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あの服部ブンショ―氏を、妻の観点から見た本とも解釈できる小雪氏のイラストエッセイ集である。
小雪氏のイラストには『Fielder』誌上の「ニワトリのいる暮らし」で触れており、今回上梓された当本は岳人誌上でも紹介有って関心はあったが、何せここのところの伐採仕事で肉体的余裕が殆ど無く、出版から約一月遅れでの入手で、20時就寝の1時目覚めのスッキリとしたタイミングで読了した。
出会いから結婚、出産、借家住まいで三人の子を成し、登山(と仕事と)を優先して中古住宅を弄りながら家庭を成立させていくその過程は我が家と重なる点多く、小雪氏とウチのヨメさとが、ダブったり将又ダブらなかったり。
巻末エッセイP.150「あなたみたいな人は子どもを作るべきではなかった」俺も言われたことがあるなぁ、当の本人に。
P.22、胎盤に興味を示すブンショ―氏。あ、ウチは夫婦で頂きました。
私が当本を入手して読む前から一番関心あった点はP.32の「日高全山単独縦走」の、裏側だった。
横浜の家庭は奥方は、一体どんな心境であの状況、つまり自分の旦那が連絡の取れない長期山行に出掛けて台風の直撃を喰らって音信不通になり、生死も定かでない事態を受け入れていたのか。警察や消防に通報しても詮無い、こんな心情に追い込まれる事態というのは21世紀、今の日本では有り得べからざる事であろうから。
あの人、死んでしまったの？ いや、そんなはずは。
生きているけど連絡がない？ 死んでいるから連絡がない？
この長期山行に際して編集部から「席を抜いて」きたと報告を受けて「あらま」と返す”アタリ嫁”も、やはりオロオロしていたことを知った。そりゃそうだ。私はあの時、あの性格なら死なず生き残っていると根拠も無く思っていたのだったが、結果として安堵した覚えがある。生きていると信じたい、けれど縁(よすが)とする情報根拠がない。しかしよくもまぁ、である。
「文です、生きてます。」
「生きていたんですよ【サバイバル登山家より】。」
その文末「一方で、冒険家が長旅から家族のもとへ帰ってくる光景は、人生の最も美しいソレとして私の心に刻まれている」は、和田さんの御本にもあったクダリだが、本人がソレを書いちゃうところが師匠ならではである。
今後の『Fielder』誌の連載が、お子達のその後の成長譚を含んで「狩猟な毎日�◆廚箸靴禿験�していくことを楽しみにしたい。
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