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今やBGMとして、バーは言うに及ばず蕎麦屋にスタバに焼肉に、それこそ皿うどん屋にもジャズ、ジャズ、ジャズ。。。20年前には考えられなかった事態だ。
以前、ヒッチハイク沢登り行脚の最中、立ち寄った鹿児島市立美術館でモンクのソロ(確かロンドンコレクションだった)を流していたのにはいたく感心した覚えがある。ソロが続いたので有線ではなかったはず。あんな空間にもフィットする鬼才モンクのソロピアノ。それを館内音楽として採用するキュレーター？のセンスの良さよ。
入学してすぐ、大学探検部時代の19で始めたヒッチハイクでこれまで乗せてもらった車は優に200台は越すと思う。
記念すべき第一台目は、1989年6月の後志利別川下りを終えた今金町だったので、当時小学2年生だったはずの栗城史多(くりきのぶかず)氏と擦れ違っていたかもしれないと想像すると、楽しい。
中には、1989年夏に乗せてもらった車内で当時私が始めた川遊びカヌーの話をしたオジサンが、10年後の1999年にまたオコタンペ湖で拾ってくれて(話しの最中発覚した)、私の話を聞いてその方もカヌーに乗るようになった、何て楽しい話もあった。
結婚後37の子連れでも中禅寺湖畔でやったことがあるし、台湾でも、確かシリアでもやったと思う。ヒッチなんて、途上国では至極当然の発想行為だ。
で、乗せてもらったそれら車でジャズが掛かっていた件数は、、、、、2件に留まる。たったの2件。。。
ジャズがお洒落ミュージックとして聴かれるようになったとはいうものの、実際の割合たるやその程度なのだろう。
●一件は札幌の新聞社労働組合員、掛かっていたのは「Art Pepper meets the rhythm section」
おわちゃー、ベ―――シック。�Г�いい。村上春樹は�イ�イイと。
これを機に聴き直してみたところ、ペッパーは言うに及ばずリズムセクションに緩みも隙もない。中でもドラムスのフィリージョーが突出している。メンツ好しジャケ好しワンホーンの編成好し、スタンダード中心の選曲、技師ロイ・デュナンによる高音質録音とくれば、定番の要件を悠々と満たしているといえる。残念乍、未だ個人的愛聴盤にはない。
●二件目は「Night Lights/Gerry Mulligan」
乗せてくれた方のお顔が浮かばない。しかしこれまた定番中の定番！ これをジャズと聴かされて、嫌悪する御仁はまず居まい。ジャカましさの無い穏やかでアーバンな雰囲気の横溢する"夜の"ディスクで、村上春樹の大愛聴盤と聞く。こちらは私も好きで、表題曲を聴きたいがためにトレイに載せる。たまに、だが。
この盤の表題曲”Night Lights”はリーダーであるジェリー・マリガン作の名曲で、ここではメイン楽器のバリトンサックスを傍らに置いてピアニストに徹しているのがまたニクイところで、テクニックに依存しない情緒溢れる訥々としたピアニズムでトランペットのアート・ファーマー共々、この曲の髄を引き出している。
今日日CDでこの盤を入手すると「additional track on compact disk only」の�А�Night Lights（1965 version）」がオマケで付いてくるのだが、これがまたイイ。誰も言わないけど。ここでもジェルは、またしてもメイン楽器ではないクラリネットを吹くのだが、ストリングスをバックにムーディーにキメている。この曲調にバリトンサウンドがそぐわないことを察知して弁えたのだろう。個人的には、いっそのことバリトンでも演って欲しかった。いや、あるのかも。その有無については、村上さんならきっと御存じのはずだ。
20年程前、台湾での大渓谷遡行を終え、戻ってきた大都会台北で乗せてもらっていたボルボの革張シートに疲れ切った身体をズブズブと沈めていたところ、ラジオから唐突に流れてきた同曲(�，任呂覆��Г諒�)にかなり驚き、興奮した。隣のイシザキの野郎と「うわっ、何でコッチのこの曲！？流石は台湾、何てハイセンスな！」と目を合わせた。きっと、どこぞのウェスタンの仕業だろう。疲弊した身体に大層心地良かった。アーーーーバンッ！
為に、数時間後の宴席で度数高い高粱酒の乾杯ゴルジュに果敢にも飛び込んで揉みくちゃにされて、、、、撃沈す。
然もありなん。
ちなみに女性が乗せてくれたことは、、、これまた2件に留まる。たったの2件。。。
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