その後、uedaさんが日記に「黒戸尾根・・・早月・合戦にならぶ急坂らしい。」と書かれた。
それを読んで、ああ、そういえばそもそも日本三大急登ってどこだっけ、と。
で、調べて見ると甲斐駒ヶ岳に登る黒戸尾根、谷川岳に登る西黒尾根、北アルプス烏帽子岳に登るブナ立尾根なのだという。
う〜む。早月尾根も合戦尾根も入っていないようだ。
さらに調べると「北アルプス三大急登」というのがあるらしい。それは烏帽子岳に登るブナ立尾根の他に剱岳に登る早月尾根、燕岳に登る合戦尾根だと。
してみるとuedaさんがおっしゃるのは「北アルプス三大急登」のことなのか?
で、ここに名前が挙がった5つのルートの断面図を書いてみた。まずルートだが、
1)黒戸尾根 尾白川(770)〜甲斐駒ヶ岳(2966)
2)ブナ立尾根 高瀬ダム(1250)〜烏帽子岳(2628)
3)西黒尾根 土合口(770)〜谷川岳(1977)
4)早月尾根 馬場島(740)〜剱岳(2999)
5)合戦尾根 中房温泉(1470)〜燕岳(2763)
としてヤマレコの山行計画でルートと断面を書いてみた。
こうしてみるとどのルートも「傾斜=斜度」は同じようなものだとわかる。ただ黒戸尾根は飛び抜けて水平距離が長く標高差も大きいようだ。
ここでそもそも・・、と考えてみる。「急登」とは単に斜度が大きいってことだろうか。そうじゃないだろう。
傾斜だけを比較すればロッククライミングみたいなルートの方がまず挙がりそうだ。
「三大急登」というのはただ急な登山道なのではなくやはり「つらい」という要素が大きいルートということじゃないか。
辛さということで考えてみるとやはり標高差が大きいことだ。そして同じ標高差なら水平距離が長い方が(従って斜度は緩い方が)むしろつらい気がする。
早月尾根は傾斜の線形は他のルートとほぼ同じでありながら、標高差があるので、そのままの傾斜でさらに3割ほど登っている。これはつらそうだ。
黒戸尾根は標高差・水平距離の両方でダントツに大きく、一見して規模が大きいことが窺える。
いろいろ調べて見たが、この「三大急登」の中になぜ富士山の登山道は入っていないのだろう?。
吉田ルートでも五合目からの標高差は2400m以上であり(追記;これは間違い。正しくは標高差1400mしかない。)、御殿場ルートはさらに、上に書いた各ルートよりも規模が大きい。富士山は他の山とは比較にならないということなのだろうか。
それとも初心者でも登れてしまう富士山には標高差などからはわからない「意外な簡単さ」が潜んでいるのか?
また、このグラフから見ると日本三大急登の「西黒尾根」「ブナ立尾根」よりも早月尾根、合戦尾根の方が標高差から言ってきついルートに思われる。
私自身がそれらのルートを歩いたことがないので実際どのようなコースなのかわからないが、「日本三大」の方には何か特別な「きついポイント」みたいな所があるのだろうか。
このグラフに私には馴染みの鳳凰三山・薬師岳に登る「中道ルート」も加えてみた。
中道は他のルートほど著名じゃないが、誰もが「ここを登りたくない」という急登。こうしてみると確かに急傾斜。標高差も約1400mほどで合戦尾根ルートとほぼ同じで同規模のルートだとわかる。
中道ルートはルートの途中にほとんど眺望がなく、また目印になるようなポイントもない。ひたすら単調な道を歩いても歩いても自分が登っているという実感が持てないところがつらいと言える。
結局「三大急登」と言っても、このような道の特性でつらさ、きつさの印象は左右されるのだろう。
実際に歩いてみないことには、このグラフだけではやはりそのルートのつらさ具合は推し量れないようなのだった。
な〜るほど。
辛さで量ると人それぞれで難しいすね。
標高自体が高いと空気が薄くてキツイけど、前夜泊の上登れば一泊とかならまた気持ちも違いますしね。
深夜に起きて登山口に辿り着いて上って下りて運転して帰って次の日仕事。これがつらい。
中道が挙がってるのが嬉しいです。鳳凰リトライコラボのときの中道が一番きつかったです〜。
少ないTA100の経験では杣添尾根と中道。
どっちも眺望がなくて、なんだかず〜っと「登ってる」って感じでした。
気分で変わっちゃう万年新人チームなんですねえ。
「急登=つらい」というのはそれは私の説ですが、案外説得力ありそうでしょ?
ただの「急傾斜」だけなら真教寺尾根や県界尾根の上半分なんて相当な急登ですが、距離が短いし、そして私のいう「展望」がある。つまり心理的につらくないのじゃないかと。
ここで中道を入れて見たのは、私自身が他の三大急登を歩いたことがないのでニュアンスがわからないからなのでした。知っている道ならどうだろうか?と。
mmgさんは合戦尾根もご存じですよね。グラフ上はほぼ同じ急登ですが、やはり心理的なつらさで中道が上ですかね。
杣添尾根と中道。どちらも展望がない樹林帯の中。これがつらいですね。
別に「新人チーム」だからじゃないと思うのです。私も先日の杣添尾根では上に三叉峰が見えてきたところでテンション上昇。その後は一気に駆け上がった感じでした。
これはやはり誰にでもあることじゃないでしょうか。真教寺尾根や県界尾根は意外と麓から赤岳が見えつつ登ることができる。だからきつくない。「急登」ルートと思えないんじゃないでしょうか。
こうしてみると、登山の「きつさ」というのは、意外と数値じゃなく心理に左右されているんじゃないかと思うのでした。
おはようございます
非常に面白いデーターですね
おっしゃっているルートのすべてを辿ったわけではないのでなんともいえないですが・・
個人的には足元の悪い白出沢が一番つらかったですね・・
あとは夜間登山の性質上、目の前の一歩をこなしていくうちに到着している感覚ですね
もちろん、天候、季節に左右されます
この日記を読んですごく面白いなぁって想いました
左脳で判断されるpasocomさんと右脳に支配されているわたしの感覚・・
それが鮮明でそこが、面白いです
わたしが実際の山行でつらいのは、下山のダラダラ坂ですね
槍平小屋から飛騨沢〜飛騨乗越・・これもねぇ〜実際に疲れるのは、そこまで来る新穂高〜槍平小屋をこなしているからでしょうね・・
実際の距離は、槍でも白出沢でも5Km前後かな?
そういう意味ではデーター通りが辛い順番なんでしょうね・・
でも、急坂と聞くと登ってもみたくなりますよね(笑
でわでわ
uedaさんは北アルプスは相当歩かれているでしょうから、経験者としてのコメントを頂けると思っていました。
一般に世の中で「三大ナントカ」といっているものは数ありますが、個々人ではそれ以外に「自分の三大・・」があることが多いですね。
日本三大急登も北ア三大急登も誰がいつ選定したのか知りませんが、必ずしも万人に通用するわけでもなし・・・。
しかも、こうしてみると「急登」の「急」は傾斜ではなく「つらさ」の方が要因じゃないか。そのつらさは個人個人で違うだろうし、ベンチがあるとか、展望があるとか、花が咲いているとか、ルートのちょっとした違いでかなり「つらさ」は変わってきそうです。
そう考えると「三大・・・」を選定したり、比較してみるのもなんだかあまり意味がないような気がしてきたのでした。
pasocomさん 初めまして<m(__)m>
今、「日本三大急登」で検索した所この日記がトップにあったんで訪問させて頂きました。
数字で事細かに分析されてるのと、それ以外の要素での分析、大変参考になりました!
読んでて面白かったです(^.^)
自分はこの中に載ってるコースは早月しか歩いた事ありません。なので今年は残りの二つを・・・
って思ってたんですが、こんなにあるんですね(^_^;)
皆さんおっしゃる 「山は逃げません!」
これを再度頭に入れて、行ける所からゆっくり歩いてみようと思います。
半年以上たってからのコメントなんで気にしないで下さいね(^_^;) ありがとうございました<m(__)m>
追記
まさか返信して頂けるとは
お気づき頂き ありがとうございました<m(__)m>
はじめまして。私のつたない日記にご訪問とコメントありがとうございました。
>「日本三大急登」で検索した所この日記がトップにあった。
とは光栄なことでした。
私が結論?したように「三大」と言っても、歩く人の気持ちなどで「きつさ」は変わるようですね。でも早月尾根は誰もがきついというようですから、そこを歩かれたことがあるなら他のルートもtouryouさんにとってはさほど驚くほどきついことはないでしょう。
これからは歩きやすくなる時期。
ぜひ、他のルートもお試し下さい。レコも期待しております。
これからもよろしくお願いいたします。
初めましてpasocomさん。山好きが高じて山梨県へ移住した合計年齢134歳の高齢者夫婦です。誰が言い出したか三大急登、調べていたらpasocomさんの分析に出会いました。なかなか面白い分析だと感心しました。私達夫婦も、山を登るたびに体力の衰えを痛感する最近、気になっていた三大急登を体験しておこうと思い立ち、何度も登った合戦尾根と昨年日帰り登山した黒戸尾根以外のブナタテ尾根を7月に、早月尾根を先週、そして西黒尾根を昨日登って来ました。pasocomが記載されているように、登山者が感じる登りの辛さが最大要素だと思います。また、登山道の良し悪しも大きな要素だと思いました。(5年前に、吉田口の浅間神社から8時間かけて登った富士山は標高差2926mとダントツですが、淡々と登れる山で急登とは感じませんでした。逆に5月に登った笊が岳は標高差約2120mですが悪路の急坂が連続する嫌な登山道でした。また、投稿のあった中道コースも杣添コースも嫌な登山道です。)私達の結論を申し上げますと、早月尾根がトップで黒戸尾根、西黒尾根、ブナタテ尾根、合戦尾根の順だと思いました。黒戸尾根は登山道が整備されており13年前に登った時よりも登りやすく感じました。長々と記載し申し訳ありませんでしたが、これからもpasocomさんの分析を楽しみにしております。
自分の経験では、黒戸尾根よりも老平からの笊ヶ岳の方がぜんぜんつらかったです。(どちらも日帰りで往復しました)
やはり笊ヶ岳はかなりマニアな山なので、日本三大急登は、知名度の高いメジャーな山の中から選ばれてるっていうことではないでしょうか?
そして富士山は、1号目から登ったら、間違いなく他のどんな山よりも長い急登ですが、やはりちょっと別格というか、別ジャンル的な扱いという気もしますね。
個人的に、次は早月尾根にチャレンジしたいです!
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