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猟氏とは2002年9月に北アで山行を共にして以来のことなので15年振りの再会だったが、偶にだが折りに触れてメール等の遣り取りはあったので出迎えた駅で抱擁だの握手だのは無く、淡々としたものだった。ども。
きっかけは実に些細な事だった。雑誌の頁下に僅かに掲載の情報から来岐の報を知り、これまで気に掛けて頂いた手前お返しの意もあって送迎を申し出た所、受けて下さった。
目的地に向かうまで時間もあったのでまずは拙宅へ。
私は来客を迎えるという状況ながらいつもそれら才覚ある客にスープカレーや〆鯖を作らせたりPCの設定させたりの性分で、猟氏にも折角のことなので、とアレコレヤマレコやってもらってしまった。
まずは噂のインドチャイ作りを頼んで、これに驚く。その場に現れた長女も目を剥く、コクある旨さだった。確かにネパールインドで飲んだのを思い出すような味で、キモは塩だったか！ チャイ ディノス。
包丁研ぎも遠慮なく頼むと、台所横に挿してあった包丁11本を、両刃片刃の説明付きですべて研ぎ澄ましてくれた。
更に、オマケ以上に紅茶葉の土産も使い古しの高そうなmont-bell服も数着置いていってくれた。
サミットへの移動の車中、アレヤコレヤマと話した。登山行為のこと、沢のこと、黒部のこと、旅のこと、カレーのこと、人のこと、家族のこと、井戸のこと、そして物事を思索するということ。来秋、沢へ同行する話も出た。
猟氏には深く感謝している。
思慮深い猟氏に折に触れ気に掛けて頂いているという事実が、これまでの私を如何に勇気付けまたそれが心の支えになったことか。
翌日の雨の別れしなに、その意を伝えた気でいるのだがそれが伝わったかどうかは甚だ疑問である。
それができていれば、世の中をこんなに不自由に渡っていることもなかろうもん。
しかし、胸のつかえが下りた気はする。ので、身のある週末ではあった。
帰宅して、来客子守をしながら調理をし、息子と咖喱に、いや息子とCURRYを食べた。
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