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四人で遅めの昼食を採り、長男は好きな作家である森某の出身大学である名古屋大学を観て廻ったようだ。私はといえば、栄のディスクユニオンへレコード漁りに本山駅から東山線に乗った。三連休とあって中々の人だかりで、そんな土曜の午後にロクなレコードなぞ拾えるわけもなく、CＤを8枚摘んで店を出た。あ、ジャケットが素敵なハンス・コラーのamadeo原盤(オーストリア盤）のアメリカ再発vanguard盤が一万円ちょっとで転がっていたが、視聴だけして購入はヤメにした(1990年あたりにKingから一度再発されかけたものの、版権の関係から販売されなかった)。音源は持ってんだから。
バレエ組との岐阜合流のために名古屋駅に向かう混み合った地下鉄の乗車口で、駆け込んできた女性を迎え入れた。改めて見直せば、ファッションセンスといい、髪型といい生え際に白髪混じりな年相応さといい、1995年秋にチベットでお会いした望月さんそっくりで、えっと思って下車の際にマスクの上の目を見てちょっとがっかりした自分を認めた。
旅先で出会った人と、地球上の別の場所でバッタリと出くわしたことが二度ある。
�＾貎楊椶六笋�地球一周を終えて沢登りを再開した1996年、行きしの鑑真号で同乗した木山君。屋久島で沢登りをしたついでに台湾香港と船で渡って旅した際に台北のバスターミナルでバッタリ。彼は果たして未だ、旅の途上だった。彼はその後、望月さんと色々とあったようだ。
�▲櫂織薺椶鯒愀覆砲靴針招遒気鵑隼笋�一緒に写った写真を撮ってくれて「帰国したら写真送るわ」と約束した香港人は、果たして写真を送っては来なかった。同じく屋久島沢登り後の台湾香港船旅の際に街中でその香港人の男とバッタリと鉢合わせた！ 「今度こそ送るから」と約束したが、果たして27年経った今もその写真は送られてはこない。私も気の長い方ではないのだが、もうちょっとだけ待ってみようと思う。
メガシティー東京に暮らしていると、旅の友との偶然の再会話はあると聞く。旅の恥は掻き捨て、に当たれば有り難くもない再会もありそうだ。これまでも、気付かなかっただけで、どこぞのショッピングモールや駅や集会の場でそんなすれ違いがあったのかもしれない。なかったかもしれない。そう思えるだけで、心楽しい。ただ、半世紀も生きていると、そんな塵芥、灰のような旅の出会いも時間という圧力を受けて小さな金剛石に変化する時と場合がある、と思いたい。
そんな意味においてならイスラエルやドイツのバックパッカーの「旅が人を成長させ、その人生を豊かにする」という陳腐な言い回しも一つの効用として多少なり信じてみてもいい。
そんなことを考えた昨夕、名古屋でのことだった。
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