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寝床のラジオを付け、私の唯一の情報源であるNHKラジオ第一を聞くに、何と3時から高橋竹山特集が組まれている!早起きは三文の徳、か。こいつは春から縁起がいい。
2時台はゴジラを生んだ作曲家、伊福部昭特集。独学の作曲家、厚岸森林事務所に勤務と紹介があったので調べてみれば何々、北大の林学出で彫刻家の佐藤忠良とも交流があったとな。
高橋竹山といえば、私がコンサートと言うものに足を運んだ初めての演奏家で、1992年の函館市民会館だったと記憶する。あの頃も既に頭の中はジャズジャズしてたはずだったのに、なぜかお初がジャズではなく津軽三味線だったのは、私が竹山氏にジャズィーな匂いを嗅ぎ取っていたからだろう。すぐ後に読んだ中公文庫の口述自伝「津軽三味線ひとり旅」からは、氏の演奏に集積された個人的歴史が厭と言う程に読み取れた。
で、その際の興行に大いに感動して学業も登山も放っぽって三味線修行の旅に出てしまった程だった!という事も無く、函館のオッチャンオバチャンと共に大らかに演奏を聴いた。合間の理解不能な津軽弁(函館人には理解が及ぶようだった)での語りあり、高橋竹与氏との共演で終劇となった。
もしもTal FarlowやJim Hallが実際にジャズの観点で鑑賞しても、三味線ソロと解釈すれば彼らをして感心せしむる部類の演奏だったと思う。函館に暮らした際の、良き思い出の一つである。
思い出ついでに書けば、函館在住時にしておきたかったこととして棟方志功(と、縫道石山)には是非触れておきたかったので、この地によくある冬の曇った日に船で津軽海峡を渡り、青森にある記念館を訪れたこともあった。志功については以前から過剰評価されているとの思いが自身にはあるのだが、人気無く寒い公民館のような展示室で、やはり強烈な印象を残す作品にはここでも出会えず仕舞いであった(縫道石へは結局行けず仕舞い)。
函館では他に、Duke Ellington楽団にレギュラー・ピアニストとして在籍経験のある横山静子女史のピアノトリオ、そして大御所Duke Jordanトリオの興行にも立ち会えたのは幸運以外の何ものでもない。あのDukeが日本の一地方都市である函館に来るなんて、フツーあり得んぜ。
Duke Jordanのライブ時には当bass;ライル・アトキンソンの珍品レコードを持って行き、演奏後に興行主と交渉してみたら「君、これは面白いねぇ。彼らも喜ぶと思うよ。」と、バックステージに上げてくれた。Duke Jordanの手は、実にデカくてゴツくて且つ、柔らかだった。
地球一周時にはパリロンドンでは叶わなかったものの、リスボアでファドを、本場アメリカでは幾つか拾ってジャズライブにも出掛けた。その安いこと。英語が不能なので、John Bunch氏への拍手とBucky Pizzarelliへの握手のみ。
そして私の中で最高の想いとして残っているのが、Stacey Kentとの名古屋興行での対面だった。夜の会だったので確か万全を期して翌日の会社を休んで出掛けたはずだ。今ほどの知名度を誇っていない頃で、テロ対策も無く、あっけらかんと一緒に写真に納まってくれ、旦那の前ながら遠慮無く握手もした。携行したレア盤にサインもして貰ったのだったが今更ながらに「to macchan90」と書いて貰わなかったことを悔やんでいる。
総じて、興行というものに出掛けてはみたものの、記憶に残っているのは演奏そのものにはなく、単に「あぁ、行ったよね」という履歴のみというのは個人的資質に由るのであろう。そう、出掛けることに意義が有る。
竹山!!うらやましいですな。
札幌は厚生年金会館でのライブもありましたが、当時は余裕がなく行けませんでした。その数年後に他界してしまったので生演奏に接する機会はついえました。
生で会えることに、時間を共有できることに価値があるのだと思います。本図さんは残念でしたが、お互い生きてるうちにまたたき火しましょう。
しかし、サインだ、握手だ、と精力的なのはまっつぁんらしいなぁ!!
iharaどん
年を経るごとに益益人と渡り合って暮らしていくことに困難を感じている我が身にとっても、仕事を含めてやはり生身の人間と出会って時間を共有する価値については思い知らされることが多い今日この頃です。そんな中で、過去に同じ経験を積んだ人との時間の共有は特に貴重だと思ってます(剣沢の本図さんも同様)。
高橋竹山その頃生きていたんだなあ。
津軽弁は桧山(松前方面)南部弁は渡島(函館側)なんだよね、言葉も微妙に違うんだ。でも僕らが聞けばどっちもわからんとしかわからんです。この季節、函館青森の海はうまいもんばっかりなんだよねえ。
yoneyamaサン
ってことは、あの会場の何割かは私と同じ程度の理解度だったのか?
ま、私にとりアウェイであったことには変わりはないのですが。
函館や札幌に居たら美味いもんばっか食べてたんでしょ?とは言われるものですが、モヤシと鳥皮の記憶しかないのはシミテツ同様、です。あ、卒論でホタテはたーんと食べたな。
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