当初は病気に対する体制の不手際、対応の不十分さから様相は悪化の一途だったが、週三度の点滴を訪問看護の範疇で施してもらうことにより散歩するまでにそこそこ復調して安心したのが夏を越した秋までの事。それも束の間、気温低下と共に夜の散歩も辛さを増すのに合わせるように、散歩の距離も日に日に落ち出して11/26を最後とした。以降、自宅にて療養中。
半年経過し、連日の介護にも流石に些かしんどさも滲んできた。土曜や昨月曜には仕事中に電話入って中途退社で実家へ。
家内は実によく対応してくれているが、それでもやはり3人の児らの面倒見の方が優位に立つ。
糖尿病緑内障発症で母の付き添いに対して「見えん、出来ん、アカン」を連呼する父に対しての鬱憤も溜まる溜まる。
3人目の娘も就職を決めあと三月で片附くというのに、姉は一体どうしてこうも手伝ってくれないのだ! 実母が懇願しているというのに。
日本は何故にこうも一人に看護の責を負わせる国民性なのだ?
おかず一品作って、3日間とは言わない、たったの数時間看るのを交代してくれるだけで介護者が如何程楽な気持ちになれるかを何故に解ってくれない?
うおぁ〜っ、頭が煮える〜っ!【赤字】
愚痴が脳を渦巻くそんな折、劇場へ映画を観に出掛けた。
「赤穂浪士」(松田定次監督作品、昭和36年作品)を。
こんな時に観る映画だからこその効用を思い知る。
殊この”武士道倫理の卓越性”にカタルシスを得る効用といったらない。内田樹先生もそう仰る。
先週には宮本むなし、ではなくタケゾウ、宮本武蔵の映画を観た。
看板にあったその古いポスターには
「総天然色 宮本武蔵 巌流島の決斗」とあった。総天然色!
井上雄彦のバガボンドも読んだが惹き込まれるほどに興味は持てなかった。ただ宝蔵院胤舜(ほうぞういん いんしゅん)が印象に残る。
「宮本武蔵」映画でも、”巨匠”内田吐夢監督作品ということで勇んで出掛けた。
内田監督作品内でも宮本武蔵物は幾つもあるようだが、邦画の傑作「飢餓海峡」と同年作品ということで過大な期待をして観るも、アレレという感想だった。単品で観ると修行シーンも省かれて武芸者としての宮本武蔵、佐々木小次郎にその厚みや強さが透けて見えてこない弱みがあり、上滑りした印象が植えつけられたまま二時間が過ぎてしまった。やはり原作の厚み違いなのか。
小次郎に高倉健。ちょんまげ姿が愛おしい。当時としては、浅野忠信風の立ち位置とお見受けした。
有名な?箸で蠅ツマミシーンも楽しんだ。
決斗シーンは一瞬、清々しいほどの潔よい終劇だった。退却も早ぇ。
受付で何故か販売していた「高倉健ポスターカレンダー」を衝動買いしてしまう。凡そ16ドル。
菅原文太だったら尚良しだった。
赤穂浪士首領の大石役、片岡千恵蔵の突入後の太鼓連打シーンは奇妙に心打つ。宮本武蔵でも千恵蔵氏は、主役に好意的な役の細川家家老の長岡佐渡を演じており好漢だった。
退館すると、アーケード街には最近聞いたヴィンス・ガラルディトリオ「Skating」が流れていた。
年末感の横溢する、柳ケ瀬での出来事だった。
こんにちは。
先週末まで十日間韓国出張で留守にしていましたが、山レコだけは観ていました。コメントの返事を「火の車」に書いておきました。
ロイヤルで「宮本武蔵」をやるのを知っていましたが、ばたばたしてしまって観ず仕舞いでした。高倉健は内田吐夢が育て、抜擢した役者だということはあまり知られていません。その後の活躍は吐夢の目に狂いが無かったことの証明です。
古いですが錦之助と阪妻は、「これぞ天然色のスター」ですね。彼らにはスクリーンに映るだけで拍手がおくられました。。。阪妻の「無法松」はシロクロだったか。
コメントに感謝します。
船で韓国でしょうか?違う?
高倉健が内田吐夢監督の御めがねに適った役者だとは初耳でした。好い情報でした。
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