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戦国〜江戸時代の元号は無理やり全部憶えました。どってことないです。そして次の段階として、それぞれの元号の物語をコンパクトに纏めたこの本。ポップな表紙の割に読み応えあります。何度も戻って読みます。武田、織田の滅びた天正10年、1582年が、グレゴリオ暦採用の年とは。これが最大の発見でした。
地学のススメ ブルーバックス
大学で地質学を修めました。地学という中高校生の理科分野は、本当の理系が選択しないところがやや寂しい。数学物理化学生物すべてを含む最もカバー域の広い総合理系なのだが。 ブルーバックス、背表紙は昔ながらの青印だが、表紙は変わっていました。今は地震と火山が大テーマなのに、日本の大学の地質学生勢力はお寒い限り。まあどこの分野も一緒かも。著者が、山を歩いて火山地質学の魅力に触れたところが共感する。自然科学は野外での体験から始まると思う。たとえ、大きすぎるテクトニクスといえども。最新の地学が盛り込まれていて、専門分野のアップデートができた。
馬と人の江戸時代 吉川弘文館
動力エンジンの発明で、数千年続いた馬文化が一挙に消えて無くなってしまった20世紀。つい最近まで連綿と続いた体感的な馬経験を知る世代がまた失われる日も近い。馬で耕し、馬で運び、馬で戦う。循環できる社会を夢見て読みました。著者は馬産地岩手大の先生。岩手県には馬搬、馬耕を実践する数少ない継承者がいると聞いた。馬産地の共通項は、米が穫れない気候、地形のところ。
木曽のおんたけさん 岩間書院
木曽御嶽山の宗教史的なハテナにすみずみ答えてくれるありがた本。山は歴史あってのもの。それも開山は1786年と、フランス革命とあんまり変わらない古さです。明治維新の神仏分離や修験道禁止を経て、開山者覚明上人は仏教徒なのに、御嶽講は限りなく神道風になった大人の事情もわかりました。今後どうなっていくのかな。噴火後の再開で、ハイカーは待ち望んでいた様子だったけど、信仰者たちはどうなるのかな。レファ本的に手元に置きたいです。
信州地名の由来を歩く ベスト新書
長野の地名が河内長野由来とは知らなかったです。 諏訪族、安曇族の由来、大きく知ることとなりました。伊那、木曽、須坂、深志、信濃の名の由来も。やはり信濃は渡来人だらけで、律令制度直前に、命名の由来がありました。木曽が信濃にあとから加わった事も成程。犀川の名は常々筑摩川ではないのかと思って来たのですが、そのあたりももう少し知りたかった。犀龍伝説以前のことが。地名の由来には動かぬ証拠は少ないけれど、様々な説を説得力もって読みたい。佐久間象山、荻原碌山、岩波書店、筑摩書房社長など、名前しか知らない人のことがスッキリわかりました。
私だけの安曇野 朝日文庫
辛口小説家、丸山健二氏の若い頃の安曇野エッセイ。こんな本があったのか。近所の古書店で発見。まだ途中です。若い頃も辛口です。著者がもともと県内転勤族で、信濃大町も故郷というわけではないけどゆかりが無いわけでもなかったことを知る。
子供の頃から二十数年を河内長野で
過ごしたものとしては、信州地名の由来を
歩くの、長野の地名の由来がとても
気になります。
ヤマレコにもよく出てくる
大阪南部の山、岩湧山の麓なんですが、
地名を加賀田と言い、かつて加賀国の人が
この地に田を拓いたことがその由来だとか。
そもそもなんで日本最古の仏像が辺鄙な信濃にあるのか。善光寺縁起には、仏教伝来の時一度は堀川に捨てられた仏像を拾って信濃の水内郡に持ってきた話、都で政争に敗れた物部氏由来の話、渡来人長野氏一族の話などありました。大阪市藤井寺小山に、元善光寺があるそうですね。その辺の堀江が、仏像拾ったところだそうです。100ページ、115ページあたりでしたよ。
仏教伝来の時一度は堀川に捨てられた仏像の
伝承地はあちこちにあって、
私の子供時代の本籍地が大阪市の堀江でして、
そこの阿弥陀池が最有力となってます。
物部氏の本拠地が現在の南河内、八尾藤井寺界隈
なんですが、蘇我氏に滅ぼされた時の屋敷跡
みたいなところも伝承として残っています。
弓削道鏡の七重の塔もそのあたりにあります。
(善光寺はその八尾や奈良の三郷にもあります)
「大国主の国譲り」の段に登場する「建御名方神」が
御祭神の諏訪大社ですが、「建御名方神」と物部氏の関係とか、
信濃の国づくりに物部氏が関係しているのか。。
なんてのも興味が湧いてきました。
ちょうど中学生の子どもが、歴史の宿題でさっき物部氏追放のところをやってました。そんな有名人がなんで信濃の辺境に、って思いますけど、善光寺と諏訪大社って、まさにその頃以来の揺るがぬブランドですもんね。諏訪上社の裏山が守屋山でもあるし。物証なきこの時代の諸説は仮説止まりなだけに、数ある仮説を俯瞰して読みたいです。そういう向きには、この本入口としていいと思いますよ。
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