|
前日に下見しておいたくせに乗船日当日、バス乗り間違えて大いに汗った、いや焦ったことを今思い出した。そんなマズイ経験の上で、それに類する夢を後に幾度も見た事も合わせて思い出した。
乗ったる船は、かの北杜生氏が著書「どくとるマンボウ乗船記」に書きたる照洋丸。ただ、氏の乗った船は初代で、私の乗った彼女は1972年竣工の2代目だった。今は1998年5月12日竣工の3代目だそうだ。
春からの三月に渡る乗船中はまあ、色々と有った。良い思い出、そしてそうでない思い出も含め、中々に得難い体験をした。マグロも食べたしサメも食った、稀少で貴重な機会があったというのにカ●を食べなかったのは返す返すも惜しまれる。いや食事に出掛けたのではない、調査という目的の元出掛けたのだった。当時俄かに認識されつつあった自然保護の観点からの混獲調査だったと記憶する。
閉鎖空間である船内には部署部署のヒエラルキーが存在し、その部署内にもまたそれぞれのヒエラルキーが在った。
というよりも孤立無援の海上にて、船という一つ最小限単位の世界が間違いのない機能を発揮する為にあるべき存在というべきか。絶対的上下関係を確保の上での、情報や指示の確実な通達を求めるための古くからのシステムといえようか。
船長を頂点に、チョッサー、セコンドッサー、サードッサー、機関部、甲板(カンパン、ではないコウハン)部、事務部と食事の座席もそのヒエラルキーに則った配置が施されていた。私ごときでも、補助とはいえ調査員という役職上、居並ぶ各部長や船長はじめとするお歴々と同席して気の効いた会話を要求されもした。
そのヒエラルキーが維持されるために、不平不満の矛先になり易いのが「食」であり担当の事務部「シチョージ」（司厨手？マースケ1様、お教え願います。）だった。貧乏食の続いた学生時代を経ての配食もあって、私なぞ仕事をすれば配膳されるその食事を有難く頂いたものだったが、贅沢続きで有難味も忘れた人たちの中には当てつけとばかりあからさまに手を付けずに残し、自分たちで好きなものを各自拵えて飲み食いする連中も居た。
この手の徒党？を忌み嫌いがちな私としては、この料理長に肩入れしたくなる心情もあって、食後の甲板で重油臭に塗れつつ気の良いこの白髪のオジサンと海の話なんぞをした。
当時三省堂から御本も上梓しておられた女性サードッサーも同類ではあったが、乗船者唯一の女性とあり御苦労も聞いていた。会話中に食の話になって不満が出た折「シチョージの料理のセンスには疑問多いけれど、デザートのセンスは唯一評価できるわ」と申したのが、アイスクリームのことだった。あのー、料理長の料理とは関係ないと思われますが・・・。
乗船中の食後毎に出された「ハーゲンダッツ コーヒー」味、美味しかったなぁ。
「苦い経験なう」だったからこそ余計に旨く感じたのだろうか。
地球一周し帰国して以降、チベットで出会った悦っちゃんに第一号の青山店に連れられたり、あちこち探してみたもののコーヒー味にはついぞ出会えず仕舞いだった。コーヒーミルクでもコーヒーバニラでもないのっ、コーヒーなのっ！
幻の「ハーゲンダッツ コーヒー」は、どうやらハワイ限定商品で、豊洲からの最初の寄港地ホノルルで仕入れたモノだった模様。
だとすれば、尚の事食べてみたい。20年振りに。
最近の母は、私の淹れたコーヒーをやたら所望するので、そんな母にも食べさせてやりたい。
そういえば先達て、両親のデザート用に実家冷蔵庫に買って置いておいたH.D.アイスを食べてしまった嫁娘�〔辞◆�
そういえば先達て、両親の目の前で自分達の分だけ買って来てこれ見よがしに自分らばかり食べていた姉姪�¬鏑�！
鬼かよ、お前らっ！ 糖尿とはいえ、一口位あげてもエエやんかっ！ 母の言動がおかしくなったのは、目の前で美味そうに食べられたその翌日からだったって知ってっかよ！
これを禿奪ショックと呼ぶ。
女ってえのは全く、もう。
甘いモノには目が無いってか、柴崎コウちゃん？ 新春から始まる大河ドラマ、頑張ってちょ。
私の乗った船では
事務長 チーフパーサー
司厨長 チーフコック
水夫長 ボースン
甲板員 セイラー
機関員A オイラー（油注し）
機関助手 ワイパー（油拭き）
機関員B ドンキー（釜焚き）
通信士 スパーキー（モールスを打つ時には火花が飛ぶ）
等々です。「シチョウジ」は航海訓練所の練習船でも使っていませんでした。
他に面白いところでは操舵手「クォーター・マスター」というのがいました。４分の１船長です。船長が操舵手に「舵を40度北へ取れ」と命令する。操舵手は「Yes, Sir！」と勢いよく答えるが、実際は30度しか舵を切っていない。船長は酔っていて10度間違えたのだ。操舵手にとって船長は雲の上の人で絶対者だ。「キャプテン、間違っていますよ。」とはとうてい言えない。こっそり10度戻して正規の方向に船を進める。そういう役職の乗組員もいました。
この役職名はおおむね世界共通です。北朝鮮や中国だけはちょっと違います。
食事はキャプテンがイギリス人だったから英国スタイルで、夕食はいつもボーイが背後に控えていました。ホテル並みで、私はその点恵まれていたようです。多少窮屈ではありましたが。
maasuke１様
本年も宜しくお願いします。
多少の窮屈さだったというのは水が合っていた証拠ですね。
「シチョウジ」は「し‐ちゅう-ちょう」の転ですが「司厨長のお爺」の転かもしれません。
スパーキーは初耳です。関西では「はっちゃけた奴」といった意味と聞きました。
こんにちは。
macchan90さんが船に乗っていたのと同じ頃、インド洋のマグロ漁船が寄港する街で船員さんの運転手をして小遣い稼ぎしてました。
船の種類が違うと思うのですが、その船では一番偉いのは「船長」さんではなく「船頭」さんだったのを思い出します。
偉いといってもエバっているわけではなく、親方風で皆に慕われてましたが。
「料理長」さんも気のいいアンちゃんでカレーライスやらマグロ丼やらを御馳走してくれました。
アイスですがバニラアイスにエスプレッソ掛けて食べるのはどうですか？
それか自分で淹れたブラックコーヒーでゼリーを作ってバニラアイスと一緒に食べるのも結構いけますよ。
甕飛葉様、おはようございます。今頃どこかの割れ目でしょうか？
ややや、それは何処の街のどういったお立場なんでしょうか？ 1995年頃のバックパッカー？
対する船は商売船の様ですが、それの船員としての仕事は魚が掛かり出すと不眠不休でブッ通し48時間操業だとかの随分と”極(ゴク)い”話を聞きました。
アイスについては極めて有用な助言頂きました。
「無ければ自分で創意工夫する」いやいや原点を忘れておりました。お恥ずかしい限りです。
明日日曜に早速実践してみます。日曜が楽しみになってきた。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する