立山室堂から槍を目指して(五色ヶ原、薬師岳、雲ノ平、鷲羽岳)


- GPS
- 149:06
- 距離
- 62.9km
- 登り
- 4,583m
- 下り
- 5,760m
コースタイム
- 山行
- 11:46
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 12:03
- 山行
- 6:55
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 7:17
- 山行
- 11:09
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 11:33
- 山行
- 6:56
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 7:30
- 山行
- 3:46
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 4:06
- 山行
- 1:49
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 1:50
- 山行
- 4:20
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 4:21
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
予約できる山小屋 |
雷鳥沢ヒュッテ
|
写真
感想
8/19 晴れ 昼前より薄い雲が広がる
前日、雷鳥沢でテントを張るも早、秋の気配か、スリーシーズン用の寝袋ではけっこう寒い一夜でした。
テントを出ると、薄っすらと雲が筆で掃いたような空模様。秋の空のような、、、いや、まだ夏だ! 風はあまりなく山行日和。
予定より早く出発。室堂乗越付近までは昨夜地図でイメージしたようなルートだったものの、それから大日小屋までは想像よりも起伏があり登り始めの体には応えました。それでも雲ひとつかからない剱岳や遠くの槍穂までをもひたすら見ながら歩けるのは至福の時間です。
この日はテントや寝袋をテン場において荷物を軽くして歩いたものの、後半は息をあげながらの歩き。それでも明日からの縦走のいい足慣らしができたと前向きに。
8/20 晴れ時々曇り、午後一時雨
今日は五色ヶ原までの行程で時間的には楽なはずが、思った以上に応えました。フル装備で歩く初日だというのが効いていたのかな。浄土山では雷鳥を期待したものの、見つけることはできず。その先の龍王岳、鬼岳、獅子岳の通過は、もっと鬼岳の下部の岩がゴツゴツとした険悪な感じの道が続いていた記憶だったのと違って、ここは比較的スムーズに。獅子岳山頂では大学山岳部の合宿の4名と挨拶。リーダーの3年生は40kg以上はある荷を平然と担ぎ、1年生は同じよう荷を疲れ切った表情ながら、20kgのこちらより早いピッチでテン場でへと向かっていきました。五色ヶ原山荘に到着してまもなく、雨が降ったおかげで、虹が見られました。夕焼けはあいにくだったけれど、お風呂でサッパリ汗を流せたので、気持ちがリフレッシュ。ここの乾燥室は、発電機の温風を引いているので、汗でびしょ濡れだった衣類があっという間に乾いて大変助かります。今日まで小屋番として働いている友人に差し入れをして、今夜は布団で寝られます。
8/21
まだ暗い4時に出発。鳶山あたりでライトは不要になったけれど、ポツポツ雨が。黒雲が出ていたのでカッパを着るも、その後も2度ほどポツポツするほどで降られずに助かりました。スゴ乗越までのアップダウンは結構きつく、スゴ乗越小屋への登りではシャリバテの症状が、、、ヒィヒィ言っているこの間に小屋番を終え、後に出発した友人に抜かれる。水分、カロリーをこまめに補給していたけど、この登りは辛かった。スゴの小屋前でお弁当でエネルギーチャージ。結果として、ここでしっかりカロリーと糖質を補給したのが、後半戦に効いてきます。それでもスゴ乗越小屋から間山までのきつい急登はしんどかったけど、それから薬師までは足がよく動いてくれました。お弁当が効いたと実感。以前始めて登った時は、霧で何も見えなかったのが、今日は視界良好。風もそれほど強くなく気持ちのよい山頂。薬師もいい山だなあ。
8/22 晴れ
先出発で黒五へ向かう友人を見送り、まもなく出発。五色ヶ原から同ルートで来て、今日は折立に下りる方と太郎平までご一緒する。薬師沢への下りは、急であるもののそれほど厳しくなかったかな。むしろ上りの方が大変そう。急坂を下りきると、第1渡渉点から薬師沢小屋近くまでだいたい木道が整備されていて楽できます。こんな奥地まで敷設されていることに感謝。
薬師沢小屋は本当にすごい場所にある小屋でした。ここは釣りをする人にとっては天国みたいな場所なのでしょうか。ここで昨日のようにお弁当で腹ごしらえを済ませ、雲ノ平への急登に備えます。スリルが程よくある吊り橋を渡り、一度川岸に下りてから登り始め、すぐに高天原との分岐点。高天原から来た方はかなり大変だったとおっしゃっていました。はじめはザレた坂と短いはしごの連続。すぐに岩がゴロゴロする涸れ沢のような急坂に。初めはゆっくりペースを保ち身体が慣れるまで我慢。徐々に歩き慣れしてきて、まずまずのペースになってきました。昨日五色ヶ原から薬師まで歩いたことで、身体が登りに慣れたのか、昨日よりも辛くない。もちろん荷物が肩に食い込むのは痛いけれど、こんな登りが苦手な自分にしては快調と言ってもいいくらいに高度を上げていきます。下ってきた薬師沢側は開けていて明るい、というよりも暑いくらいだったので、雲ノ平への登りは樹林帯の日陰かと思っていたところけっこう日差しがあり、やはり暑い。幸い蒸さなかったので良かったけど、雨上がりの晴れの日は大変そう。それでもここは登りよりも下りの方が精神的に疲れそうな印象を受けます。高度計が2,300mほどになった頃、前方に空の明るさが確認でき、ゴールが近くなってきたのがわかりました。それから一息で急登の終了点である木道に到着。これでのんびり歩きが出来る!と思っていたら、急登ではないものの、アラスカ庭園まではダラダラ登りが、、、さらに展望もなく、少し自分に悪態をつきなら歩くこと20分強、ようやくアラスカ庭園で一息。今日もよく晴れてくれて、四周、東西南北、山また山を味わうことができます。さらに立ち寄った祖母岳では、ハイマツなどに遮られることなく見渡せました。雲ノ平山荘では途中ご一緒した方からの伝言を小屋番の方に届け、この日は3日ぶりのテント泊。
8/23 快晴 風強し
6時前に出発。昨夜からこの辺りも風がけっこう吹いており、他のテン泊の人たちの多くは、今夕から荒れるとの情報で早々に出発した模様。三俣山荘泊予定の自分はゆっくり行っても午前中には到着です。歩きだすと台風が近づいているからか風が強い!それでも快晴の青空は気持ちを高揚させてくれます。風が強くても晴れているので、黒部川源流部を通る予定を鷲羽岳経由に変更。途中、先日の山岳部と五色ヶ原から薬師まで道中一緒だったテン泊の方、2組と偶然再会。山岳部の方は双六へ、テン泊の方は烏帽子へ向かうとのこと。また鷲羽岳山頂では、御歳75歳で、8月頭から10月下旬頃まで北アルプスをグルグル歩き回っている方に遭遇。翁「75歳はキレットなんて行ったらイカンね」、若輩「でも行かれるんですよね」、翁「もう行っちゃった」、2人「ワハハハハ」。こんなやりとりは楽しい。また目標となる人に出会いました。今日はのんびりデー。夕飯は一昨年テント泊の際、スパイシーな香りに魅せられて、食べたかったジビエシチュー。美味かった!
昼頃より槍穂は雲に隠れてしまい、18時過ぎには辺りも雲に覆われてきました。さて明日の天気はいかに?
8/24 暴風雨
昨日は19時過ぎ頃から雨風が強くなってきて、時間を追うごとにひどくなるばかり。みんなが寝静まる中、外では不規則に、突然に、ゴーッと凄まじい風の音と雨が建物に打ち付ける音とが響いている。深夜、テント泊の1組が小屋に避難してきました。今夜中に抜けてくれたらと、淡い期待を寄せたものの、朝になっても勢いは止まず、午前中の停滞を決定。そのおかげで昨日から読んでいた『黒部の山賊』を読破することができました。『黒部の山賊』では今回歩いたところの多くが舞台となっており、そこかしこでバケモノが出たり、カッパやタヌキに化かされたりと、山の怪現象が記されており、行く前に読んでいたら、ワクワクしたのか、ゾクゾクしたのか、また違った印象を持ちながら歩いたことでしょう。それにしても、三俣付近には熊やらタヌキやらウサギやらが普通?に出没していたことに驚きました。もうそんな景色は見られないのかな。
昼頃には勢いが弱まるとみられた風雨は果たして、弱くなってきたように見え、1組、また1組と主に双六小屋方面にへ向けて動きだす人が出てきました。これなら出られるかなと、自分も用意して12時半前に双六小屋へ向けて出発。風は時折突風がきて煽られるものの、雨はさほどではなく、双六小屋への巻道ルートも特段悪くなっている箇所もなく、小屋に到着。ただ、それ以降、また雨風が強くなってきてこの先の行程が心配になってくる。場合によっては下山?あるいは停滞か?
8/25 暴風雨
今日も天気は変わらず、激しい雨と風。当初は最後に槍を登り、上高地へ下りる予定でしたが、無理はしない。新穂高への下山に変更。最終日もしっかりご飯を食べてエネルギーチャージして、風雨が強い中、出発。まずは弓折乗越まで、10以上登り返しがあるところ。やはり歩き始めの登りはシンドイ。それでもまずまずのペースで乗越を過ぎ、鏡平へ。ここで山荘のスタッフにこの先の状況を聞くと、支配人がお客さんを連れて、秩父沢の橋まで安全を確認しながら降りていて、万が一橋が流されていたら戻ってくるかもしれませんとの話。とにかく行ってみないとわからないので、先に進み、ダメだったら戻ってくればいいやの気持ちで鏡平を出発。出発してまもなく、沢から溢れた水が登山路にも溢れて沢の中を進むことに。この辺りでは雨風は強くないものの、増水で渡れないところが出てくるのではといった考えが頭をよぎります。先に進むと4名グループのうち、1人だけケタ違いのリュックを背負っている一団に遭遇。その1人は五色ヶ原から同ルートの大学山岳部のリーダーでした。話を聞くと、双六ではテントのフライが飛ばされ、危うくテントも潰れるくらいだったそうな。さすがに悪天が続くため、槍、常念ルートを断念して下山することにしたとのこと。また連れているのは一年生ではなく、鏡平でお客さんを数人率いてくれと言われたらしく、お連れしているそう。一方の一年生は、支配人らと先行している模様。しばらく進むと、秩父沢の橋?の先で支配人が、この先危ないところはないので大丈夫ですよと安全を確認してくれていました。これで下山の目処がついた。さあ、下りよう!でも安全に。下っていくと、登ってくる人たちが増えてくるけど、みんな格好が下りている我々とはだいぶ違う。下はあまり降らなかったのだろうか。わさび平を過ぎた頃から、雨は降るものの、ときおり日差しもみられ、、、結局新穂高へは、予想よりも早く到着。ここでびしょ濡れの服を着替え、バスで平湯まで出て、お気に入りのひらゆの森でサッパリと汗を流し、三俣山荘以来爆発している食欲を、大ザルと味噌カツ丼とカレーに、飛騨牛串焼きでひとまず黙らせてから帰宅としました。
今回のルートは20年くらい前にやった、上高地−北穂−槍−三俣蓮華−黒五−薬師−雄山を歩いた時以来の長期山行となりました。20年も経つと人それぞれ、カラダがいろいろとね、、、でもやれるもんです。最後は雨にたたられ、目標地点でのゴールとはなりませんでしたが、オレまだやれるじゃんで締められる山行ができました。
俺もまだまだやれるじゃん
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