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ヤマレコ

記録ID: 28736 全員に公開 無雪期ピークハント/縦走槍・穂高・乗鞍

笠ヶ岳から薬師岳(笠新道−笠ヶ岳−双六岳−三俣蓮華岳−鷲羽岳−水晶岳−雲の平−黒部五郎岳−北ノ俣岳−薬師岳−折立)

日程 2000年08月22日(火) 〜 2000年08月28日(月)
メンバー
天候黒部五郎の山頂を除いて、快晴。
アクセス
利用交通機関

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地図/標高グラフ


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コースタイム [注]

1日目 23:00新宿バスターミナル−5:35新穂高温泉50−
7:00笠新道05−11:50杓子平−13:00稜線10−14:30笠が岳山荘キャンプ指定地

2日目 2:30起床4:00発−4:30笠が岳6:00テント場出発−
?双六岳−15:40三俣蓮華小屋

3日目 2:30起床3:30発−4:45鷲羽岳5:50−?水晶岳−
11:40雲ノ平−16:00三俣蓮華小屋

4日目 3:45起床5:30発−7:30黒部五郎小舎8:00−
10:15黒部五郎岳−?北の俣岳−15:20薬師のコル

5日目 3:00起床4:00発−6:15薬師岳(往復)−
13:00折立キャンプ場

6日目 青春18で帰宅 
コース状況/
危険箇所等
初めての単独長期テント泊の山行です。
笠新道は、日に照らされとてもきつかったです。
稜線にでてしまえば、三俣蓮華までは比較的楽でした。
三俣蓮華の下りから黒部五郎の登り返しは、標高差は大きいですが、
カールの中の登りはすばらしく、まったくきつさを感じませんでした。
黒部五郎からガスが発生し、山頂直下であやうく道を間違えそうになりました。
薬師岳は非常に大きな山です。
折立への下り道は非常によく整備されており、最後を除き歩きやすかったです。

2008年9月弟と北ノ俣岳を再訪
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-28884.html

写真

杓子平から笠が岳。まだまだ高い。
2008年12月12日 16:53撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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杓子平から笠が岳。まだまだ高い。
稜線で。黒部五郎と薬師岳
2008年12月12日 16:53撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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稜線で。黒部五郎と薬師岳
笠が岳テント場の水場。最高に冷たかった。
2008年12月12日 16:54撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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笠が岳テント場の水場。最高に冷たかった。
槍ヶ岳から日は昇った
2008年12月12日 16:55撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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槍ヶ岳から日は昇った
焼岳 乗鞍岳 奥は御岳
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焼岳 乗鞍岳 奥は御岳
笠が岳山頂から山荘、黒部五郎方面
2008年12月12日 16:55撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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笠が岳山頂から山荘、黒部五郎方面
テン場付近から笠が岳。なごりおしい。
2008年12月12日 16:55撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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テン場付近から笠が岳。なごりおしい。
逆光の穂高
2008年12月12日 16:55撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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逆光の穂高
秩父平。空がぬけるように青い
2008年12月12日 16:56撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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秩父平。空がぬけるように青い
双六岳。この山容をみて、どうしても登りたくなった。
雷の発生を恐れてはいたが。
2008年12月12日 16:56撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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双六岳。この山容をみて、どうしても登りたくなった。
雷の発生を恐れてはいたが。
双六小屋付近から遠く笠が岳
2008年12月12日 16:56撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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双六小屋付近から遠く笠が岳
三俣蓮華から
2008年12月12日 16:57撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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三俣蓮華から
三俣テン場から鷲羽岳
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三俣テン場から鷲羽岳
鷲羽岳山頂にて日の出
2008年12月12日 16:57撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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鷲羽岳山頂にて日の出
薬師岳が赤く染まる
2008年12月12日 16:58撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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薬師岳が赤く染まる
鷲羽の影が黒部五郎に伸びる
2008年12月12日 16:58撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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鷲羽の影が黒部五郎に伸びる
鷲羽山頂から裏銀座の山々
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鷲羽山頂から裏銀座の山々
鷲羽山頂から水晶岳
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鷲羽山頂から水晶岳
鷲羽から槍ヶ岳
2008年12月12日 16:58撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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鷲羽から槍ヶ岳
赤牛岳に延びる稜線。いつか歩いてみたい。
2008年12月12日 16:59撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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赤牛岳に延びる稜線。いつか歩いてみたい。
雲の平から黒部五郎
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雲の平から黒部五郎
雲の平から水晶岳
2008年12月12日 16:59撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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雲の平から水晶岳
黒部五郎のカールの登り。
この風景は今も忘れることができません。
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黒部五郎のカールの登り。
この風景は今も忘れることができません。
北ノ俣岳。今年再訪してきました。
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北ノ俣岳。今年再訪してきました。
北ノ俣岳山頂付近
2008年12月12日 17:00撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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北ノ俣岳山頂付近
北ノ俣岳の稜線から
2008年12月12日 17:00撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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北ノ俣岳の稜線から
朝の薬師岳。とにかくでかい。
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朝の薬師岳。とにかくでかい。
薬師岳山頂
2008年12月12日 17:00撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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薬師岳山頂
薬師山頂より北をのぞむ。
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薬師山頂より北をのぞむ。
遠く笠が岳。手前が黒部五郎。
すばらしい山達でした。
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遠く笠が岳。手前が黒部五郎。
すばらしい山達でした。
折立へ下山。三角点ピーク。
2008年12月12日 17:01撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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折立へ下山。三角点ピーク。
看板1 巨大です。ビニールカバー付。
今もあるのかな?
2008年12月12日 17:01撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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看板1 巨大です。ビニールカバー付。
今もあるのかな?
律儀にドラミちゃんもあった。右のザックと
比較すると大きさがわかる。
2008年12月12日 17:02撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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律儀にドラミちゃんもあった。右のザックと
比較すると大きさがわかる。
折立キャンプ場にて。山行が終わった充実感と
終わってしまったさびしさが同居していました。
でも、とにかくビールはうまかった!
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折立キャンプ場にて。山行が終わった充実感と
終わってしまったさびしさが同居していました。
でも、とにかくビールはうまかった!
バスに乗る前にザックの目方を量るが、これ以上は減らなかった。
2008年12月12日 17:02撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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バスに乗る前にザックの目方を量るが、これ以上は減らなかった。
「引き返す 勇気もあって 山男」 感動した。
2008年12月12日 17:02撮影 by Canon PowerShot A470, Canon
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「引き返す 勇気もあって 山男」 感動した。
撮影機材:

感想/記録

父より黒部五郎岳のすばらしさを幼いころから何度も聞き、
以前より憧れを持っていました。
またガイドブックをよんで、笠が岳や雲の平に行ってみたいと
おもっていました。

           以下記憶文(08年9月ごろ、記憶をもとに)
1日目
新宿からだったか、(東京かもしれない)夜行バスに乗る。
おそらく安房トンネルが開通していて、目がさめたら岐阜だった。
新穂高温泉のあたりでおり、途中までアスファルトの林道をいく。
途中錫杖岳がうっすらと赤く染まっていた。
とにかく林道を歩いていくと、笠新道の登山口に着いた。
たしか、水場があった。

ここから急登が始まる。とにかく勾配が急で休むところがない。
日が上がるにつれ気温は上がり始め、かなりまいった。
高度をあげるにつれ、穂高の稜線が見えるようになる。
逆光だが、頑張って使い捨てカメラで写真をとった。
急登が一段落し、杓子平につく。笠が岳の美しい姿が見えるが、まだ高い。
しばらく緩やかだったが、稜線へはやはり急登になる。
気合を入れて登りきると、稜線にでた。

北にはガスこそかかっているものの黒部五郎が見える。
ただその姿は、あのアコーディオン弾きの姿ではない。
稜線からは笠が岳目指して歩く。途中、バッコ岩を抜け
石瓦礫の山を越えていくと、テント場に着いた。
そこで大休みし、大きいポリタンクに流れる雪解け水をたらふく飲み込んで
上の笠が岳山荘にテントの受付に行く。これが意外と標高差がありきつい。
とりあえずビールを買って飲んだ。
その日のうちに山頂を踏んだかは覚えていない。

二日目
夜明け前に山頂へ向かい、槍ヶ岳の肩から登るご来光を見る。
白山まで見え、また笠が岳自身が落とす影法師をうすい雲海ごしに
見た。最終の薬師岳まではっきりと見える。
槍穂の荘厳な稜線のシルエットは美しかった。

そのあと来た道を途中まで戻る。
笠新道を見送り、バッコ岳をこえ、秩父平に下る。
ここは、逆光に光る穂高をバックに黄色いちいさな花(ミヤマキンバイ?)
や花の散ったチングルマがたくさん咲いていて、薬園のようだった。
そこから大ノマ乗越に下り弓折岳へ登り返すが、多少つらい程度だった。
このあたりから双六岳のたおやかな姿が見え、山頂を通ることにする。

双六小屋に着いた。振り返ると笠が岳が名のとおり笠をかぶったように
遥かかなたにたたずんでいる。
少し休み、双六への急登に挑む。わずかで道は緩やかになり、稜線の
たおやかな道を行く。
このまま別の世界にいってしまうのでは、といった感じの気持ちいい道だ。
山頂では槍穂や鷲羽、水晶方面の展望を楽しむ。

丸山を越え三俣蓮華岳を登る。雲の平を取り囲む山々が一望でき、
大変展望がいい。黒部五郎がアコーディオンを構え始める。
三俣蓮華から三俣山荘へ下る。
テント場で二日分受付する。明日は雲の平散策だ。
鷲羽岳がテン場の真正面にそびえたっている。

三日目
日の出前に軽荷で出発する。鷲羽岳の急登を登り山頂で日の出を待つ。
もう一人日の出を待っている男性がいて、お話をした。
カメラの話をした。私が使い捨てカメラではいい写真ってとれないですかね、
とたずねたのだとおもう。
その人は「目こそが最高のレンズなんです。目を大事にしてください。」
と答えてくれた。
すばらしい言葉だった。今でもその人と出会えたことを感謝している。
その人に山頂で写真を撮ってもらった。

さて、日の出は餓鬼、唐沢岳の稜線から上がった。
水晶への稜線をはじめ、裏銀座と呼ばれる山々が少しずつ赤く染まっていく。
黒部五郎に鷲羽の影がおち大天井や、私が小5のとき登った常念岳も染まる。
槍穂はいわずもがな。すばらしい日の出だった。

その人も水晶岳に向かった。ワリモ岳をのっこし水晶小屋にでる。
山肌が黒っぽい気がした。黒岳といわれるゆえんだろう。
水晶岳の山頂で、その人に再び会う。また、写真を撮っていただく。
赤い山肌の赤牛岳が非常に印象的だった。奥には立山が見える。
道を戻り、祖父岳に登る。双六の奥にひょっこり笠が岳が頭を出している。
真正面には、アコーディオンを構えた黒部五郎が立っている。

雲の平へ下る。
中学生のころ「雲の平は雲のふるさと」という詩をよんだことがあり、
印象に残っていた。
時期が時期だけに高山植物は盛りを過ぎていた。
まずスイス庭園に行き、水晶岳を眺める。
そのあと雲の平山荘にいってみると、メニューに「カツどん」とあるので
喜び勇んで食べに行く。こんな山の中でカツどんが食べられるなんて。
しょうゆや塩をたっぷりつけて食べた記憶がある。

祖母岳を往復し、黒部五郎を眺めながらアラスカ庭園をこえ、
道が下り始めたあたりで引き返す。
今度は祖父岳をまいていく。日本庭園のあたりで休憩した。
黒部川に一気に下ると、石のこぶりな源流碑があった。
ここから三俣山荘まで登り返す。けっこう軽荷でもきつかった。
張りっぱなしだったテントに再度入り、体を休める。

四日目
山荘と別れ、三俣蓮華岳を巻く道を行く。
巻ききると、黒部五郎のカールを真正面にみながら下る。
次第に樹林帯の中の急な下りになり黒部五郎小舎につく。
たしか、小屋の中のテレビがついていて、朝の連続テレビ小説をやっていた。
黒部五郎の懐で連続テレビ小説、絵になるような、ならないような。

ここから黒部五郎のカールの中に入っていく。
ほのかに白い岩が、明るい緑色の草原の中に点在している。
足元には雪解け水が、きらきらと流れている。
そこは自分が想像していた以上の場所だった。
まったく登りが苦痛にならない。
が、さすがに稜線への急登にはすこしへばる。
稜線で荷物を降ろし山頂に行くが、憧れの山頂はガスだった。

稜線にもガスがわきだし、視界が悪くなる。
ハイマツの中を歩いていたが途中道を見失う。
冷静に周りを眺めてみると、登山者がすこし離れたところを歩いている。
危なかった。すぐコースに復帰する。
このあとは緩やかなアップダウンが続き、北ノ俣岳に至った。
北の俣岳を振り返ると、のっぺりしているがそれでいて貫禄がある。
太郎小屋を通過し、テント指定地の薬師峠についた。
トイレが比較的立派だった気がする。

五日目
日の出前に軽荷で出発。途中南東稜がうす紫色のそらにシルエットを
浮かべている。少しずつ薬師岳がその姿をあらわにするが、
とにかくでかい。
薬師岳山荘をすぎて、砂礫の道を歩くと、頂上に社のある
山頂が見える。すぐ山頂に着く。

南を眺めれば今まで歩いてきた山々が見える。
山頂で、中年の女性がカメラの電池が落ちてしまったとあわてていたので、
彼女にカメラの電池をこすると少し復活することを教え、実際にやってみたら
カメラは動き出し、大変感謝されみかんをもらった。
彼女も仲間達と山頂でなんとしてでも写真をとりたかったのだろう。

下り始める。南東稜の分岐まで来る。
大学生がこの稜線に迷い込み大量遭難したことは、ガイドでしっていた。
なるほど、立派な尾根なのでこの稜線をおりてしまうことは大いにありえる
とおもった。

薬師峠で荷をかせぎ、太郎平小屋に戻り下山にかかる。
最初は草原の中のゆったりした道を行く。
黄色と黒のまざった人口の塔のようなものがコースをはずれたところ
たっている。
やがて三角点にでる。三角点からは針葉樹の中を急下降する。
古く大きい巨木を何本も目にする。
遭難供養塔をすぎるとやがて折立のキャンプ場についた。

青春18切符で帰るので、今日下におりても帰れない。
キャンプ場に泊まる。
山の中に比べるとビールが格段に安くなっており、500M缶を立て続け
に二本飲む。山行を終えた充実感もあり最高だった。
広いキャンプ場にテントは二つだった。

下山日
翌朝、バスに乗る。にもつが20KG以下なら荷物代はとらないので、
水をすて限界までへらすが、22KGだった。
有峰駅から電車にのり、農村の風景をながめながら富山につく。
富山では路上電車が走っていた。
富山からは青春18切符で新潟周りで帰る。

途中長岡からの電車の出来事だった。
おそらく私の荷物をみてだろう。真向かいにすわっていたおばあさんが
話しかけてきた。
おばあさんは、若い頃八海山に登ったときの話をしてくれた。
上の鎖場で怖くなって動けなくなったところを雷におそわれたらしい。
それ以外の話は覚えていないが、おばあさんは話をきいてくれてありがとう、
といって浦佐の駅で降りていった。八年たった。
あのおばあさんは、今もお元気だろうか。


見つかった当時の記録から(09年6月末追記)


22日
父に近所の駅まで車で送ってもらう。
新宿につく。
バス予約時に集合場所は聞いたのだが、よくわからない。
京王プラザホテルあたりをぶらぶらし、結局ホテルの門番の人に聞いて、
ホテルの下の駐車場がそうであるとしる。
丁寧に教えてくれた。
地下に降り、しばらくすると山にいく格好をした中高年の方々が増えてきた。
10時過ぎに為替の証明書?をバスの受付に提出し、新穂高行きのバスに乗る。
上高地行期のバスは2台編成で満席なのに、こっちは1台で半分。

バスが出発する。隣の中年の男性がビールを飲んでいる。
この男性は休憩ごとにビールを買ってきて飲んでいた。
「明日は山に登るんじゃないの?」
私は明日が笠新道ということもあり、お酒は控えた。
エアークッションを使い、クーラーのきいた中、風邪をひかないように、
かなり気を使って寝た。


23日
朝5時ころ目を覚ますと、バスは上高地への道を分け、平湯温泉のほうへ
向かっていた。
さっそくにぎりめし三個と、ジュースを飲んで腹ごしらえ。
これがけっこうきつかった。
新穂高温泉バス停に到着。天気は上々。
笠ヶ岳のほうは、上が多少ガスっている模様である。
バスは予定到着時刻よりも50分も早く着いた。
大助かりであり、実際に後で助けられることになる。

多少道がおぼつかなかったものの、登山口の看板を探し出し、林道を歩く。
途中穴毛谷の光景は、すさまじかった。
同じバスに乗っていた人たちも、この林道を歩いている。
ちょっと胸がきつい?感じがした。
体調が悪いのだろうか?
橋を渡り、ワサビ平という赤ペイント(少し前に笠新道のとりつき点、
登山道崩壊のため)
そこから10分ほどで新笠新道登山口につく。
登山口にはホースで水が引いてあるが、あまりつめたくはない。
登山口のところに気になる看板が立っていた。
(高校山岳大会?A班、B班、、、。そしてD班50名が今日この笠新道
を下ることになっているのである)

のっけから道は樹林帯をぐいぐい登っていく。
しかし、いい道である。
最初は自分のペースを極力落とすように心掛ける。
調子は悪くない。アメをしゃぶりながら登る。
途中に標高を示す立派な木造も看板が標高100Mおきごとにたてられていた。
おそらく旧道合流点をこえ、しばらくすると道は樹林帯を抜ける。
山が見えるという期待を胸に、南へ頭を振り向ける。
期待ははるかに上回った。
穂高の岩屏風が高々とそびえたっていて、右には申し訳ない程度に
焼岳がおいてある。
この穂高は見事だった。

しかし、このへんから石のガラガラした急登(しかも木がないので、
日よけなし)が始まる。
これはキツイ。
密度だけなら黒戸尾根を上回る。
この登りに喘いであると、突如後ろのほうから「ギャー」
という声がしたような気がした。
私が途中、中に残雪を含んでいる一種の風穴のようなところで一休みしていると、
2人組みの中年の男性が現れた。
「いやー、ひどい目にあった」痩せている青いザックの男性がいう。
「ザックを下ろしたところに、○糞があるんだもんな?」
○糞、、、。なんか表現がよろしくない。
ザックに○糞が付いているところは見なかった、、、というか
見たくなかった。
におい消しをほしがっているようなので、私の安物コロン(下山後の移動用)
を貸してあげると、ふんだんにザックに吹きかけた。
「今の若い人は、いつも山で女の子にあってもいいように、コロンとか
もちあるいてるんだろうな〜」とおっしゃっていた。
しばらく男性達の後ろをついて行く。
色々と山の話をしながら、目の前は○糞ザックが。
以前○沢の水場に○糞がしてあったのを目撃したことがあるらしい。
つくづく、○糞とえんがある人達だと思った。

その男性二人の先を行く。登りはまだまだ続く。
すごくきつい。
もうばてる寸前というところで待望の杓子平につく。
急な登りはひとまずはお休みである。
ここで私と同様単独行風の同年代の男性と会う。
笠ヶ岳が左側に、右手前に稜線を従え、堂々とそびえている。
青天の下の笠の雄姿は、私の心の中に深く刻み込まれている。
道が稜線をめがけ、しだいにきつくなってくる。
私がじっくりじっくり登っているところで、彼が私の後ろに迫ってきた。
善戦?もむなしく、私は抜かれてしまった。
ペースを限界まで落とし、ようやく稜線に辿り着く。
キツイ。黒戸以上である。

稜線を笠に向かう。
遠く男性のザックの横についている銀マットの光が反射しているのが見える。
あいかわらず、槍穂が青空にスカイラインを刻んでいる。
全然ガスがかかっていない。素晴らしい天気である。
しかし、直射日光がきつくてしょうがない。
帽子を今回の山行のために持ってきたのだが、蒸れて蒸れてしょうがない。
蒸れるのはもういやなので手ぬぐいを巻く。
稜線は小さなアップダウンを繰り返しながら笠ヶ岳にせまっていく。
展望は最高である。しかし、私の体力の余力がない。
抜戸岩を抜けたあたりからガスが出て、日が照らなくなったのに助けられ、
なんとかテン場に辿り着く。
小屋の100M下にある、稜線上のテン場である。
つまり、小屋にいくためにはさらに100Mアップしなければいけない。

テントを張る場所をザックを置いて確保しておき、小屋へ向かう。
小屋につき、ビール500MLをかい、ついでにテン場代を払う。
店員の女性によると、この小屋に、同じ学校を中退したバイトが
今昼寝をしているそうだ。
小屋の外のベンチで飲んだビールは最高にうまかった。
飲み会で飲むビールより100倍はうまい。
疲れていたことと、ビールを飲んじゃったこともあり、
今日の笠山頂はあきらめる。
チキンライスと生姜焼きを一緒に煮たのを食べ(ジフィーズ)
シュラフに横になる。
なんだか風邪をひいている気がする。体が熱い。
フリースを二枚着て寝る。

行動時間約9時間。
(PS 笠の雪解け水は最高にうまかった)


24日
今日笠ヶ岳山頂に登る日だ。
朝2:30に起き、朝飯を食い、テントをたたみ、パッキングを
してから山頂に向かう。
まだ日は出ていないので、ヘッデンの光を頼りに、ペンキ印を
探して登る。
おもったよりあっさりと笠ヶ岳の頂上に出てしまう。
ケルンがいっぱい立っている。先客はいない。
一番乗りである。

あたりは、ほのかに明るくなってきた。
山々が、闇の中から浮かび上がってくる。
槍、穂高は暗くて谷筋もはっきり見えない。
北のほうを見ると、ガイドの写真とは違う形をした黒部五郎が
影を落とし、また今日歩く稜線もまだ眠りから覚めてはいない。
空が茜色になる。
これが、モルゲンロートだろうか?
西の空には、白山が神々しくそびえたっている。
常念らしき山も頭をもたげている。
まさしく、360度の大展望。
さえぎるものは、何一つない。
こんな素晴らしい展望を独り占めにしていると、ようやく数名がやってくる。
とにかく、笠ヶ岳は素晴らしい山である。
これほど山としての品格を備え、容姿も美しく、個性を持ってそびえ、
大展望に恵まれる山はないだろう。
また、この山に登ってみたい。
キツイ笠新道を登ってでも、この山に登る価値はある。

槍の稜線から登る感動的なご来光をおがみ、満足して下る。
小屋の外ではたくさんの人が日の出を見ている。
ざっくをしょい、昨日通った道を戻る。
あれ、こんなに楽な道だったっけ?
すぐに、笠新道の分岐についてしまう。
昨日、どれだけ自分が笠新道でばてばてになったかがうかがい知れる。

天気は最高!!
槍、穂は高くそびえている。
分岐から秩父平への稜線をたどるが、アップダウンがほとんどなく、
南を向けば槍穂、北を向けば黒部五郎、
東を向けば裏銀座、西を向けば白山という素晴らしい展望台である。
大展望を満喫しながら尾根を歩き、少し下ると秩父平につく。
実に気持ちのいいところだ!
抜戸岳が秩父岩をしたがえて、そびえたっている。
父は流しソーメンができるといっていたが、水場は見当たらなかった。
とにかく暑い。
双六が、北に悠然となだらかに横たわっている。
今日、双六を登るはずではなかったが、こんな名山を巻くのも
しゃくにさわる。気持が動き出す。

大ノマ岳を登っており、大ノマ乗っこしに出て、また弓折岳へ登り返し。
このころから頭が暑さにやられ、双六小屋のジュースのことで
頭がいっぱいになる。
新しい水筒の、笠ヶ岳の融雪水もすでに生ぬるい。
双六でテントを張り、双六岳ピストンなんて考えも浮かんできた。
そんなうちに、双六キャンプ地に到着。
西に連なる稜線の先には、笠の雄姿が見える。
若い女の人が熱心に写真を撮っていた。
キャンプ地を通過し、双六小屋に到着!
ファンタとCCレモンを飲み、数日分の砂糖をとってしまう。
西は急なガレ場になっていて、その奥には鷲羽がそびえている。

休憩を12時に終え、双六岳に登りだす。
空を見たところ、ガスはほとんど沸いておらず、槍穂もくっきり見える。
観天望気でも雷の要素は見当たらない。
ゆえに双六岳の山頂を通って、丸山を越え、三俣蓮華に至るルート
をとる。
これで歩行予定時間+1時間が確定である。
しかも、地図を見たところ1時間で歩くのはかなりきつい道。
しかし、目の前に名山があってまくのは、悔いが残る。
双六岳への道は、最初は急登だったものの、尾根に出たとたん、
道はなだらかになる。
ひじょうに気持ちの良い道で、槍穂のすばらしい展望台である。
しかし、こんななだらかな道でも、歩き疲れた足にはこたえる。
稜線に出て15分くらいで頂上につく。
山頂にいたカメラマン風の人としばし雑談する。
この方は鳥の写真を撮りに来たらしい。
今日は双六泊まりらしい。
「双六のキャンプ場って風が強いんですってね」と私。
その人「ええ、私が双六の小屋で昼飯を食べていたとき、
ふと窓の外を見たら、緑色のテントが飛んで行って、
小屋の風除けの石垣にぶつかり、2回転して東のガレの谷に
落ちていくのを見ました。
私が、あ、テントが飛んでいる、といっても
誰も信じてくれないんですよ」
これは何年か前の話らしい。
とにかく双六キャンプ場は風の通り道だということは、
お話を聞いていてよくわかった。
名峰双六を後にし、丸山を越える。
中盛丸山とか、南八ヶ岳の中岳などの存在が喚起される。
しかし、私はこの時やけに体調がよく、トランス状態?になって
いたので、ラクラク丸山を越える。
三俣蓮華にもなんとか到着。
コースタイム通りである。
25キロしょっているわりには、快調だ。
相変わらずの好天。
三俣蓮華小屋に至るまでの道で、笠新道の登りで私を抜いた男性
とすれ違った。
彼とおそらく初めて言葉を交わす。
彼は今日は双六泊まりで、今日双六、三俣蓮華をピストンし、
明日は槍ヶ岳へ向かうのだそうだ。
彼ともう一度「勝負」してみたい。
山荘に向かう。下る下る。
もう足が痛いわ。
下るにつれ真っ正面の鷲羽がどんどん大きくなる。
コルに山荘がある。
雪渓を横に見て、やっとのことでテン場につく。
テン場の水がすごくうまい。
例のごとく小屋にいき、テントの申し込みをして、ビールを購入。
双六で売り切れだったリンゴを300円で買う。
リンゴを山の中で食えるなんて、南アでは考えられないことだ。
テントを張る前に外で天気図をとるが、真横でテントの設営が始まって
しまい、若干こまった。
しかし、南アの荒川小屋でヘリの爆音の中、点図をとったときと
比べれば、なんでもない。
何が糧になるかわからないものだ。
夕飯を食い、トイレにいくがてら小屋にいき、テレビの天気予報が
ながれるまで、小屋の雑記帳を眺めていると、
所属していたサークルのOBの方の書置きがあった。
天図を見てみたが、明日も晴れそうだ。
小屋の前でブランデーを飲み、赤く夕日に染まる鷲羽の姿を
こころゆくまで眺める。
頭の中では、計画外の、雲ノ平周遊の計画が浮かんでいた。

25日
朝飯を食い、3時半ごろテントを出る。
もちろん外は真っ暗。
そんな中をヘッデンの光を頼りに、鷲羽を目指す。
10分ほどして後ろに気配を感じ、振り向いてみると
ヘッデンの光が。
私のように、鷲羽の頂上でご来光をおがまんとする人だろう。
道を譲ると、人懐っこく話してくる。
若々しい声だ。姿が暗くて見えない。
その人の後ろについて行くと、色々な話をしてくれた。
星の話、5歳の娘さんを冬の南八ツにつれていったら喜んでた
という話、娘をエアーズロックにつれていったという話。
星の名前は、私の知っている限りではすべてあっていたし、
登るペース、しゃべり続けているのに、息を切らしているのに、
ペースが全然変わらないので、すごい人だと思った。

この人のペースについていけず、勝手に休んでいく。
山々が夜の帳から目覚めだした。
夜空も次第に明けはじめた。はやく頂上へ行かなければ。
あいつぐ偽ピークをこえ、ようやく頂上についた。
頂上にはあの男性がいる。
男の人は山の名前を正確に指摘していく。
私の知っている限りでくるいがない。
北アルプスに詳しくなければ、こうはいかない。

頂上で色々な話をした。
カメラの良い撮り方を教わったりした。
私は風除けでレンパを着たが、その時を除いて山行中着ることはなかった。
展望は素晴らしいの一言に尽きる。
昨日の笠といい、このような素晴らしい展望に巡り合える私は
幸せ者である。
表銀座の山々が次第に赤くなっていく。
西には黒部五郎がカールを抱いて、いまだに眠りについている。
五郎の体には鷲羽の影が映っているのが見える。
双六、そして笠の雄姿が見える。笠は本当に美しい山だ。
北には水晶の特異な山容が見渡せる。
おもわず、カメラのシャッターをきりまくる。

(この後の文章は、山行より一ヵ月後に書いたものである)

山頂をこの人より先に立ち、急ながれ場を下り始める。
黒部川のほうに、かすかな踏み跡が付いていたようだが、
これは源流ブームの影響だろうか。
下るにつれ、ワリモ岳が大きくなってくる。
ガイドには、危険なところがあると書いてあったので、
多少身構えていた山だった。
コルにつく手前で、例の男性に抜かれる。
やはり足が速い。

ワリモ岳を登り始める。
途中道をはずし、多少危険な岩場にでたが、すぐおかしいと
思って引き返し、ワリモ岳の頂上に半ば強引に出ることによって
ルートを再び見つけた?
少し下り、道は山肌の横をまいていく。
黒部五郎が祖父の後ろに隠れ始めている。
たしか予定にない雲ノ平散策は、このころ心の中で決定した、
と思う。
ワリモ乗っこしからひと登りすると、しんみりとした木の香り、
山小屋の香りがしだす。
水晶小屋である。
東には烏帽子に続く裏銀座の山並みが連なり、足元は
激しい崩壊が広がっている。
いつかたどってみたい尾根である。

小屋から水晶の頂上をゆっくり目指す。
今日も三俣山荘なら急ぐ必要もない。
山名の由来となった水晶を探しながら歩くが、納得のいくものどころか
水晶自体が全く見つからない。
何個かのピークのわきを通り、最後のひと登りで頂上に着く。
頂上は意外にせまい。しかし、展望は素晴らしい。
東には、裏銀座の山々、後立山、白馬岳が黒部湖を囲むようにして
そびえたっている。
北を望めば、真っ正面に気になっている山、赤牛岳、
その左奥には立山、剱が見える。

例の男性が先に頂上に着き、携帯で家族に電話している。
しばらく雄大な景色を眺めながら岩におっかかって居ると、
学生と思われる男子10人ほどが現れた。
彼らの会話を聞いていると、興味深いことに気づく。
彼らは、白馬岳から後立山、烏帽子を経て、ここまで来ているのだ。
目的地を聞くと、上高地だという。つまりは槍までいくのか?
おそらく水晶小屋に荷物を置いてピストンしているのだろう。
後輩だろうか「今日は12時起床じゃないですよね?」という
声も聞こえた。

彼らに感心したのは、一年生部員が呼んだある山の名前に対し、
上級生が即座にしっかりと注意したことだ。
あと彼らの山岳同座は正確だった。
例の男性が頂上を立った少し後、私も立つ。
少し長居しすぎてしまった。
まだ、行程は長い。もと来た道を戻る。
果たして、水晶小屋には大きなザックがきちんと置いてあった。
あと3日、おそらく今日は三俣山荘のキャンプ場で一緒のはずである。

ワリモ乗っこしまで戻り、祖父岳の登りにさしかかる。
お花畑に恵まれ、いいやまであるが、けっこうきつかった。
エアリアのコースタイム通りにはいかなかった。
やっとのことで、広い祖父岳の山頂に着く。
景色はやはり素晴らしい。眼下には雲ノ平が広がっている。
しかし、あそこまではかなり下りそうだ。
ガレ場をガンガン下っていく。かなりの急降下である。
しかも、連日の日照りのおかげで日焼けが痛い。
まだかよ、とだらけてきたところ、やっと雲ノ平
のキャンプ場に着く。
ガイドに水がうまいと書いてある。
水はつめたくおいしかったが、さすがに笠の水場には及ばなかった。

昼飯の前にスイス庭園に行ってみる。
水晶の方向に伸びる木道をたどっていく。
池糖はすっかりひからびてはいたが、高山植物も多少咲いており、
何よりも水晶岳の姿に圧倒され、感動した。
今登ってきたばかりの山にこうして対面しようとは、感無量である。

さて、昼飯を食べに雲ノ平小屋に行く。
あの男の人がいて、外で飯を食べている。
このときこの人と交わした
「祖父岳の登り、コースタイム通りに行けました?」
私「いや、やっぱりダメでした」がこの人と交わした最後の会話
となった。
山小屋でサイダーと、かつどん(1200円!)をたのみ、食堂で
黒部五郎を眺める。
食堂ではバイトと思われる女性二人が会話に興じていた。
底抜けに明るい。
かつどんはうまかった。久々に肉を食った気がした。

満足して小屋を出ると、あの男の人はもういなかった。
高天原の温泉へと下ってしまったのだ。
あれだけの人とは、もう二度と出会えないのではないだろうか?
祖母岳に登る。相変わらずの快晴だが、少し雲が出てきたようだ。
昔通っていた塾のテキストで「雲ノ平は雲のふるさと」という詩を
よんだ。
その時受けた印象を、現に私は目の当たりにしているのである。

木道をたどるとあっけなく頂上に着く。黒部五郎が正面に大きい。
しばらくして、アラスカ庭園へと向かう。
しかし、薬師沢方面へ行けど行けど、アラスカ庭園を示す道標はない。
風景は、アラスカ庭園っぽいんだけど。
途中、母と娘の二人組に出会い、庭園のことをきくと、ガイドブックのコピー
をだし、丁寧に教えてくれた。
それから5分後、めんどくさくなって戻る。

祖父岳への登り道を行く。きつい。
途中、まき道を行き日本庭園へと向かう。
三俣蓮華が雄大にそびえている。
こちら側からみると、貫禄がある。
途中雪渓から沢ができ、流れとなるのを見ながら歩くと、
突然ガレ場の急下降になる。
今日を、山行のクーリングダウン日となめてかかった私には、きつい
おしおきだった。
大きな石のごろごろするくだりは、本当に下りにくい。
しかも、かなり下ったつもりなのに、下にはなかなかつかない。
この道は鷲羽のまき道だが、正直言って、鷲羽を登ったほうがラク
なのではなかろうか?

下に降りると、小沢が流れを集め、黒部川へと注いでいる。
ひじょうに美しいところだ。
黒部川源流の碑も見つけた。
しかし、ここからのぼりかえしだ。
途中温泉の臭いか、玉子の腐ったようなにおいがしたような気がした。
どこかで温泉がわいているようだ。
沢をガンガン詰める。ビールがまちどおしい。
小屋はまだか〜、と意気込んで登っていると、小屋ではなく
自分のテントの前にでてしまったから不思議である。
この沢はテン場の水場を源流としていたのだ。
そして、今日もビールとテン場代。
小屋の前をブランデー片手にぶらぶらする。
鷲羽が夕日を受け赤くなる。

今日も充実した一日だった。
さて、明日はどうしようか?
五郎小舎か薬師峠か。
小屋の女性は、一日でいけるという。
雷が心配だが?

26日
1時半起床の予定が、寝坊して3時半に起きてしまう。
飯を食いながら考える。
やはり黒部五郎小舎に泊まるか?
五郎だったら2度のぼってもいいだろう。
なんといっても晴れた五郎に登りたかった。

昨日小屋の人に確認した三俣蓮華のまき道を行く。
途中雪渓を登ったりもしたが、たいしたことはない。
昨日までと違うのは、ガスがわいていることだ。
すでに三俣蓮華にはガスがかかっている。
蓮華をまき、黒部五郎の下りにさしかかる。
ハイ松の中を尾根伝いにゆっくりと下っていく。
南のほうにはガスにかすんだ笠が岳が見える。
そして目の前には黒部五郎がどっしりと構えている。
カールの上方にはガスがかかっている。

しばらくすると、樹林帯の大くだりになる。
これを下ると五郎小舎に着く。きれいな小屋だ。
水場は小屋のなかにある。
小屋の人に今日の天気について聞こうと思ったが、小屋の人は
どうやらNHKの連続テレビ小説を見ているようだ。
わるいので7時45分までまつ。
コーラを頼むついでにアルバイトの女性に、今日は雷は大丈夫か
どうか聞く。
彼女はカレンダーのようなものを見て。12.13、と何か数字を数え、
「ええ、大丈夫ですよ」という。
雷3日の応用だろうか?

30分ほど休憩して今日は薬師峠までいく決意をする。
時は8時。カールコースを行く。
ちょっとした樹林帯を時に通過し、カールの中へはいっていく。
両側は白色の明るい崖だ。
道は緩やかにあがっていく。
カールの奥へと入っていく。
カールの中は、小川が流れ、多少の高山植物が咲いている天国のようなところだ。
しかし、頂上はさっきからガスをかぶったり、晴れたりの繰り返しだ。
カールの奥までくると、カールの右側に登りこむ。
けっこうな急登である。
ユニークな形をした山だ。
今まで私が登った山で、こんな山はない。

カールを時に一休みいれながら越え、分岐にたどりつく。
頂上には今にもガスがかかりそうになる。
メインザックを置き、山頂へ向かう。
しかし、真っ白。
カールの下は見渡せるものの、展望はゼロに等しい。
よく考えてみると、今回頂上でガスったのは、黒部五郎だけだ。
小屋で買ったコーラを飲む。うまい。
おばさん達がビールを飲んでいた。
うまそうだが
(ここで記録とだえるが、この山行の9カ月後に書いた別の記録が見つかり、
これで以後補完する)

まあ、長い山行の中でガスピークが一つぐらいあってもいいだろう。
ただ、もう少し早く出発していたらなあ。
五郎を下り、太郎平小屋を目指すが、緩くてはるかに遠い?
途中ショートカットの道だと思ってハイ松の中を行くが、
まったくの無駄骨だった。
ショートカットの道は途中で消えてしまった。

赤木岳付近で昼飯にする。
ガスがわいている。
途中、赤木沢を登ってきたという年配のパーティーに、
北ノ俣岳の下りで出会う。
道を失いかけたが、その方々のおかげで道を見つけた。
なぜか北ノ俣岳の下りは調子がよく、ガンガン下ってしまう。
途中追い抜いたワンゲルの部員たちが「すげえ速い」と
驚いていたほどだ。

小屋を通過し、少々下って、テン場につく。
監視小屋?ではビールも売っているし、トイレもきれいだ。
テン場はすいていたが、あえて下のほうにテントを張る。
明日で山行が終わる。
ビールを飲みながら、感慨にふける。

27日
朝暗いうちに出発、暗い樹林帯の中を行く。
樹林の中には小沢が流れていた。
暗い樹林帯を行くと、薬師の南東稜が赤紫に染まって
美しかった。どかどか登り、薬師小屋にでる。
しかし、薬師という山はでかい。
頂上がどこだか、まったくわからない。
急なザレ場を直登?し、稜線に沿ってなだらかな道を行くと、
そこが頂上で柱が立ててある。

今回の山行で最後のピークだ。
来た道がすべて見える。
そして、立山、剱、後立山方面もよく見える。
いつか登りたい山が、眼前にそびえたっている。
今日の行程はラクなので、2時間ほど山頂にいたが、
カメラの電池が切れたというおばさんに会う。
薬師の頂上写真をどうしても撮りたいという。
そこで、私が電池こすりを行うと、見事電池復活。
おばさんは大喜び、ミカンやチョコレートをくれた。
役に立ってよかった。

山頂から下って飯を食い、テントを畳む。
下山を開始する。
北アルプスともお別れだ。
よく舗装された石段を、いくども登山者と行きかいつつ下る。
霧が出ていたからよかったが、かんかんでりだったらたまらないだろう。
三角点ピークからは樹林帯の下りである。
どらえもんやドラミちゃんの看板に、なぜか感銘する。
風景に溶け込んでいるのが、不思議だ。
道が次第に緩くなり、供養塔をみると、テン場は近かった。
だだっぴろいテン場(タダ!)に一人テントを張り始める。
その後、登山小屋のおやじさんからビール2本(一本280円!)を買い、
今迄の労を一人でねぎらう。
今日の山行も終わった。すばらしい山行だった。

初の山中単独連泊で、しかも北アルプス、けっしてラクな道ではなかった。
(特に笠新道)しかし、いろいろな人と会え、素晴らしい景色に遭遇した。
総費用は2万円かかっていない。
金をかければ下山の日に帰れる、あるいは富山あたりで民宿に泊まり、
ひと風呂浴びるのだろうが、私にそんな金はない。
しかも、その必要性は感じない。
私は次の日折立行きの始発バスに乗り、富山鉄道で富山にでて、
ひと風呂浴びる間もなく、青春18きっぷで帰った。
体のにおいを少しでも消すのに、気を使った。



 


 
 


 

































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