北アルプス 槍⚔️剱 縦走
- GPS
- 64:10
- 距離
- 80.9km
- 登り
- 7,537m
- 下り
- 6,557m
コースタイム
- 山行
- 1:26
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 1:32
- 山行
- 3:31
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 5:42
- 山行
- 4:50
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 6:55
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 9:43
- 山行
- 7:44
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 9:27
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 7:23
- 山行
- 6:59
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 7:47
- 山行
- 8:34
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 9:34
- 山行
- 7:58
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 9:32
天候 | 行動中は晴れか曇り テントに入ると雷雨の日も何日もあったが基本天気には恵まれた 風はあったりなかったりで基本暑かった 気温は昼は18~30℃を指していた 朝は10℃前後 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
その後上高地へ富山電鉄と高速バス、路線バスを利用して移動 |
コース状況/ 危険箇所等 |
それぞれの山で多様な登山道で面白かった 上高地はブヨ、スゴ乗越小屋あたりは蚊が多い 虫除け持参推奨 |
その他周辺情報 | 上高地は槍沢ロッヂまで風呂がある(槍沢は15:00~17:00) 五色ヶ原山荘は宿泊者のみ風呂に入れるらしいがシャンプーなどはないとのこと 双六小屋と剣沢小屋のみ水場に石鹸があって最高だった 飲み水が出るのは黒部五郎小舎まで それ以降もそのまま飲んでも自分は大丈夫だったが、浄水か煮沸推奨 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
きっかけはアホの友達(そんなに登山経験ない)が2年ほど前に言った一言
「上高地から室堂まで縦走してみたくね?」
当時はやっぱこいつアホだな〜としか思わなかったが、北アルプスの魅力に取り憑かれた今年、この言葉をふと思い出し実行することにした。
槍も剱も行きたいけど、どっちも家から遠いしいっぺんに行けばいいやというノリでもある。
【日取り】
ヤマレコのらくルートで最低9日間必要であることがわかっており、予備日4日、休養日1日を加えて2週間の休みを取った。
【装備】
普通のテン泊装備に加え、10日分の食料と大量のモバイルバッテリー、ソーラー充電器などを追加した。
水場は豊富なことがわかっていたので食料は全てアルファ米、モンベルのリゾッタ、そして今は亡きカップヌードルリフィルをジップロックにそれぞれひとまとめにした。
60Lのザックにトップリッドと6Lのサイドバッグを2つ付ける形となった。
重量は水なしで17kg。
【所持金】
テン場で10泊して2万円、ピンバッジ集めて5000円、食料足りなくなったら1万円、帰りのアルペンルート代5000円。そこに2万円の余裕を持った。
【行程】
-2、-1日目
この縦走の前日は職場の人たちと富士山に行っていた。
0日目
移動日とする。立山駅に駐車し上高地バスターミナルまで移動。そのまま徳沢園で幕営。ブヨに刺された。
この日がとうぶん最後の風呂となる。
1日目
背負ったことない重い荷物を担ぎ、上高地の単調な道に飽き飽きしつつ、どこで幕営するか考える。槍沢ロッヂでまったり食事していたらどっと疲れが来たのでババ平で泊まることに決定。この日のタイム4時間くらい。こんなんでこの先大丈夫か?
でも設営してすぐ雷雨となったので良い判断だった。
2日目
槍ヶ岳山荘を目指し槍沢を登る。
樹林帯を抜け先月に分割踏破したパノラマ銀座が見えたときには、背中を押してくれてる気がして少し感動した。
槍ヶ岳山荘テント場にて設営してゆっくりしてからアタック。
ガスったり晴れたりだったが、晴れ間には絶景を見せてくれた。
ゴールの剱が見たかったがそちら方面は晴れなかったのが残念。
この日も槍から降りてきてテントに入りしばらくすると雷雨。もしかすると自分は天照大御神なのではないかと思ってしまう。
槍ヶ岳山荘の中華ちまきが非常に気になっていたのだが、食料は食わないと減らないので今回はパスとした。
3日目
黒部五郎小舎まで7時間以上の道のり。
自分の限界は1日8時間までだと思って行程を組んでいたのだが、荷物が重いことを忘れていた。双六小屋で1泊しようか悩んだが、それだと短すぎるのでなんだかんだ黒部五郎まで行った。
西鎌尾根は序盤が思っていたより岩稜で重い荷物が枷となった。後半もアップダウンが激しいうえハイマツが生い茂りまくっており、暑いだの荷物が引っかかるだの文句が絶えないなかなんとか双六小屋へ。
割とリフレッシュできたので楽しみにしていた双六岳へ。こちらは平穏な登りで、景色も噂通りの美しい平原が広がっておりモチベーションが上がった。
そのままのテンションで三俣蓮華岳まで向かったところ、山頂にて雲ノ平方面から雷鳴が聞こえ急いで進み、とりあえず雨には打たれずに黒部五郎小舎へ辿り着けた。
三俣山荘へは遠回りしなければいけなかったため三俣蓮華のピンバッジが買えなかったことが心残り。そのうち水晶岳へ行くときにでも寄ろう。
4日目
ルートを決める際に黒部五郎を通るか雲ノ平を通るか悩んだのだが、元山岳部の上司におすすめの山を聞いたところ黒部五郎岳の名前が出たのを思い出し南側を選定。
黒部五郎岳は下から見ても上から見ても絶景で、歩いていて本当に楽しかった。こちらを選んでよかったと心から思った。
遠くなった槍に思いを馳せながら薬師峠を目指す。
これまた長い。そして暑い。あとハイマツ。
加えて太郎平小屋まで小屋がない。
その小屋が見えてからがまた意外と遠くて心が折れそうになりながらも進み、小屋からテント場はまた離れていて心が砕けかけた。
この日から自分の服を脱いだときに異臭を放っていることに気づいた。
5日目
5日目と6日目は表示コースタイムが5時間程度のボーナスタイム。だと思っていた。
しかし北薬師岳を抜けたあたりから左膝が痛みはじめ、だんだん激痛へと変わっていったのである。
結局大幅に時間がかかってしまい、痛みとの戦いで楽しめなかった。(薬師岳自体は美しい山で楽しかった)
薬師〜間山がわりと岩稜なところがあり、軽装なら楽しいだろうがこちとら荷物が重いので辛いし怖かった。
北薬師手前で休憩していた親子に「お子さん連れて結構険しいとこきましたね〜」と話しかけると「こんな険しいと思ってなくて…」と。自分もだ。
しかしこの先の方がキツいと教えてもらい戦慄するのであった。
スゴ乗越小屋でのんびりしていると、翌日通る山の同定をしている会話が耳に入ったので地図をお貸ししたところ、「実は膝を痛めてしまって〜…」みたいな話になり、テーピングを分けてくださった。
おかげで翌日の険道を乗り切ることができた。
6日目
朝になると膝の痛みも多少良くなり、コースタイム5時間だし、倍かかっても夕方までには到着できるとの判断で先へ進む。
が、荷物を背負って下り坂を歩くとやはり少し痛い。
しかしまあテーピングも巻いてるし膝に気を遣って歩きながら進もうとした矢先、初っ端からどうあがいても膝に優しくできない岩ゴロゴロの道。
加えて前日までとは全く違う樹林帯であり、虫が多くて気が狂いそうだった。
そんななか羽音をイヤホンでごまかしつつ歩むことになったスゴの頭と越中沢岳は、とんでもない岩場、ザレ場の急登で、ペースが遅すぎてヤマレコがペース計算を諦めてしまうほどだった。(ペース表示が停滞時の表示になっていた)
北尾根はゆるやかなのに南尾根はドギツい。あれは下るのも嫌だがやはり登る方が嫌だ。
という感じで苦行でしかないながらもなんとか五色ヶ原へ到着。
この日は今回の縦走の核心部だったと思う。
五色ヶ原山荘のテン場も遠い。しかも、ここまで毎日コーラを買っていたのだが売ってない。
仕方なく長いこと食べていないパンを買い、設営&一服。
前日テーピングをくれたお兄さん方がこの日も会えたので挨拶したところ、また頂いてしまった。
申し訳ないので食べ物でもなんでもお返ししたかったが、食いかけのお菓子とジップロックにぶちまけたインスタント食品しかなく、小屋も遠いので、余っていた粉コーヒーをお渡ししたら(多分)喜んでくださった。
7日目
獅子岳鬼岳龍王岳というボスラッシュ山名にビビりながらもテーピングを巻いて出発。
正直名前負けで助かった(龍王岳はキツくないの知っていたが)。というかスゴ〜越中がヤバすぎた。
龍王から眼前に見える立山と剱岳に圧倒され、ワクワクのまま一ノ越へ向かう。
ここまでは知らない場所であったが、立山には一度来たことがあるので、知っている場所の安心感がすごかった。
ただし前回はガスにより真っ白で何も見えなかったので景色は違って見えた。
上高地〜槍までは外国人が多く、以降はめっきり見なくなっていたのだが、一ノ越から雄山は外国人だらけでめちゃくちゃ人が多かった。
大汝以降はまた減ったが、やはり観光地なんだなと実感させられる。
荷物がずいぶんと減ってきて、サイドポケットを中に入れれるレベルになったため、大汝休憩所で初めて小屋メシを注文した。野菜たっぷりの豆カレーで栄養が体に染み渡った。
別山乗越から剱沢へ降りるのがまた急勾配で膝に来た。
剱岳の手前にテン場があるあの光景は決戦前夜という感じでめちゃくちゃ興奮したが、やはり見えている割に遠くて萎えていった。
設営後、1着分だけ持ってきていたがなんだかんだ着替えるタイミングがなかった替えの服に着替えた。
早く風呂に入りたい、早く家の布団に入りたいという気持ちが強くなり、剱岳登頂後もう1泊する予定だったがそのまま帰ることを決意。
8日目
テントを撤収する必要がないので早めに起きて飯を食い出発。
アルペンルートの終バスが16:30くらいと割と早いので、鎖場の渋滞なども考慮し4時にテントを出た。
結果的に渋滞はなくコースタイム通りに帰ってこれたので余裕を持てた。
剱岳自体はガスがなく高度感満載で、高所苦手な部分は少し出たが、思っていたほどめちゃくちゃ怖くはなかった。登るのに必死だっただけかもしれない。
岩登りそのものはとても楽しかった。さすが一般登山道トップクラスと言われるだけあって登りごたえがあったが、なんなら少し物足りない気もしたので、大キレットや剱のバリエーションも挑んでみたいと次の目標に繋がった。
下山後は剣沢小屋にてピンバッジをどれにするかめちゃくちゃ悩んだのち、テン場に戻って撤収。
盗難が相次ぐテン場(しかもニーモ)なので不安があったが無事待っていてくれた。
その後4時間ほどかけ室堂へ戻り、完走した実感もあまり湧かないままバスとケーブルカーに乗って久々のマイカーに乗り込んだ。
【総括?】
まずはテーピングくださったお兄さん方ありがとうございました。
巻き方わからんのに持っててもしょうがないやろと思って持参しなかったが、思っていたより電波の通りが良く、調べて巻くことができた。やはり救急アイテムは持っておいて損はない。
当の膝に関してだが、今年の初めになぜか登りで痛むようになった。(冬山だったから歩き方が違ったのかも)
しばらくして痛くならなくなったので大丈夫なんだろうと思っていたが、さすがに負荷がかかりすぎたのだろうか。
なお下山する頃には両膝とも痛かった。
加えて、ザックの腰ベルトを巻く腰骨の部分が1日でも痛いのに、後半になると内出血やら擦り傷になっていてこれも痛かった。
黒部五郎〜五色ヶ原間がわりと苦行だったのは、膝や地形もあるだろうが、なにより飽きが来たのかなと思っている。
上記を踏まえると自分には3~4日が限界なのかなと思った。
自分はテンション、モチベーションの上がり下がりが激しいことにも気づいた。暑さ、ハイマツや虫が鬱陶しいといった理由で一気にモチベが下がって辛くなる。
夏山向いてないのでは?
足手まといになりたくもなられたくもなく、少し現実逃避的な目的もあったためソロでの山行であったが、思ったより寂しくはなかった。
さすが北アルプス、なんだかんだ結構人がいる。
景色を眺めながらのんびりしたり、寝たり、写真の整理をしていたら暇ということもなかった。
槍も剱も初だったが、初でいっぺんに縦走するのは無謀か?という不安も多少あったがそんなことはなかった。
その2座はどちらもアタックザックで登ったため、全荷物を担いでいた道中のほうが危なっかしい部分があった。
なお夕方は疲労、朝は寒さと眠気に負けて早寝遅起き気味だったため、疲労はその日のうちに結構回復できていた。
今回最も感じたのは風呂と洗濯の有り難みだった。
1週間風呂に入らず着替えもしなかったのは初めてである。
3、4日目よりズボンや靴下を脱いだときにえげつない臭いがし、いくら干してもなんかベタベタするので、行動中は問題ないが寝るときが非常に不快だった。
下山後の温泉は人生で最も気持ちよかったと言えるだろう。
しかし日焼け、靴擦れ、あせも、テーピングのかぶれ、ザックの布擦れなど身体中傷だらけで湯船には足しか浸かれなかった。シャワーも痛かった。
…などと文句やら何やら書き連ねたが、それでもやはり終わってみれば楽しかったという気持ちが強く残った。
初めての長めの縦走、憧れの山への登頂、絶景、達成感。
日に日に離れていく槍、近づいてゆく剱を見て毎日自分に感動していた。歩いてきた道がよく見える山脈は良い。
貴重な経験ができた。フリーター最高。
途中で聞いたのだが、どうやら剱岳スタート(今回とは逆ルート)が主流かつ楽らしい。実際そういう方をテン場で何人か見た。
だが黒部五郎は間違いなく東側から入った方が楽しいし、剱岳をラスボスに据えれてよかったので後悔はない。
反面、予備日を予備日以上にしたくなかったので悩んだ末にやめたが、ここまでスムーズにいくなら黒部五郎小舎で2泊して水晶岳までアタックすればよかったなと少し後悔。今度裏銀座でも行くか
行動中は暑いな〜と思っていたがそれでも20℃強。
久しぶりに下界に降りたら40℃弱あって死ぬかと思った。書いている今もしっかり夏バテ中である。
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