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拙宅にある風蘭は、県外のとある神社を訪れた際に拾ったもので、園芸種ではない野生の風蘭である。これが三年前の春のこと。
拾ってすぐ、私に林業と蘭のことを教えてくれた（二年前になくなった）親方のところへ持って行くと「お、こりゃ南方系の蘭やな」と一発で見抜いたのは流石である。持って行ったのは水苔で鉢植えにしてもらおうと思ってのこと。「鉢植えはまかせとけ、そのかわりに株分けして半分貰うでな」と、半株は神崎川の袂のお宅の柿の木に縛り付けられ、残りを鉢植えに。「ここでは寒くて咲かんかもしれんぞ」の予告通りに花を付けることはなかった。ただ寒冷地の金星蘭等で聞く、熱暑で葉が焼けることはなく二年が過ぎた。
ウチョウランの横に置いておいたその鉢に花芽が付いているのに気がついたのが土曜の朝、歓喜した。
三年越しで咲いた理由はまず�｜狼絏甲伐修�考えられる。南方の生育環境に岐阜が追いついてしまった、と。その�◆┐犬�三回忌を迎える親方からの某かのメッセージ。何だろう？ 親方にとって私もかつてはそうだった、教え子を大切に扱え、とのことか？ 親方宅でも花芽を付けたか、確認に行こう。
風蘭は参勤交代の大名が携行して長い移動時間を紛らわしたという話があるほど、その高貴な芳香に特徴がある。
共に開花を喜んだ家内曰く「う〜ん、練り消しの匂いみた〜い」
ンワッンンッ！ やはりオッカはサザエさんだった。
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