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4年前まで私も現場作業員として経験あることなので、理解できるし同情もする。
日給月給制において出勤日数が稼げないと、月給十万を切ったりもする。
さりとて身体を動かそうにも動かせないモドカシサよ。
朝が来る度毎起き上がることすらできず、
「今日も出社は無理だ・・・・・」
「今日も」
「また、今日も・・・」
完治せぬまま出社しようものなら、日射に炙られて「振出しに戻る」。
何としてもこの時期の皆伐作業は過酷に過ぎる。
間伐作業はまあいい。
木陰があるから。
伐れば伐る程に木陰を無くし、直射日光に炙られて逃げ場を無くしつつ追い込まれる作業になる。
皆伐跡地に植栽した若木苗を保育するための下刈り作業もまた、過酷也。
この時期、車で走って頻繁に見掛ける道路わきの草刈り作業とは一線を画す大変さで、平坦地ではない、急傾斜地で且つ足場が悪過ぎる。
皆伐作業時に林地に切り残され積まれた枝条(無用な枝や材の取れない梢部分)の上に乗って、不安定な体勢で刈払機を抱えて植栽苗以外の雑草潅木を見極めて刈り取る仕事だからだ。
また4、5年経過してのその作業は、今度は粗朶(そだ)のように積まれたその上に立ち込もうにも枝条が腐り出す段階で、折れて嵌まり込んでしまう。炎天下に、である。
現在この仕事を請け負ってくれているのが七十を過ぎたオジサンで、引き継ぎ手も居ない。
それはそうだ、こんな仕事ができる若者はこの時代に殆んど育ってはいない。
この時期の皆伐作業は過酷に過ぎる。
比較できる仕事などあるのだろうか?
「七帝柔道記」を読んで、毎日の逃げ場無い練習の日々に通づる過酷さを感じた。
林業の過酷さ労働負荷を医療従事者に問われた糖尿持ち親方のキヨッさは「比べられるモンが無い」と答え、困った質問者の「じゃあ、土建業と比べたらどう?」の問いに対して一言、
「話にならん(位に林業に比べれば土建業は機械化も進んで楽だ)」と。
重機のオペレーターはまだいい。神経は遣うが何にせよ座って居られる。伐倒者、荷掛者はホント大変なんだ。
急傾斜地で受け口を掘り、追い口切りして矢(楔)を打ち、ヨキで伐倒する行為の大変さを文面で伝えるのは甚だ困難だ。木一本でも大変だというのに、それを日に2、30本、おまけに大径木だと回り込んだり矢を4本も5本も打って、何度もヨキで叩かなくてはならない。右打ち、左打ち、足元打ちならまだしも時には肩の位置の矢を叩かなくてはならないこともある。
これでは身体が幾つあっても持たない。普通、勤まらない。
とんでもなく、キツく、ツラい。加えてアブナく、汗まみれ。
労働の割に給与は安く、遣り甲斐を見出さないことにはこの世界に身を置き続けることはかなわない。
そんなで、後継者育成問題は林業界における懸案事項の一つになっている。
登山の世界には適性を持った若手が居ると思うのだが、学歴を捨ててでも飛び込んでくる人材は中々居ないなや。
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