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昨日は仕事納め式があり、その前に土場に蓄えてあったタンコロの薪割をスッキリと済ませてから出席した。美山は岐阜よりは雪が多い。昨年に引き続いてコロナ禍で忘年会が開催されなかったため、飛騨牛と箱ミカンの支給があったが実に有難いことである。
今朝はNHKの「耳をすませば 女の道切り拓いて」を観た。今年亡くなった橋田壽賀子と篠田桃紅を取り上げていたので。橋田壽賀子はまぁ、いい。
篠田桃紅、私の中では前衛的水墨画家、という認識だがどうだろう。107歳の長命だったこともありここ近年、その手のエッセイを幾冊も出していた。
関市役所に併設されている「篠田桃紅美術空間」には二度ほど訪れたことがある。そこにあった説明書きだったが、祖父が芥見村(現岐阜市芥見)の村長を務めたとあって、親近感を持ったものだった。
この前衛画家にたいする評論家の評価は当時厳しく「根無し草」などと評されたと番組であった。正直、現代美術や前衛芸術に造詣の深くない私にとっても単に感じること以外できなかった。ただ、ジャクソン・ポロックなどの前衛画家たちが活躍していた当時のアメリカで活躍の場を得て、評価を得た。
評価の定まった世界で安住することとは大きく離れて、新境地を拓き確立した上で身を立てる。それも女性で。只事ではない。氏の語る言葉の端々に表れていたが、並大抵の世界ではなかったことと思う。それを踏まえた上で、悔いない人生だったことと思う。
大學を出て、隣の人がそうするように何の疑問も差し挟まずに椅子取り合戦に参加して、効率良く給金が貰える優良企業に就職する。そこで与えられた仕事世界で最大の力を発揮して世のため人のために人生を全うする。そんな人生にも価値多いけれど、我が子達には自分たちの適性を見極めて、つましくも身の丈に合った生業を見つけてくれたらいい。
『誰かに与えられることではなく、自分達から能動的に働きかけた結果得られる新しい発見を楽し』んで欲しい。【岳人誌2012.10「我が登攀人生に悔いなし」(嶌田聡;金沢大学山岳部OB)】
大層な退職金を得、与えられた残り人生を散歩してのみ過ごすだけでは埋められるものではない。真の大人は、仕事は自ら生み出す性質のものと思う。
そんな思いの下で、誰かから与えられたわけでない薪割仕事をし、書架の整理をしていたら岳人誌の切り抜きが出てきたのでこんな駄文をしたためた次第。
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