![]() |
![]() |
![]() |
先月の五月連休5/6のこと、長女のかつての絵の先生宅に、借りていた本を返却に出向いたつもりがまたお借りしてしまった。今度はコルトレーンや憂歌団のレコードまでも。
憂歌団コルトレーンはいいとして、何気なくお借りした「ガロを築いた人々 マンガ30年私史」には意外にも引き込まれた。寝しなに熱心に読んだ。
「ガロ」といっても今の人には通用しないか。『独創的な誌面と伝説的経営難の中で独自の路線を貫き漫画界の異才をあまた輩出した』月刊漫画であり、私が入寮した頃の恵迪寮の部屋にも転がっていた記憶がある。
そこにある「漫画界の異才」とは、創立者の白土三平を筆頭に、水木しげるやつげ義春、滝田ゆう、つげ忠男、佐々木マキに林静一等の個性派達であり、当本には著者であり編集者であった権藤氏と彼らとのかなりフツーでない交流が描かれている。
週末に返却に伺う予定なので、印象に残った件を書き付けておきたい。
P.137;ガロに投稿した鈴木翁二(おうじ)氏は、中上健次と新宿の「ジャズビレッジ」にたむろしていた、とのこと。
P.150;1966年に入選した三橋乙椰氏は、中津川のフォークジャンボリーで高田渡と共に参加した、とある。
P.190;菅野修氏の描く画像に「私はそのとき、関根正二や村山槐多、そして田中恭吉ら夭折した画家に共通する詩精神と同質のものをコマ絵の中に覗き見ていた。」と、私の好む日本近代絵画の夭逝画家達を並べてある。当の画像からはそんなことは読み取れないのであるが、私には。
P.222;羽鳥ヨシュア氏と日本民芸館を訪問し、冨本憲吉や浜田庄司の作品を観賞する行があり、P.190と共に芸術全般の知識をお持ちで一雑誌編集者として文化度の高さが垣間見える。今の雑誌編集子もそうだと思いたい。
P.89-91;この本の中で私が一番印象に残った部分だが、小さなライブハウスで「ねじ式コンサート」や「大場電機鍍金工業所コンサート」、「夜行コンサート」のタイトルで弾き語りを続ける無名ミュージシャンが居たと言う。この方はつげ義春はもとより、その弟であるつげ忠男のファンと言い(!)、氏の作品に対するコメントまで残している程だった【日本読書新聞(1984.3.5)】。その文章を発表したきり、彼女は”視界から”消えた。彼女の名を森田童子という。
この本は、私も偶に足を運ぶ某リサイクルショップの片隅にあった僅かな古本コーナーに置かれていた中から先生が拾い上げてきたモノだそうで、私もちょくちょく覗いていた一隅だったので親近感が大いに湧いた。そんな話で小さく盛り上がったりもした。
その店舗の僅かなレコードコーナーを漁って購入した高田渡を聴きながら今、これを書いている。
早速ネット上で探してポチしてしまいました。
「一番印象に残った部分」は激しく同意です。
彼女のLPもCDもすべて持っていますが、本当の詩人ですね。
ガロは友人が創刊号から終刊まで、再発行からその終刊まですべて持っています。
つげも好いですが永島慎二も好きでした。
「セルロイドの少女」聴いたら寝ます。
ありがとうございます。
あれ、
macchan90さんとは年代がずれていると思うのですが。
borav64m 様
今、私も「セルロイドの少女」聴きました。「ポチ」同様に便利な時代になりました。読後、感想など日記に上げて頂けると嬉しいです。
年代と言えばそうですね、ハートと頭髪はオヂサンです。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する