一年

　今年もまた例外なく入梅し、ヤマレコでの「日記」を書き出してじき一年になることに気付く。
　個人的日記は確か高校3年生からこんにちまで(交通事故入院期間一ヶ月を除いて)書き続けている。
　ヤマレコ上のは日記であって日記でなく、というよりかは「特別枠」だと考えている。

　当初の目的は、作文能力の向上とタイピング訓練を兼ねての事だった。
　書くことによって初めて見えてくる地平もある。
　私は論理的思考能力に難があることを自覚しており、文章の組み立てに苦労する場面が多々ある。

　これに気付いたのが大学入学後入部した探検部でのことだ。
　探検部の性質上、活動が鈍化する秋の探検「端境期」に『探検とは何ぞや』といったそもそも論がぞろ噴出し、着地点の見えない論議論争がシラフの部室内で、また部会後に飲み屋に流れた後もダラダラと語られ続ける期間が毎年設けられるそうな。
　そんな中、皆が一足飛びに理解できる「根拠からの結論」の矢印が、どうにも理解できない、もしくは即時理解に及ばないことが多くあった。障害？いや単なる能力の欠如のようだ。

　果てしのない妄想を原動力に、下手をすれば中身すら問わずに丸暗記気味に受験勉強を塗り重ねて辛うじて合格した二流進学校出身の私、片や「高校時代の遊び過ぎが祟って一切勉強してこなかったからココしか受からなかった」という超有名進学校出身者たちとの同居。

　やはり「Only power No brain」一派の私としては、聡く賢く押せない為にさして無い力でついつい押し切ってしまう悪癖がある。家内との関係もそうだ。それが私の限界なのだろう。分をわきまえ、それでしか出来てこなかった仕事もあることを慰みに、家族で前に進む他無い。

　利発に過ぎる人間が見落としがちな「肝」を、愚鈍な私こそが取りこぼさないように。