また、横手へは一度訪問したことがある。
ヨコーテいや、Coyote no.65「特集 MOUNTAIN STORIES 一瞬の山 永遠の山」を注文して読んだ。
先だって立ち寄った自由書房で欅坂姉さんと話す前に見知った情報で、山野井泰史、アレックス・オノルド、服部ブンショウ各氏の名が並んでいたので注文、購入に至った。
こんなに楽しみにして読む雑誌もそうないのだが、意外にも巻頭に置かれた串田孫一氏の文と絵が良かった。美江寺の蕎麦屋「更科」で、蕎麦より夢中になって読んでしまった。
山野井氏の話は、これまで読んだことのないエピソードを含んでおり、楽しんだ。高校時分にフリーソロしたという明星山末端壁「愛のスカイライン」の帰途でキセルして捕まった話、チョーオユーの単独無酸素での完登の帰途で進められたお茶を飲んでしまった話等々。
この人は、若かりし頃に(クライミングジャーナルだったと記憶するが)雑誌紙上で随分と生意気な物言いをしてきた過去があり、実際に実績も上げたしキツイ目にも遭ってきて、その延長線上に(死ぬことなく、生き抜いて)今があるといった人物なので、落ち着いた物腰にも理解が及ぶ。
クラック(ジャミング訓練)板が、廃品利用なのがいい。
岩雪やヒマラヤ関連の資料が並ぶ書架に「オレは沢屋だ」は見出せなかった(二人はダブル講演で会っているのであるはず)。
ブンショウ氏の「失われていく」という表題は、諦観を含んでいるのだらうか。
「素登り」という表現は、ボルダラーの大原秋彦氏が使った字句だったはずだが、それを確認するために「ロック&スノウ」のバックナンバーを当たると、それの掲載016号表紙は偶然にも山野井泰史氏であった! 大原氏は塩原の何とかいうハイボルダーを初見、掃除無しでフリーソロ初登しているユニークな人物として記憶に留めていたが最近は名前も挙がってこないなぁ。
さて、そのブンショウ氏の文章は、私がアウアウと表現しかねている登山界の不満さ加減をピシャッと文字化しており、留飲の下がる思いだが、やはり代弁してもらうのでなく自分の言葉で捻り出し語らなくてはいけませんね。亀田氏の写真が良い。
あ、伊藤比呂美の連載(西氏への未練?)も、谷川俊太郎の詩に付された下田氏の絵もヨカッタ。
「コトバを持っていないカラダは主張する ぬるぬるの自分自身で こちんこちんの自分自身で 時にはアタマもココロも裏切って」
あ、Coyoteバックナンバーの no.8『深夜特急ノート』も買ってしまった。これには沢木耕太郎氏撮影の、未見写真が幾つか掲載されていた。
あっ、今月号岳人誌、未だ読み切っていない。
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