しかしまだ最終期の造林補助申請が済んでいない。完了検査を受けるまでは、引き続き現場廻りの仕事は続く。
林業、と言って皆の良く知る所謂「間伐」や、皆伐後の「植栽」「雪起し」「下刈り」等の森林施業が「公益性」の旗印の下、事業費68%の補助を受けて行われている(岐阜県)。人件費は上昇する一方で、材価がここまで安くなった今、ボランティアでもない限り補助金を受けなければ誰もこんな業に手を出さなくなっている。この10年でも、随分な事業体や人員が撤退していった。
林野庁や県の定める造林補助の要件に見合うよう、一林業事業体として体制づくりが必要となるのだが、年度ごとに変化する補助要件へ臨機応変せねばならない事から毎年12月には「森林経営計画」にシステム上での変更を掛けて県認定を受け、その受けた認定の範囲内で次年度の予算配分の為の計画書を作成しヒアリングを受け、年度末になればその年に配分された補助金の確実な執行(消化)の為に立ち回る、というかなり慌ただしいスケジュールになる。ここまでが事務所内での話。
造林補助に不可欠な境界測量で動ける人間が我が社には実質私一人しかおらず、地図を渡して指示しても地図も読めずてんで間違った場所の写真やら標準地データが帰ってきて、結局私が再度取りに行く羽目に。境界も判断できない、山は歩けない、杭打ちも適正にできない、測量機器も使いこなせない。広い間伐地を代表させる10m×10mの標準地作成に至っては、本数率3割、保安林なら材積率2割の間伐補助要件も知らない。。。。おいおい、プロは何処にいる?
地元に割拠する一般的な林業事業体は、森林組合が一括して森林所有者から契約をバンバン取ってきて樹立した「森林経営計画」の計画地で創出された(搬出)間伐事業を「請け負う」というスタイルで仕事をして「棲み分け」ている。
補助金が配分されるように計画を作成する手間を森林組合が一手に請け負う一方で、林業事業体に専業性の高い伐採仕事を振り、プロとしての「伐って倒して出して運んで売る」作業を依頼する。そうしてお互いが持ちつ持たれつの共生関係を維持して、一方は事務手間から解放され、また一方では危険や過酷な労務からは解放される。間伐完了後は組合の専属人夫が測量をかけ、標準地を作り、完了写真を撮って廻り、貼り付けて書類を作成し申請業務を行った上で農林事務所へ提出、現場での完了検査を受けて合格となれば書類のやり取りの上で補助金が手元にようよう降りてくる。
私の今いる会社は、計画作成から伐採業務、測量、補助申請のこれらすべてを自社内でやっている。事務員は実質三名(内一名は作業道専属)。
バカぢゃないの?
加えて、従業員の分刻みの業務日報の提出が求められる実行経費方式の交付金事業にも手を出し、実績報告から写真整理まで年度末には提出する業務もある。
更に加えて、これもまた専門性の高い林業専用道や森林作業道の申請業務もほぼすべて自社内で収めている(森林組合ですら丸投げしている業務内容だというのに)。直営で森林作業道も開設しちゃったりしている。ホント、馬鹿ぢゃない?!
学生バイト程度の日給月給制で、専門性も高いこんなにもテンコ盛りの仕事、全くヤッテランナイヨ!
デカい木まで俺に伐らせおって!
サーカスまがいの特殊伐採までやらせおってからに!
ここまでくるともう、大馬鹿!
まあ、「山」ではあるし色々と面白いから辞められないんだけど。
ボヤキにも理があり、実情が良く分かりました。補助業界というのは完全に役所のシフトにはまってしまっているんですねえ。役所の人なみに書類書かなくてはならないとは。きっと将来の何かの糧になると思いますよ。
馬鹿は私自身なんですが、ココチヨイ同情に感謝します。
昨年長野県でありましたが、架空請求なんかがあると以降検査も増えるし(今年の長野県は検査内容が凄ェらしい)提出書類が増加の一途を辿ります。
先日の研修でも指摘されたことですが、役人の定める補助要件の中だけでアップアップ泳いでいるようでは林業界、事業体に未来は無いですよ〜、と。
石橋兄じゃに直訴すべぇか。
あかんだなぁ〜。
米さん、仕事で自宅待機仰せつかったようです。
3月にたき火しに行きましょう。
偵察してきます。
iharaどん
おお、行くべぇ、いくべ。鋸持って行くべ。
小舟で一杯やりましょう。いや、小舟は峠の北か。安房平でいいや。
そういえば、今造林補助の窓口になっている担当氏は、私っちと同年生でurawa高校出身の方だぁよ。
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