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2億年以上前この地は、はるか数千km彼方の赤道洋上にある海山で、その海山の上にサンゴ礁が発達した。海山は、そこから数千kmの距離を、数千万年単位の時間をかけて今の日本列島のこの場所までやってきたという。
そんな石灰岩台地に真北を向いて立つ。
その原点の目の前の東西面が、西は追ヶ谷・東は椿洞と開析を受けて浸食され、目の前に一本の明瞭な山稜を現した。
また、その点の尻側、南面も黒部川の様な長い馬蹄形状に浸食を受けて稜線が取り残された形となる。
今年度、間伐施業の為の森林作業道が、この点を掠めるように開設され、あろうことか車でのアクセスを可能にした。
その0次元原点から、浸食を免れた石灰岩台地に向け、北の方角に歩き出した。
とはいうものの、その稜の両側はやや間伐遅れの植林された暗い人工林が続き「神のおわす道」なんかではない。ただ、両岸にはかなり急に切れ落ちた部分もある。
その1次元空間を行程の3/4程辿ると明瞭なそのリッジはいつしか急斜に吸収され消失し、残る1/4行程は平均傾斜37度の石灰岩3次元急斜面と変化する。ここは、石灰岩体の縁辺に当たる。軽装とはいえ登るに病み上がりの身体には些かキツイ、休み休みながら喘登した。
傾斜の強いガラガラの石灰岩帯が何の前触れもなく傾斜を無くし、あっけなく2次元台地上に到着したことを知る。
台地に上がって自然林を歩き出すや、ザザザと音がして鹿が一群れ緩斜面を駆け上がって行った。
こんな遠隔地にも、ヒノキの植林が為されている。果たして真に収穫を見据えての植栽だったのか?
地図でも明瞭な、石灰台地特有の凹地を歩いて見た。鹿道が縦横に錯綜し、ドリーネの底には頭骨付の鹿の角が落ちていた。
ドリーネ底に立った途端「うわぁああーーっ」と地下の洞穴へと吸い込まれてしまった!ということもなく済んだ。
冬の景色を想ってみたりした。滅多に人の来ることのない、ここは鹿にとっての楽園なのかもしれない。
往路を慎重に戻り、原点に戻る。
これもまた、私にとっての異次元への入口だ。
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