先日の山行で、2時間に一本の平湯発松本行きのバスに駆け込んだ際に、急いでパッキングしたので、20年あまり使っていたストックを林道終点に置いてきてしまった。数日後時間があったので片道1.5時間車を運転して見に行ったが既に無し。長さを調節できるタイプのブラックダイアモンドでしたが今生の別れになってしまった。
これ以前に使っていた長さの変わらないフツーのストックはまだ持っているので、特に新品を探すこともないのですが、それは手首につけるバンドが皮製で、いつかどこかの幕営地でキツネにかじられて、片方がちぎれ、グリップが歯型だらけになっています。どこだったかと記憶を辿ると、十勝連峰で、学生時代だった。
学生時代の前半には竹ストックを使っていた。その頃札幌の秀岳荘では普通に売っていて、部員の何割かは普通に買っていた。リングの部分が消耗してとれてしまったものがウチにある。久々に竹ストックを直してみたくなり、リングのスペアなども扱っていたと思い秀岳荘に電話すると、20年ほど前にやめました、とのこと。そりゃそうだよねえ。こっちも手首バンドは片方キツネにやられて無い。リング自作には革細工、籐細工の技が要りそうです。
竹ストックのよいところは、リングがデカいのでラッセルが助かります。また、リングがデカいのでその上に新雪を盛って、沢の水中に浸し、水を吸わせて、それを口元に運びチュウチュウ水を飲むという技が渡渉点などで楽にできます。
12,3年ほど前、長万部岳に登る時、家にストックを忘れて、長万部駅前に住んでいた知り合いの登山家にストック貸してくださいと連絡したら、上等のトンキン竹製の素晴らしくかっこよく長いやつを貸してくれました。黄褐色に輝き、グリップは皮革カバー、先端金属部も美しい造形で。さすが山スキー文化黄金期の人は違う。あんな高級品がほしいです。どこかの蔵に眠って居ると思うのだけど。
BDストック残念でした。
デカリングだけでも今や売ってないものですかね? 昔はあったと記憶するのですが。普通のストックのリングだとかなりもぐるし、この間乗鞍で水がチューチューできなかった。
リングも無いとのこと、元気な声の担当者が残念そうにおっしゃいました。やるなら自作ですね。
70年代、米山さんの、一回り前の世代で、ワンゲルや山岳部は竹ストックが多かったです。山岳部は、80年代でも、竹ストックがいたんですね。
70年代の前半、直径10〜12センチくらいの、金属製の大きめのリングが山スキー用に出始めてきて、私はこちらを使っていました。
でも、私のグループでも、まだ数人は、竹でした。
いまも竹製が現役とは、徹底してますね。
山岳部の1人と、ラッセルの途中げ出合い、同じ目的地に行くのに、助けてもらったことがありました。彼ももちろん、竹ストックだった。
縦走では、アプローチが終われば、荷物になるスキー板を放棄する場合もあるので、その分、縦走を通して、多目的に使う竹ストックは、余計に愛着が深まったのかなと思います。(板は置いても、竹ストックは放さない。)
そこにとどまらず、現在でも、竹ストックが最良というのは、米山さんならではの、到達点と思います。
初期の、ごく古い山スキーと竹ストックは、秀岳荘の店の壁からつり下げられて、たぶん、まだ展示されているように記憶しています。
秀岳荘のスキー板の方は、私は1970年代前半のものを、山道具を置く部屋にまだ保存しています。
カンダハーの締め具は、下駄を履いたように、足に力がしっかり伝わり、ラッセルに強力な力を発揮してくれました。
関連する日記
https://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-736
私の時代も、日高の林道終点まで丸一日ラッセル用にスキーを履いて、尾根が急になったところでバッケンを板から外して置き去りにしました。人と山のバランスが限りなく0対∞の環境だったから平気だった平和な習慣でした。ストックもある時谷間に落としてしまい、ちょっと拾いに行けず諦めた事がありましたが、竹だったから素材的に多少は気が休まりました。
今でもどうせほとんど人に会わない山域ばかりだから人目はまったく気になりませんね。
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