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名門・北野高校出で一浪で大学に入ってきて高校時代はラグビー部だったはずなので、あの橋下徹前大阪府知事とかなり近かったのかもしれない。
いや、過日観たホセ・ムヒカ映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」について、昨日の除伐作業中につらつらと考えたことを書いてみたい。
この映画を観るきっかけとして、監督があの傑作「underground」を撮った鬼才エミール・クストリッツァであったことは大きく作用し、鬼才エミ・クリが何に魅かれ何を知り何をどう表現しようとしたのかに私自身の関心はあったが、アングラや白猫黒猫にあったような展開を期待すると随分な肩透かしを食うことになる。ちなみに初めて拝んだその顔は、山岳部同期の石��系統のソレであった。
映画観賞中に、時代背景の基礎知識を得て臨めばよかったと少々後悔した。毎日新聞記者・萩一晶氏の書いた「ホセ・ムヒカ 日本人に伝えたい本当のメッセージ」を何年か前に読んだが、そんな基礎知識はすっかりと消し飛んでいた。
生々しい闘争の時代を生きた夫婦の人生と言うのは如何程のものだったか。拘束された13年間の監禁生活で、氏はそれを好機と読書をし、思索を深めて孤独をやり過ごした。脱獄して襲撃や誘拐、銀行強盗にまで手を染めて結果、大統領にまで上り詰めた男の波乱の人生は、今では日系人に学んだという花卉栽培や畑仕事をして穏やかな終末期を迎えている。
真に価値ある人生とは何か？ 観賞後、まずはそんなことを考えた。
アルピニズムが、数少ない価値ある行為であると言ったのは登山家・新谷暁生氏だった。革命と登山を比較する気は毛頭無いけれど、この小っちゃいオジサンはウルグアイの民衆はもとより世界で氏を知る多くの人々から敬意を払われ、年老いた今も貧困にあえぐ方々に対して奉仕活動を続けて価値ある人生を送っている。
スネアドラムの集団演奏を聴くと、25の頃に旅したペルーやメキシコの記憶に私自身が一気に放り込まれた気になる。
ダウン症らしき障碍児を中心に街を練り歩く楽団がその演奏を大いに盛り上げるだけ盛り上げてラスト、その児にシンバルを「バシーン！」一撃させてグワーッと大団円？、という気の利いた演奏があったのを思い出した。相互扶助の演奏版というものだったか。
人生に於いて、音楽にもまた、旅することにも真の価値があるのだと思いたい。登山にもまた。あ、家族にも。
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