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当時は単に山奥に湧く温泉としか認識していなかったものの今回、家内や長男は『おぐりとてるて−説経節「小栗判官照手姫」』という資料を熟読してこの機に臨んでいた。となれば「つぼ湯」は外せまい。何でも、特段に薬効のある湯である、と。
つげ義春が漫画にしていてもおかしくない様な、風情ある温泉郷である。
開湯1800年の日本最古の湯だそうで、美濃和紙よりも歴史が深ぇ。
こんな、火山とは無縁の地に、何故に湯が湧く?
ここのみならず、紀伊半島の温泉は地下水が地下にあるマグマによって温められたあと、断層などの割れ目に沿って地表まで上がってきたものと考えられているようだ。今から1400万年前に火山活動があり、地下では火山活動を起こすためにたくさんの熱いマグマがあったその名残で今も完全には冷え切らずに地下水を温め続けているそうな。名残湯にしては、90℃と熱過ぎるんですが。
日没した雨中、つぼ湯にトライするも4組待ちだそうであっけなく諦める。並ばず入れる湯が一番、「くすり湯」へ入湯する。先客の親父は毎週日曜夜に2時間かけて通っている常連で、この湯の薬効高さを語ってくれた。ここで雷が鳴る。歓迎されてるなぁ。遅れて出てきた女3人組は熱くて中々入れなかったとの事。家内はハラ痛たが治ったと申すが、それホント?いやしかし、ポカポカにはなった。
野営場に戻り、お疲れの4人は雨もあってテントにすっ込み、俺は夜半まで大火を前に焼酎を飲む。雨も止み、星もチラチラ見えてきた。
明けて雨上がりの月曜翌朝、拉麺かっ込んで再トライしてみれば、並ぶことなくあっけなく「つぼ湯」へ招かれた。少々お高くもあるが、まぁ旅の記念ということで入壺。壺の浴槽形状がまた何ともイカシテおり、いつか俺が社長にでもなったらその暁に是非制作してみたいものだ。この湯、世界遺産と言うがハテ?
時間制限があって落ち着いて入れなかったこともあり、石鹸の使える一般湯へも入った。湯の花浮く広々とした木の浴槽に、朝から一人でこれまた極楽。
ここの温泉の効能云々は置くが、一言でいえば「濃厚」というのが私なりの所感だ。
順番が少々違うが「垢離を掻(か)く」ことができたので、再度新宮は熊野速玉大社へ。
【つづく】
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