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先週歩いた記憶を頼りに尾根を辿ったのだったが、北上時には辿れた消失尾根が南下時には当て辛いであろうことは承知の上だったのだから、外したことは今で言う「想定外」ではなかった。それにしても何故? 二度、行きつ戻りつして確認した上だったのだが。
下降を始めてじきに、先週の記憶にない風景であることに気付いたので小尾根を越して修正を施した気でいた。しかし、間違った谷中で修正してもソレは修正にならないわけで。
下降した谷は黒い滝が連続して高捲きが思いの外悪く、一部肝を冷やした。おまけに現在地が不明でオマケに雨も強まって、おまけに気温は一桁で雨具も無く、オマケに、、、、、、、脱システムしていたわけで。
「私は今、現在地も不明で何処をどう下っているのかもよく判らず、そんな際にしてはならないと言われている沢の下降を行っている」
約束の時間までに待ち合わせ場所に届かないと色々面倒が起きそうだ。さりとて谷中で電話は通じまい。
しかしそのスリルを味わう余裕はあった。滑落や捻挫はマズいので、殊更ゆっくりと歩いた。杣道が出、導水パイプが出て、堰堤が視界に入ってホッとはした。
当初は先週から始まった作業現場へと上から到達するはずだったのが、外した結果、流域違い見当違いの道路に出てからお迎えを呼ぶ羽目にまでなった。今日に限って家内から借りていた携帯電話というものを持ち合わせていたのである。
今日の私は、地図も磁石も携行せずに歩いたのだった。近郊で、得難い体験ができた。角幡氏の日高山脈のソレをちょっと想像した。
帰途、綺麗な虹を見上げて登校の子供よりも早くに半ドンで帰宅し、明るい内から薪ストーブに着火して湯を沸かし、足湯バケツでキンキンに冷えた足の足浴をしながら、届いたばかりの辻まこと「山からの絵本」を読む愉悦にも浸った。
泥だらけの地下足袋を洗い終えた今は、ソニー・ロリンズ「on impulse」を聴きながら一杯ヤッている。レイ・ブライアントもイイ。
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