金華山の萌え萌えはこんなもんぢゃあねえんだぁよ、お母ちゃん。
未だ、第一段階。
「山笑う(やまわらう)」とは俳句における春の季語で、春の山の明るい感じをいうそうだが、一般的には自然林の中でも落葉広葉樹林に葉が付き、萌えいづる春になりにけるかも状態を言うようだ。
岐阜の街中にそそり立つ金華山、旧名稲葉山(いなばやま)は、山全体がツブラジイ・アラカシを主とした照葉樹で覆われており、極相林(照葉樹林の最終的な姿)を成している。
その「金華」の由来は、ブナ科のツブラジイ(コジイ)の花が咲くと山全体が黄色く見え、金色に輝いて見えることにある。
正に「萌え」るのである。
折しも今読み進めている壇一雄「火宅の人(上)」P.259に、これに類する記載がある。
「次々と晩春の酒肴が運び出される。私達は大町文子と細君のお酌を受けながら酒になったが、まるで海を左右の縁先に引きまわしたような座敷からの眺望は素晴らしかった。あたりの山に見る椎の芽立ち、楠の芽立ちが、ドキドキと目まいがするほどにもなやましい。」
岐阜を訪れる好季をどこに置くかは旅行者の目的次第であるのは当然だが、私なら迷わず開花期の5月を強く推す。
それは5/11からの岐阜長良川鵜飼開幕とも重なる(折しも明日だ)。
【北海道ならば、本州が梅雨時期で天候の最も安定する6月を推す。】
岐阜市街が金華山を背景に、明るく活気ある街として大いに映えるのだ。
金華山を背景にした長良川もまた好い。
以前、屋久島から来岐されたOガイド氏は、お連れした郡上八幡城で「次回は是非金華山に行って見たい」と仰っていたが、流石はお目が高い。当時の私はスギヒノキモミツガの区別もつかない有様だったので、氏の言っている意味の七分の一も理解できていなかったはずだ。
金華山の「山笑」は、二段仕込みである。「山大いに笑う」
新聞によれば5/2に岐阜森林管理局が満開宣言をしたそうな。
例年より一週間早く、更に今年は花付きも多くて中旬まで楽しめそうだとある。
花期の金華山、それは見事なものである。
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