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前居住者の坂口氏はどうやら尿から相当量のシュウ酸カルシウム・リン酸カルシウムがお漏れになられていた御様子で、和便器に設置した仮設洋便器を外してみれば「うわっ」と思わず声を上げてしまう程の尿結具合だった。ホウレンソウの過剰摂取か？肉食べ過ぎ？運動不足？
越して早5年と半、そろそろ解決せねばなるまい、と重い腰を上げた。
実は前に一度、トイレマジックリンでかなり念を入れて擦ってはみたもののビクともしない尿石に匙を投げた経緯がある。
ネットで調べてホームセンターへ便所の尿石除去剤を買いに出た。
思いの外高価で、10ドル程度奮発して購入。家内にタスキを渡した。
しかし一向に掃除に向かわず(トイレの神様はどうしたっ！)、ええい俺様がやってやるワイ。
実はこの段でも正直な所、前回の件もあって大した期待は持っていなかった。
「混ぜるな危険」もあって結構気を遣って説明書通りにトイレットペイパァ貼り付けて、そこにシュッシュッシュッシュと噴霧して置くこと30分。便所タワシで期待せず擦ってみるや、あいやぁ！落ちていくよ。
しかし長年に渡ってしがみ付いてきた相手もそうは容易く軍門に降るわけにもいくまい、と粘る。
3度、4度と繰り返しシュッシュした暁に、さしもの結石もようようトイレットペイパァに絡め捕られてブラックホウルへと吸い込まれていった。さらばカルシウム。
ピカピカに 生まれ変わって 陶の肌
何事も、とっとと解決せねばイケマセンネ。
そう、人生はかくも短い。
便器取り替えという安易な解決に向かわないところがエラい。気になっているのに何年も放っておいて、やってみたら全面解決ってことはたくさんありますねえ。やっぱりこういうのは男の仕事でしょう。
このタイルと、臭い消しのマキの束が美しいです。
中学生の時、学校の便所の便器を外して（汲取式だったので、引っ張れば外れた）、何十年も磨いてなかった裏側まで磨いたことがありました。その時になんだか一皮むけた感動を味わったのをおもいだした。
気になっているのに何年も放っておいて、やらなければならない何件かの仕事がまだぶら下がって〼。やってみたら全面解決というのは山でも覚えがありますね。
禁忌でもないですが、ウンコ付いた便器を磨くという中坊にとってのタブーを超えた先に、実は身近な”桃源郷”を発見する、というのは初期の金八先生の話にもありました。いいよねぇ。
写真１、実は途中経過写真であって、着手前はもっと酷かったのよ。
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