレンジをしようと盛り上がりつつサクサク登る。
穂先アタック、冬は自分以外居なかったため怖い理由が分からなかったが、怖がってる人たちは大抵スタンスが狭いか、風にビビって厚着して動きにくそうだった。梯子は横を持った方が面で支えられるから楽だし、鎖握るより岩の方が動かないから登りやすいのよね。
そんなこんなで良い写真を撮ってもらってからサクサク下山。ライブカメラも10分毎に撮ってそうと判ればジャストタイミングでハイチーズ!
満足なものが撮れたので双六へ向けいざ出発!西鎌は少し怖いかも…なんて言われたが、岩場の基準が2日間でだいぶイカれておりサクサク進めた。岩が中心の槍穂稜線から火山性の肌やお花が沢山ある裏銀座の方へ進むと全く別のタイプの美しさで感動しつつお昼前には双六着。
診療所に居るはずの友人に声を掛けたいが、居なかったらどうしようなんてウジウジしつつ取り敢えずケーキ食おう!とやってたら外に出てきた友人と出会え思ってたんと違う反応を見せられ、自分もなんかすかしてしまいつつ挨拶。
その後昼を奢って貰ったりしつつ下山するつもりだったが一泊しなよと言われて泊まることに。テント設営後せっかくなら双六行ってくれば?と言われ、なぜかそのまま鷲羽へアタック。途中蓮華に挨拶に行っていた診療所の他の面々をぶち抜きながら2時間掛からず鷲羽の山頂へ。
帰りも三俣蓮華、双六と取りつつ雷鳥たちと戯れながら2.5hほど?で帰還。しかし夕立に見舞われ慌ててテントに逃げ込み、挨拶はお預け。断続的に降り続く雨の中、一瞬弱まったタイミングで挨拶をしにお邪魔する。雷や大雨にびっくりしつつもいろんな話をさせて貰えてとても楽しかった。
その夜は非常に美しい星空。普段山でここまで遅くまで起きることはないから感動した。天文を学んでいたと言う雰囲気名医(?)の解説を聞いて暫くしてからテントに戻り就寝。
4日目
9時過ぎに出るつもりだったが思いの外天気が良かったため少し早めに発つことに。一晩数時間だけ話したみんなに挨拶をし記念写真を撮って貰ってから下山開始。7:30ごろ降り始めたかな?
11:15ごろ下山。新穂田BT上の温泉で汗を流し松本へ移動。牛角でたっぷりリカバリーしてから帰京しました!
例の如く感想(行程詳細)になりましたが。以下感想
大キレットとジャンダルム。どちらも難所としては有名ですが自分はあまり強く興味を惹かれていた訳ではありませんでした。
ただ冬季奥穂の情報収集をするうちに夏のうちに偵察することの大切さを感じせっかく行くならジャンダルムも通るか…と情報収集。しかしこちらは難所中の難所。どうにも攻略の兆しが見えず、さらに今までニコニコ(?)で厳冬の槍や富士に送り出してくれた双六に入っていた友人すらも難色を示し、そこでようやくソロ突破は難しいだろうと判断し中止。大キレットは先日先輩が通っていたこともありいけるだろう。と槍穂縦走に決定と言う流れがありました。
結果としてジャンダルムも攻略。美しい槍穂稜線を端から端まで楽しみ尽くし、さらに裏銀座の中心まで入り込むと言う自分でも驚くほどの無法な強さを見せた山行になったと思います。
この記録は恐らく殆どの方の参考にはなりません。ただ、山に魅入られ山に入り続けた男が天候に愛され、環境に恵まれた結果偶然達成出来たものだと思います。
いつも見守ってくれる下界の友人
なんだかんだ心配してくれる相棒
山の魅力を教えてくれた親友
山への登り方、挑戦の仕方、様々な名山を教えてくれた諸先輩方、同期、後輩たち。
そして難色示しつつもソロ山行を許してくれる両親に感謝。
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